野菜の収穫は

だいたいが

楽しい。


でもごぼうは

ちがった。


とにかく時間がかかり

大変。


茂った葉を

鎌で刈り取り

土を掘る。


私は

根元のわりと近くを

どんどん掘り下げた。


ある程度深く掘り

抜けるかなと期待して

引っ張っても

抜けない。


それどころか

傷をつけ

途中で折れて

がっくり。



夫に掘り方のコツを

聞いたら

自分の掘り方の

間違いに気づいた。


夫はごぼうから

少し離れた場所から

スコップを入れた。


深く掘る前に

ごぼうの周りを

広く掘り

周りの土を 

柔らかくして

それから深く掘り下げた。


スコップも二種類

使った。

さらに、手作りの

尖った棒も使って

根に挟まった土を

ほじった。


すると

あるところで

ごぼうがグラッと動き

スポッと抜けた。


おお!すごい。


自分も何本か

やってみてだんだん

コツがわかってきた。


やってるうちに

ごぼう掘りは

問題解決に似ているかも!

と思った。


解決できない問題があると

そのことばかりに

気が向いて


そこだけで

何とかしようと  

がんばるけれど

うまくいかない。


そのときに

解決したい問題から

少し離れてみる。


こんな事

関係ないかも

と思うような事を

しばらく続けてみる。


あるいは

やり方を変えてみる。


すると

問題を取り巻く

周りの状況が変わり


解決の糸口が見え 

問題があっさり解決する。


こんなところ掘って

意味あるんか?

と思うくらい

離れたところを掘る。


それが意外に 

近道だったりする。


ウンザリしていた

ごぼう掘りが

少し楽しくなった。