漢字クイズ(ホラー編) 
 
                                                                                   ◇まゆつば国語教室 33
 
 
パターンが見えてきたと思うので、今回はノーヒントで。
 
※この手のものは、だいたい他の説もあるので、そこんとこよろしくです
※一部、授業っぽい口調になりますが、そこんとこもよろしく(笑)
 
【問題1】
古代中国では、新しい道路が作られると、わきにある物を置きました。何でしょう。
   A; 干支の土偶
   B; ヘビの抜け殻
   C; 人間の生首
 
【問題2】
古代中国で、神様への供え物としてしばしば皿に入れたものは何でしょう。
 
【問題3】
了解、完了の「了」。じつは、ある文字から改変して作られたと言われます。
どんな字から? どのように改変した?
 
【問題4】
「上」「下」など、抽象的な内容をシルシで表す文字を指事文字と言います。
で、ごぞんじ象形文字や、この指事文字を組みあわせて作る文字を「会意文字」と言います。
会意文字は、じっと見ていると、成り立ちが想像できるものが多い。
たとえば「信」は、「人」+「言う」→人が真実を言うこと、まこと、それをそのまま受け取ること、信じること。
 
では、患者、疾患の「患」。
何が見えてきますか?
 
【問題5】
もひとつ、荒れ地の「荒」。
どんな風景が見えますか?

中の「亡」は想像しやすいですね。
下の三本線がカギです。何だろ、これ??
 
【問題6】
では、残念とか残酷とかの「残」は?
旧字体でないと由来がわからないものがあり、これはその例です。
なおかつ、「いちた」と呼ばれる「へん」の意味もわからないといけない。
これは難問ですぞ!
 
【問題7】
最後です。
日本語の「あか」は、「あかるい」「あける」と同根で、夜明けの空の色だと以前の記事で言いました。
では、中国語の「赤」は何の色でしょう?

文字をじっと見てください。
(上の「土」は手足を広げた人間です)
補注; 現代中国語では、redのことは赤でなく、紅(ホン)と言いますが。
 
 
 
 
   (=^x^=)     (#`皿´)     ((゚m゚;)     ( ̄∇ ̄+)     "(-""-)"
 
 
 
 
 
◇解答
 
【1】 Cが正解。道に「首」という字がついているでしょ。
土地についている邪霊を払うため──死者に邪霊と闘ってもらうために置いたんでしょうね。
 
【2】 いけにえの動物を殺したもの、または、その血。
漢字には、偶然似ているものもあるけど、一方を改変してもう一方を作った(だから似ていて当然)というものもあります。「皿」と「血」は後者です。
 
【3】 「子」です。手足をくるまれた(で手足が見えなくなった)乳児の姿を表し、
「(物事を)くるめる」→「終える」という意味になったようです。
両腕を切り落とされた子供の姿……を表しているという説もあります((゚m゚;)
 
【4】 心臓をヤリで串刺しされた人間の姿、らしいです。
「わずらう」「うれう」では済まないような気が……(汗)
 
【5】 くさかんむりはもちろん「草」。中は「亡者=死体」。下の三本線は髪の毛だとか。
つまり、草原に捨てられた死体が白骨化し、髪の毛だけが風に揺れているさまとか。
まさにホラー!
 
【6】 旧字体は「殘」。右は「戈(ほこ)が二つ」、左の「いちた」は死を表します。
つまり、人間をほこでズタズタになぎ払って殺すこと。そこから、「そこなう」「むごい」という意味になりました、とさ。
 
【7】 下の部分は、「烈」の下と同じく「火」を表します。つまり、手足を広げた人間(磔にされた人間)を火あぶりにし、人間が燃えて赤くなる──その色なんだそうです。
 
 
もういいかげんにして ( ̄□ ̄;)!!(;´Д`)(#`皿´)!!!
ですよね。
 
まだまだいっぱいあるんですよ。こういうの。
興味のある人は、「民」とか「取」とか「賢」とか……調べてみてください。
 
おそろしい、おぞましい。
でも、これが古代中国のありようだったようです。
古代文明はどの地域でもしばしば残虐ですが、とくに中国のそれは強烈な気がします。
(だから儒教道徳が必要だったのか……)

注; この記事、中国文化を誹謗するつもりはまったくありません。基本的には、ぼくは中国文化に大いなる尊敬の念と、深い興味を持っています。念のため (^^;)