きょうものすごく気に入った文字に出会えました。

 「夜が来ては明け、日によって晴れたり曇ったりし、雲量によっては雨も降り、音なく雪が垂(しず)れる。更地から生え始めた草木は、季節によって、枯れては芽吹き陽がのびればそれだけ茂る。果実は熟れては落ちる。」

 そして、ここからがもっとも心が動かされてしまった一文...

 「そうした天象の一瞬一刻がくりかえされることなくくりかえされる。」

         
                    ―朝吹真理子『きことわ』p.140―