「みんな」とは違う進路を選ぶということ | 傍流のアメリカ大学受験

傍流のアメリカ大学受験

都内私立中高一貫校の高校三年生。米国大学進学準備に奮闘中。
純ジャパ(日本生まれ日本育ち、海外経験ゼロ)の息子がどこまで挑戦できるか、親もつたない英語を駆使して情報収集に格闘しています。

2024年4月30日(火)    雨

 

 

 

 

祝日は、夕飯を作らない主義です。

 

平時であれば日帰りでも旅行に行きたいタイプですが、

今は受験生を抱える身なので、

夕飯は近所の異国情緒を味わえる人気のレストランへ行きました。

 

直前に予約したのに、個室へと案内してもらえました。

 

パパと私

 

私と息子

 

と言う組み合わせで話すことはあったけれど

三人でそろって話すのは、久しぶりのことでした。

 

落ち着いた店内で、話題は自然と受験校のことになり、

主には息子の意思確認をしたいと思いました。

 

 

国内の大学は、受けないんだよね?

希望専攻に変わりはない?

卒業後は現地で働きたいの?

 

 

親としては息子のやりたいことを心から応援したいし、

そのために必要なことは過不足なく用意してあげたいけれど、

なにはともあれ、本人の意志が一番大事です。

 

 

ところがですね、

自分の進路の話なのにですね、

息子からは、のらりくらりとした煮え切らない回答が返ってくるわけですよ。

 

気が短い私はすぐにイライラしちゃうんですけど、

ここは、親が「こう思うよ」「ああしたらいいよ」とアドバイスする場ではなく

息子の意志を聞く場ですからね。

 

イエス、ノーで答えさせるのではなく、

彼が自分の言葉で語るのを、じっくり待ちました。

 

 

 

やっと出てきた言葉が「不安だ…」とのつぶやき。

 

え?なにが不安なの?

 

 

だけど本人は「不安なんだよね。」としか言わない。

 

 

はて。これはどうしたものだろう?

 

「え?留学することが不安なの?それとも卒業後の進路が不安なの?」

私の頭の中は、「え?どれどれ?」状態です。

 

 

息子は「どっちも。」と言います。

 

 

「え?留学するのを辞めたくなったの?」と聞くと

 

「そんなことは言ってない。」と苦笑い…!

 

あ、そうでした💦

 

 

 

こういうのは、パパの方が、息子のホンネを聞き出すのがうまいですね。

穏やかに質問すると、息子は

 

ポツリポツリと、今心の中にある不安の一つ一つを話し始めました。

 

 

やりたいことに変わりはない。

他のことを勉強したいという「ほかのこと」が見つけられない。

でも他のことも勉強した方がいい気がしている。

ダブルメジャーにしようかとも考えている。

このまま進んで、卒業後はどうなるのか?

就職はできるのか?どこで就職するのか?

 

論理だって話せるほど、頭の中できれいに整理されてはまだいないようで、

一つ一つが断片的で漠然としたものでした。

 

 

まあ、総括すると「卒業後、本当に希望の職種に就けるのか。」のようです。

加えて、それで「食べていけるのか。」というのも結構深刻に考えているみたい。

 

 

ふむふむ。

高校三年生になって、進学のその先、

「就職」という景色が、少し現実味を帯び見えてきたようです。

そこに対する漠然とした不安…。

 

このまま、自分の興味のままに突き進んでいいのか、

それとももっと「確実な」進路を選ぶべきなのか。

 

 

それらの漠然とした不安が、

確信をもって前に進むエネルギーを吸い取ってしまっていたみたいです。

YouTube三昧は、ただの息抜きだけじゃなかったみたいね。

 

 

パパは、「そっかあ。そういう思いがあったんだね。

話してくれてありがとう。

そういう悩みはこれからもあるだろうし、また違った悩みになることもあるから、

そういう時は、こうやって親に相談したり、友だちに相談したり、してね。」

と話しました。

 

 

不安だとは、それは息子から初めて聞く話で、

「そんなことを考えていたんだ。」と言う驚きと、

そして息子の真の成長を感じた時間でした。

 

 

高3になって友人との進路の話は、

具体的で現実的なものになってきているということなのでしょうね。

高2までの

 

「将来○○になりたい!」

「こういうことをやってみたい。」

 

という夢を語るものとは、本気度が変わってきているのでしょう。

 

 

息子なりに、思うところがいろいろと出てきたようです。

 

 

息子の周りでは、

医者や弁護士、あるいは建築士やエンジニアなど、

職業として、イメージしやすい職種を希望する友人が多いです。

 

一方で自分の進路を考えた時、

「留学して、じゃあそのあとどうするよ?日本で就職先、ある?何して食べてく?」と、

あまりにも漠然としすぎていて

「これじゃあダメだ。」と思うところがあったのかもしれません。

 

 

今、その壁に突き当たることができたのは、本当に良かったと思いました。

留学先でこんな悩みを抱えても、親は何も助けることができません。

そして、多くの子にとってこのたぐいの悩みは、

大学2年生、3年生頃に現れてくるものではないでしょうか。

 

周りの友人が早熟で、高校生の時点ですでに自分の将来設計を明確に描き、

そこに向かって邁進する姿があるからこそ、大いに刺激を受けたのでしょう。

 

 

息子のそんな心のうちを聞いた親としての私たち。

 

パパはパパの経験から、

そして私は具体的に行動に起こせることを、それぞれ話しました。

 

この時間を、前向きな形で締めくくりたいなと心から思いました。

 

 

長くなりました。明日に続く…。