親の加齢とともに

「施設入所」を検討することが出てくる方も多いと思います。

「施設入所」の前に検討していただきたいワンステップがあります。

 

まず、前提として

「施設に入る」事を検討しなければならないということは

「自宅で生活する事が難しくなり、支援を受けて生活をする事を考えたい」

という事ならば

当事者の状況はいくつかあると思います。

 

考えられる4つの状況

①一人暮らしで、これからも一人で生活できなくはないが高齢になり、食事の用意や入浴など大変で、転倒なども心配

②一人暮らしで、認知症が急速に進み、一人暮らしが難しい

③一人暮らしで、転倒や病気などで車いす生活となり一人暮らしが難しい

④家族と一緒に住んでいるが、認知症や病気などが進行し、家族がケアをする事が難しい

(独身の息子、独身の娘、高齢の夫(または妻)、子ども夫婦+α)

 

施設に入る事を検討する前に、本人が、そのままの暮らしを続けたい意向があるかどうかをまず第一に考えてできる事を模索してほしいです。「住み慣れた我が家で、できる限り今の生活を維持したい」そう望む人が多いのではないでしょうか。

④の場合は、在宅でのケアが限界となれば、施設を探す段階と言えるでしょう。

ここでは①~③の場合について整理します。

 

ステップ1

◇子どもがいる場合、今は一緒に住んでいない子どもや子ども家族が親と一緒に住むことができるかどうかを検討する

 

これは、家族それぞれの事情があるので、当事者と子どもたちで、きちんとした話合いを持つことが重要です。

ここで、「子どもの同居が不可能」となった場合に、すぐに施設入所を考える方が多いのですが、次のステップをぜひ踏んでほしいと考えます。もしも、自分の事だと想像した場合に、突然、自宅に住めないと子どもに決められたらあなたはどうでしょうか。

 

ステップ2

子どもがいない、

子どもが一緒に住むことが難しい場合

(田舎の親と都会の子ども、遠くない場所に住んでいても仕事が忙しい、連れ合いの親の介護、晩婚や出産が遅かった場合自分の子どもの世話など同居がかなわない等)

◇一緒に住むことはできないが、子どもや親せきの支援で自宅での一人暮らしが維持できないか

→週に1度子どもが訪問、平日はヘルパーとデイサービスなどを利用する

→子どもに限らず、当事者の兄弟姉妹、甥や姪やいとこといった親戚が支援するといった可能性もあり

 

ステップ3

いずれも難しい場合「施設入所」となります。この際にまず検討すべきは以下の点

A 親の家の近くの施設を探す

B 子ども(もしくは家族代表となる親戚)の家の近くの施設を探す

Aは住み慣れた場所を離れずに住む安心感がありますが、子ども(親戚)はなかなか訪れる事が難しい

Bは子どもが通いやすいが、当事者は慣れない土地

→ここは当事者との話し合いが重要になります。また、子どもが複数人の場合は、主となる「家族代表が誰か」をきちんと話し合すことがとても大事になってきます。

 

また、子どもは親の事をいつまでも、昔のイメージでとらえがちです。

しかし、親は老いてます。

その老いを理解した上で親と向き合ってほしいと思います。

 

~参考~

「施設」にと言った場合

公的施設としては

介護付き有料老人ホーム  住宅型有料老人ホーム  グループホーム 

サービス付き高齢者向け住宅  シニア向け分譲マンション 

 

民間施設では

特別養護老人ホーム  介護老人保健施設  介護療養型医療施設 

軽費老人ホーム(A・B型)→今後なくなる  ケアハウス(軽費老人ホームC型) 

などがあります。

こちらはまた別の機会に詳しく紹介したいと思います。