2023.11.20
旅行3日目 No.4 アレッピー
アレッピー(アラップーザ)の駅に到着したのは14:50。
列車が遅れて遅いランチになってしまったけど、すっごく楽しみにしていたから開いてるといいな。
駅の目の前からすぐにバスに乗ることが出来た。(10ルピー=約18円)
久し振りの爆音バスだった。
昔はインドの夜行バスに乗ると、ドライバーの眠気覚ましのためなのか、
一晩中インドポップスが爆音で掛かり続けて寝られたもんじゃなかったけど、今もそうなのかな?
車掌さんが料金の徴収に来たから、
「Zachariya Bazar」と告げると、プッと笑って、
「Zachariyaだよ。」
え、そう言ってるつもりなのに。
「Zachariya」
「No no〜!Zachariyaだよ」
何度言っても発音がおかしいらしく、
「あはは。You are CUTE」
とウィンクするではないですか。
見たところまだ二十歳前の男の子だったけど、ちょっとスレた感じのイケメンだったから、
こ、こらこら!おばさんをからかうんじゃない!
と思いながら、不覚にもちょっと照れてしまったわ
アレッピーの食堂をGoogleマップで探している時に見つけたこの場所は、
食堂ではなく、グジャラート州出身の一般家庭でご飯が食べられると言うもの。
口コミを見ると、『○○おばさんは素晴らしい人柄です』『愛情たっぷりの素晴らしい家庭料理でした』『とても清潔』などなど、
いいことばかりが書いてあったから、
きっと優しい雰囲気のお母さんとその家族が温かく迎えてくれて、心温まる経験が出来るに違いない
あれ〜?Googleマップによるとこの建物っぽいけどな〜。看板は何も出てないのね。
ここ?です?か???
すごい古い建物だな〜。
恐る恐る門の中に入ってみると、小屋から使用人らしきお年寄りが出てきて、
「カナ?カナ?(ごはん?)」って聞いてきたから、
「イエス、カナ。」と言うと、庭の奥の家まで連れて行ってくれた。
まるで遺跡のような場所だ。
すごい歴史を感じる扉。
この中かな?
この奥がこの家庭のキッチン&ダイニング。
期待に胸が膨らむ。ドキドキ
中に入ると、優しそうなご主人と、想像していたイメージとは全然違う気の強そうな奥さんが迎えてくれた。
本当にふつー---の誰かの家の台所、って感じ。
ここは事前にオーダーしない限りは、その時にあるものを食べさせてくれる仕組みで、
テーブルにはすでにいくつかの鍋が置かれている。
朝〜昼にかけて来たお客さんの残りものと言えば残りものだ。
奥さんは「5minutes(待って)」と言って椅子に座るとどこかに電話をし始めて、
誰かに色々な食材を持ってくるように頼んでいるようだ。
電話が終わると、
「この後○○リゾートに料理を持っていかないといけないのよ!I'm so busy!あなたチャパティ何枚?4枚でいい?」
と言って、手も洗わずにそのままチャパティを作り始めた。
まぁ、今までいくらでも屋台で食べてるから、衛生的にはなんてことないっちゃないんだけど、
さっき電話しながら足をボリボリかいてたのを見たから気分的にちょっと嫌。
『手を洗ってから調理する』なんて基本中の基本だと思うんだけどね。
「あなた、これ好き?」と聞かれて、
「ええと、食べたことはないけど・・・」とのんびり答えていると、
いいからさっさと試してみなさいとばかりに、スプーンですくって私の口に突っ込んできた
「お、美味しいです・・・」
チャパティも焼き立てでとっても美味しかったけど、え・・・・?これだけ??
まだ出てくると思ってたのに、何だ、これだけか。
と思っていると、「ライスも食べるの?」と渋々な感じでよそってくれた。
でも、おかずはもうないんだ・・・随分シンプルだな。
食べていると、もうひとりの女性がやってきて、すごい勢いで二人で調理を始めた。
奥さんが、のんびりと座っていた旦那さんに向かって「サラダの準備してよ!」と怒鳴ると、
優しそう~な旦那さんは私が食べている食卓の向かいで、慣れない手つきで慌ててキュウリやトマトをスライスし始めた。
(やっぱり手は洗わないのね・・・)
しばらくして旦那さんが休んでいると、また「これじゃ足りないわよ!もっと切って!」と怒鳴られて、
またまた「あ、はいはい」と一生懸命スライスする旦那さん。
この古い家の話とかグジャラートコミュニティーのこととか、グジャラートの食べ物のこととか色々聞きながら
温かい雰囲気の中で楽しく食事ができるのかと期待して来たのに、奥さんはずっとピリピリしているし、
なんだか全くお客さんとしてもてなされている感じがしなかった。
旦那さんは、「Sorry・・・today she is busy・・・」と申し訳なさそうに言ってくれていたけど、
普段の奥さんはこんな感じじゃないってことなんだろうか。
口コミから想像していた人柄とぜんっぜん違うけど。
奥さんは私が食べ終わると「200ルピー!(約360円)」と言い、
私は内心「え???これで200ルピー???ボリすぎでしょ!」って思ったけど、黙って支払った。
私がそのあとも少し話そうとしていたら、奥さんはさっさと帰れと言わんばかりに
「バイバイ!!!バイバイ!!!!」と私の顔も見ずに大きな声で言ってきて、
まるで追い出されるように出てきた。
何だかすっごく気分が悪い。忙しいとは言えひどい扱いじゃない?って、悲しくなってしまった。
口コミを読んで期待しすぎたのかもしれないけど、これじゃあその辺の安食堂の接客よりずっと酷い。
こんなとこ行かなきゃよかった。
普通の食堂で食べればよかったな。
再びさっきバスを降りたZachariya Bazarの方へ戻ろう。
やっばいペットショップ発見
これは酷い。
「前はテレビであまりわからないヒンディ語で日本のアニメを見ていたけど、
今はNetflixで英語のサブタイトルで見られるようになったのよ。」
「なるほど~。テレビでは何を見ていたの?ドラえもんとか?」
「ドラえもん、ドラゴンボール・・・」
「あ、クレヨンしんちゃんもでしょ?インドですごく人気だって聞いたよ。」
「しんちゃん!!!私、子供のころしんちゃんが大好きだったのよ!!あぁ~~しんちゃん」
と、両手を頬にあててうっとり。
「私日本にいつか行ってみたいの!日本に住みたいし、日本の大学も出たい。シブヤにも行ってみたい!」(彼女は現在19歳の学生)
「そうなんだ~?外国人は渋谷が好きだよね。私にはインドの方がずっと面白いけどね!」
「あなたが日本人だからそう感じるのよ。私もインドは自分のカルチャーだからそんなに面白いと思わないもの。
あなたはインドが違うカルチャーだから惹かれるのよね。」
「うん、日本と全然違うから面白い!あなたはインドを旅行したりしないの?」
と聞くと、彼女は恥ずかしそうに、
「私、実はアレッピーの街から一度も出たことがないのよ。」
「えっ???アレッピーからも???」
「そうなの。親が厳しくて、旅行に出させてくれないの。」
「友達たちとグループでもダメなの?」
「うん、許してくれなくて・・・」
「そうなんだ・・・・え~・・・」
「でも、絶対いつか日本に行きたいの!」
「うん、行けるといいね!」
「あ、私ここで降りるわね。バーイ」と彼女は降りて行って、
バスターミナルの人ごみの中で振り返ると、とびっきりの笑顔で手を振って見送ってくれた。
気持ちのいい女の子だったな~。
明るい彼女との楽しい会話のお陰で、ランチの後ずっとモヤモヤしていた気持ちが晴れた。
あ!そういえば、カバンの中にクレヨンしんちゃんのステッカーがあったんだ。
去年インドに行った時にピアスを買ったお店で、
「息子がしんちゃんが大好きで、いつもしんちゃんしんちゃんって言ってるんだ。」
って聞いて、
もし今回しんちゃんが好きな子に会ったらと思って、ダイソーで買っておいたんだった。
19歳の彼女がステッカーを喜ぶかどうかはわからないけど、
両手を頬にあてて「あぁ~~~しんちゃん」って子供時代を懐かしんでいたぐらいだから、あげてみればよかったな。
さぁ、私もそろそろバスを降りるよ。
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