実家では


電化製品を

私の同級生が経営する

町の電気屋さんから

購入している。


あちこちに

大型家電の店が 

あるのに、

その店は潰れない。


今社長をしている

同級生は

小学生のとき

一緒のクラス。


とにかく

毎日先生に

怒られる子だった。


よく人にも手を出した。


あれは

たしか5年生のときだった。


彼の母親が

その電気屋の社員と

家を出て行ったのだ。


その直後に

また彼は何かをして

先生に怒られて

そのときは

めずらしく泣いていた。


その時の

彼が泣いていた姿を

今でも忘れられない。


なんとなく 


彼は家でいろいろあって

それで学校で問題を

起こしていたんかな 

とその時思った。


だけど

彼は中学生になり

グレることはなく

そのパワーを

部活などに向けて


高校も出て

いつのまにか

社長になっていた。


私が就職して

家を出るとき

彼の店で電化製品を

揃えた。


彼は実家から

私の就職先の高山まで

一人でトラックに

洗濯機や冷蔵庫を

積んで持ってきてくれ

ついでにサービスで

ベッドやらいろいろ

組み立ててくれた。


久しぶりに会った彼は

すごく爽やかで

いい人だった。


あちこちで

廃業していく電気屋を

引き継いで

社員を派遣して


町の電気屋の灯りを

消さないようにしている


と聞いた。



問題を起こしても

怒られても


それは一生の問題ではない。


信念をもって

何かをやりとげようとしたから

彼は

本当に変わったのだと思う。



たまたま

高山に来た父から

あそこでテレビ買ったぞ

と聞かされ

そんなことを思った。