もっと 話して欲しい。


もっと 手を繋いで欲しい。


もっと 会って欲しい。


もっと 抱きしめて欲しい。


もっと 大好きって言って欲しい。



欲張りと思いますか?


鬱陶しいと思いますか?



違う、こんなことが言いたいんじゃなくて...。


もっと、もっと私を愛してください...!!




志:はぁ...。


伝えられない事を 心で叫ぶ毎日。


私には同い歳の恋人がいる。

でも、愛されている感じがしないんだ...。


毎日 別れを告げられるんじゃないかって不安だし

返信が来ない時は 本当につらくなる。


それでも私は、言って欲しかったり して欲しいことを
声に出して、理佐に伝えることが出来ない。


私は...臆病者だ。







そして今日は、理佐と久しぶりに出かけることになった。


今の時刻は13時15分。

待ち合わせの時間は13時のはずなのに、理佐はまだ来ていなかった。


付き合い始めた頃は、理佐が先に来て待っていた。

だけど、ある日から理佐が先に居る事は無くなった。


遅刻しても大丈夫、そう思われてしまったのだろうか。



そんな事を考えていると、遠くに理佐の姿が見えた。


会いたかったはず、早く来て欲しかったはずなのに
私は突然 緊張感に襲われた。


理:遅れてごめん。


志:うん...気にしないで!



理佐は不機嫌そうな顔をしていた。

だから私は、いつもよりも言葉や態度に気をつける。


どこに行くかなんて決めていないのに、理佐は私を置いて歩き始めてしまった。


理佐は歩くのが速いから、
手を繋ぐどころか、理佐の後をついて行くので精一杯だった。