20 | もしも君が迷ったなら

もしも君が迷ったなら

思いついた言葉を詩に。思いついたストーリーを小説に。

2人は街中の眼鏡店に着いた。眼鏡を外し、コンタクトを作る。
「翼くん・・あたし・・お金・・持ってないよ?」
「大丈夫。俺が出すから。」
「え?そんな・・悪いよ・・。」
「いいんだって。俺が言い出したことなんだしさ。俺の親、金持ちだから気にすんなって。」
「・・・。」
そう言われ、何も言えなくなった。コンタクトの付け方を教わり、実際に作ったコンタクトを付けてみる。
視界は眼鏡よりもいいかもしれない。
「お。いいじゃん。眼鏡してない方がかわいいよ。」
翼があまりにもストレートに言うので、優子は照れた。
翼が会計をし、2人は店の外に出た。
「よし。じゃあさ、こうなったら服とかも変えてみようぜ。」
「え??」
訳が分からない。
「もうちょっとおしゃれしてもいいと思うよ。そんなロングスカートより、ちょっと短めにしてみるとかさ。」
「でも・・。」
「いいから。俺が見立ててやるよ。」
そう言って翼はまた優子の手を引いた。ストレート過ぎる翼の行動に戸惑いながらも、優子は何となくワクワクしていた。
変われるかもしれない。いつまでもウジウジしてるような自分とはもうさよならできるかもしれない。
そんな思いが優子の中に湧き上がった。