アイデアが何も浮かばないので、例によって昔の文章をタイプ練習してみました。

文学青年ぽい生硬な文章(詩みたいなもの?)だけど、今はどのみち、こんなの書けないなあ。

 

 

断片10

 

超高層ビルの銀色の影が、幾何学模様に空間を分割している。その亀裂の兆しが人々を内臓的に脅かしていた。
未来都市! 不安と夢との曖昧なため息の裏で、中性人間がプラスチックのパンを食べる。何かを待ちながら、待つことにさえ不安を感じ──誰かが後ろから銃で狙っているかもしれない。いや、そんなことは核爆弾の輝かしい閃光に比べたら、足のないミズスマシのようなものさ。
──あなたは誰なんです。
──あなたこそ。
そして二人は例のように微笑を浮かべ、心を閉じて別れてしまう。切ない欠伸を噛みしめながら。
熱のない光が街じゅうを覆っている。そこでは叫ぶことは許されないし、立ち止まることさえ罪悪なのだ。
やがていつものように夜が垂れ込め、人々は無言のうちに身支度をする。彼らの旅は孤独だ。他人の踏み込まぬ懐かしい思い出と、冬枯れた優しい空想の中へ。
静寂を愛する僕たちの生活──。