「お子さんを叱るのは、どんなときですか」
――約束の時間になっても宿題を始めないときとか、親に口答えしたときとか……。
「心の奥では、子どもが自分の言葉に反応し、思い通りに動いてほしいと思っていませんか?
そういう意味では、叱るという行為は即効性があります。
それだけでなく、『相手が自分の言葉に従う』という自己効力感が得られるし、『悪いことをした人を罰したい』という処罰感情も満たせる。
こんなにごほうびがあれば、『叱る』に依存性があっても、おかしくはありません」
(中略)
――とは言え、教育上、必要だと思うから叱っているのですが。
「誤解しないでほしいのは『一切、叱ってはいけない』とも、『叱ることへの依存は心の病だ』とも言っているわけではないということです。
言い聞かせても人が嫌がることをやめないときは、私も叱ります」
「ただ、親は『教育的効果がある』と思っていても、実は子どもの学びにつながっていないことも多々あります。
叱ることの効果と限界を、知ってほしいのです」
(中略)
「叱ることの最大の問題は、叱ることがやめられなくなる、すなわち依存してしまうことです。
人は『快』だけで依存するのではない。
余裕があるときはそれほど叱りませんよね?
無意識のうちに、生きづらさを一時的に和らげるものに依存するようになる、という説が最近支持されています」
「相手が謝っているのにやめない、次々に叱るネタを探すようになる、暴力にも訴える――。
叱ることがやめられなくなった延長線上に、虐待やDV(家庭内暴力)がある。
叱ることで何らかの生きづらさを癒やそうとしているのなら、誰しも依存する可能性があると言えます」
(中略)
「ただし叱る依存は、親子や夫婦というプライベートな関係性にとどまるものではありません」
――パブリックな空間にも広がっているということですか?
「家庭以上に権力の格差がはっきりしている会社のような組織では、部下を指導する自分の方が正しい、と上司は思い込みがちです。
人は、ルールに違反した相手に罰を与えると、脳の報酬系回路の一つである『背側線条体』が活性化する。
ここが強く活性化した人ほど、自分が損してでも相手に罰を与えようとする傾向があることが、実験で確認されています。
つまり、叱る依存の落とし穴にはまりやすい」
(中略)
――やっぱり、できるだけ叱ることに依存せず、その機会は減らしたいです。「叱る」とどう向き合えばいいですか。
「まず、『叱ってしまう自分』を叱らないでください。
叱ることに罪悪感を感じて我慢しても、ストレスがたまり余計にやめられなくなります。
叱るを『我慢する』ではなく『手放す』イメージです」
――具体的にどうすれば?
「叱られる相手が行動しない理由が『できないから』なのか、『しないから』なのか、見極めることが大事だと思っています。
特に子どもの場合、過去に一度できたことが毎回できるとは限りません。
『この間はできたのに』ではなく『まだこの子は50%しかできないんだな』と考えるだけで、だいぶ違う世界が開けてきます」
「その上で、どんなサポートがあれば『できない』が『できる』に変わるのか、と考えてみるのです。
叱る、叱らないではなく、新しい方法を試行錯誤するうちに気づいたら叱らなくなっていた……
というのが、目指したい姿です」
――「叱る」を手放せたら、社会も変わりますね。
「そのためには、人は叱られ、その苦痛から学んでこそ成長するという『苦痛神話』から脱却しなければなりません。
人はそもそも叱ることに依存する。でも、叱るだけでは人は学ばない。
これが社会の常識としてンストールされれば、もっと生きやすい世の中になるのではと思います」
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