元旦に起こった大地震では、

特に輪島市・珠洲市の被害が甚大でした。

 

新たに私の会社の珠洲の事務所の様子がわかり、

事務所内は足の踏み場もないほど物が散乱し、

机の上に置いてあったパソコンやモニターも、

床に落ちていて、使えるのかどうかもわかりません。

 

その事務所は、珠洲の事務局長の家の隣にあった倉庫。

事務局長の家は、洋風の比較的新しく見える家でしたが、

赤紙が貼られていたそうです。

もう自宅を壊す決心をされていました。

珠洲市の半分の家は全壊だと聞いています。

 

今日から、うちの職員も他の団体と一緒に

ボランティアに入ることになりました。

まずは穴水町など、

奥能登と比較してまだ被害が少ない地域からです。

 

2021年9月3日の旅は、土砂降りの中、

山を越えて能登半島西側の海岸へ向かい、

その途中、朝一で輪島市門前町の阿岸本誓寺を訪れました。

 

車を下りる頃には雨もピタッと止み、

まだ空は薄暗かったけれど、雨の心配はなくなりました。

 

 

茅葺きの本堂が印象的なお寺で、

前の地震の時には大きな被害を受けました。

 

 

こちらのお寺はアギシコギクザクラが有名で、

約3.5cmの花弁を一輪に170~200枚つけ、

4月中旬以降、お花を楽しむことができます。

 

 

前回紹介しましたが、開門の8:00には總持寺祖院へ。

 

 

その後、山中の男女滝を見てから海岸へ向かい、

NHKの朝ドラ「まれ」の舞台となった「間垣の里」へ。

 

 

この辺りの地区は今回の地震の際、道路が寸断され、

長い間、孤立していた集落です。

 

 

間垣は、高さ約5mの苦竹や真竹を割ったものを

隙間なく並べた垣根のことで、

冬は日本海から吹きつける季節風から家屋を守り、

夏は暑い西日をさえぎるなどの効果があります。

 

 

 

そして、少し山の方へ入って桶滝を見に行きました。

 

 

ここまでは計画していましたが、地図を眺めていたら、

まだ行ったことがなかった鴨ヶ浦に

「猫地獄」というものがあるということで、

約12.5km続く、断崖絶壁の西保海岸を走って向かいました。

 

 

 

左の岩が千畳敷岩、右がゾウゾウ鼻といわれる岩。

 

 

 

道路は狭いのですが、バスも通っています。

 

 

ところが、今回の地震で崖崩れなどにより道路が寸断。

こちらの地域のみなさんも孤立してしまいました。

 

 

 

そして、初めての鴨ヶ浦に到着。

 

 

東西400m、南北150mにわたる

海蝕作用でできた白っぽい岩礁が広がっています。

 

 

 

「猫地獄」という名前の由来にはいくつかあり、

1つは、岩場に猫がひっかいたような傷跡がたくさんあることから、

昔は大量に猫が発生していたのではないか・・・。

 

 

もう1つは、輪島出身の職員に聞くと、

あの棒が立っている所が「猫地獄」で、

かなりの絶壁で、猫も降りることを怖がるということから・・・。

今は子どもたちが、あそこから海に飛び込んで遊んでいるそうです。

 

 

 

そして、海水が自然に流出入するしくみとなっている、

自然の岩礁を活かした天然の海水プールがあり、

全国的にも珍しく、文化財にも指定されています。

 

 

しかし、今回の地震で2.2mも地盤が隆起してしまい、

プールの位置も高くなって海水が入らなくなり、

干上がってしまったそうです。

 

 

輪島と言えば漁業も重要な産業ですが、

海岸沿いの港もこの隆起によって港の機能を失い、

漁に出られない事態となっています。

 

この後、中華のランチが食べたくて、

ナビを頼りに走っていると、

その店は輪島の朝市通りにある店だったようで、

駐車場もなかったので、諦めて道の駅で食べたのですが、

その朝市通りの店も地震で全焼しています。

 

その後、門前町の山中に戻って滝神社と桜滝を見て、

帰りは能登半島の西海岸沿いの道を走りました。

ここにはトトロに見える権現岩があります。

 

 

 

 

悲しいことに、今回の地震で左耳がなくなってしまいました。

 

 

地震の爪痕は無数にあって、

きれいな景色が戻るにはどれくらいかかるのかなあ・・・