皆さんおはようございます!

早速、新しい小説を今日から始めるんですが
この小説を読む前に、3つ注意事項がありますので改めて書かせて頂きます。


①この小説は卒業生の志田愛佳が出ます。

②志田愛佳では無く、志田まなき
つまり小説の中では男性という設定です。

③不快な表現が出てくる可能性があります。



以上の事が問題ない方のみ先にお進み下さい!

ちゃんと完結するぞー!!ウシシ


では、どうぞ!







...............




「すみません!ボール蹴ってください」


校庭を歩く俺の足元に転がってきたサッカーボール。

俺はそんなボールを、睨むように見ることしか出来ない。


クソッ...」


ふと零れる自分の声
悔しさで溢れた ダサい声だ。

俺はボールを無視して再び歩き始めた。

すると、1人の生徒が俺の元に走ってくる。


「蹴ってくれたってよくない?」


冷酷すぎるその目は俺を困らせる


「そんくらい 自分で取りに来いよ」


珍しく口が悪くなる。

それは自分の中で生まれたイライラを、この人にぶつけてるだけだ。




「は?なんなのあんた」


「うるさい」


「ちょっと、理佐やめなって!」


つっかかってきた女を軽く睨みつけたタイミングで、他の2人の生徒が止めに入ってきた。

そこでハッとして冷静になる。

あんな口の利き方をして、俺は馬鹿だ。



「志田くんごめんね、あの子足の事知らないからあんな事...」



「いいよ、俺も熱くなってごめんな」



俺は悔しくて、情けなくて


拳を強く強く握った。











元の原因は、右足...

俺の右足は上手く動かない ただの飾りだ。


サッカーが昔から大好きで
この高校の強豪サッカー部で全国優勝を目指し、エースナンバーである10番を背負ってきた。

そしていつか世界で活躍して
日本代表としてW杯に出ることが夢だった。


それなのに俺の夢は、事故に遭い一瞬で絶たれた。


3年生になってすぐの4月だった。


サッカー部の皆は励ましてくれたよ、お前は俺達の仲間だって。


だけど俺の背番号は、入部したての1年生が次の試合から背負っていたんだ。


絶望したよ...所詮 俺は終わった奴だと思い知らされた。

お前の代わりなんていくらでもいるってね...


声をかけてくれた クラブのユースチームも全部
「今回は...」って逃げていった。


志田 まなき


結構注目されていたのに
その存在、名前はすぐにみんな忘れていったよ。



「クソッ  何で涙が出るんだよ、俺は男だぞ...」



ああ、笑えるよな...

俺はもう右足が不自由な、ただの可哀想な奴なんだから