ふと、昔のことを思い出しました。



高校1年生の7月。


私とハルはまだ恋人にはなってなくて。

クラスの中の仲のいい男の子、という感じだったのだけど、確実に意識はしていました。

学校帰りに寄った店に笹と短冊が置いてありました。
みんなで、何か書いていこう、という話になり。

真面目に将来の夢を書こうと誰かが言い出して、私は「パティシエになれますように」って書きました。
ハルは、「後世に残る曲を作りたい」って。

その時、はじめてハルが作曲家志望だということを知りました。

ハル作曲家目指してるの? かっこいい~!と私が茶化すと、「自分が死んでも何か作品が残るってことに憧れる」と真顔で答えました。



まだ、心臓が悪いということは知らなかった頃。
その言葉が、どれだけ深いかということもわからなかった頃です。


ハルってそんなこと考えてるんだ…と新たな一面を見たような気がしました。




結局ハルは大学で作曲を学んだあと、楽器店に就職します。プロの作曲家として食べていくのは現実的には厳しかったです。
でも、作曲は続けていて、ジャズバーのマスターの誕生日にサックスの曲を作ってプレゼントしたり、既製の曲をジャズアレンジしてライブをしたり、趣味の1つとしているようでした。


亡くなる1年前、仕事を辞める決断をした時に、仕事を辞めて何かしたいことある?と聞いたら、「曲を作りたい」と言ってました。

体調が思うようにならず、なかなか作曲はできなかったのだけど…。

でもハルは、ずっとずっと夢を持ち続けていたんだな…。





今日、七夕の夜に、子どもたちにこの話をしました。

夢をずっと持ち続けてたパパをかっこいいと思うんだ…って。
パパはきっとお空の上でいっぱい曲を作ってるよね…って。


あいにくの雨空で、天の川は見えないけれど。


でも空を見上げると、そこにいるんだと感じます。
不思議と、子どもたちも。


パパを思って空を見上げた時に、心に流れるあったかい気持ち。それはパパが空から送ってくれてるんだと、私達は思っています。




七夕 皆様の願いが叶いますように…キラキラキラキラ