【緊急警告】9月25日までに大地震発生か!?メキシコ地震は「月の引力と「太陽フレアが誘発【前半】

 
MexicoCrisis_3.jpg
2012年に発生した大規模な太陽フレア 画像は「Wikipedia」より引用

■太陽フレアが大地震を誘発する!?

 このように、9月8日に各地で一斉に起きた地震や火山活動は、日食の影響なのだろうか。実は、それ以外にも考慮すべき要因がある。そう、“太陽活動”だ。9月6日にX9.3という超大規模の太陽フレアが発生した。太陽フレアとは、太陽の表面で起きる爆発現象で、X線強度による等級が低い方から順にA、B、C、M、Xに分類される。X9という大規模なフレア発生は、実に11年ぶりのことだった。

 内外の地震研究者の間では、以前から「太陽フレアが地震を誘発する」という説が根強く囁かれてきたが、筆者はこの意見に対して慎重な態度をとっていた。たとえば、満月や新月のタイミングで地震が増える現象は、月の引力が影響しているかもしれないと説明できるが、太陽フレアと地震の関係は、そう簡単にメカニズムを考察できないというのが理由だ。とはいえ、過去のデータを調べてみると、大規模フレア(X等級)の発生から数日~2週間後に大地震が発生した例が多数存在することは事実である。

・ 1989年10月19日:X13
→1989年11月2日:三陸沖、M7.1、最大震度4(津波あり)
・ 2003年11月4日:X28(衛星観測開始後、過去最大)
→2003年11月17日:アリューシャン諸島、M8.0
・ 2011年2月15日:X2.3
→2011年2月22日:ニュージーランド・カンタベリー地震、M6.1
・ 2011年3月10日:X1.5
→2011年3月11日14時46分:東北地方太平洋沖地震、M9.0
・ 2012年3月7日:X5.4
→2012年3月14日18時8分:三陸沖、M6.9、最大震度4(八戸港で21cmの津波)
→2012年3月14日21時5分:千葉県東方沖、M6.1、最大震度5強(3.11の余震)
→2012年3月20日:メキシコ南部、M 8.0
・ 2013年4月11日:M6.5(X未満だが例外的に紹介する)
→2013年4月13日:淡路島付近、M6.3、最大震度6弱
→2013年4月20日:中国・四川地震、M 7.0
・ 2013年5月13日:X1.7
→2013年5月24日:ロシア・オホーツク海、M8.4
・ 2017年9月6日:X9.3
→2017年9月8日:メキシコ・チアパス州沖、M8.2

 なお、武蔵野学院大学特任教授の島村英紀氏は「学問的には不明」としながらも「フレアの影響で起きた電気を帯びた粒子が、地震を起こす岩に対して『最後の引き金』を引いている可能性はありえなくはない」(zakzak、2017年9月11日)と語っている。太陽フレアと地震の関係を「ない」と切り捨ててしまうことは、やはり賢明とはいえないようだ。そして今月11日には、またもX8.2という大規模な太陽フレアが発生しており、少なくとも9月25日頃までは大地震発生に警戒するに越したことはないだろう。

 
 
 

■太陽活動と地震の謎多きつながり

MexicoCrisis_4.jpg
太陽黒点 画像は「Wikipedia」より引用

 また、フレア以外の太陽活動と地震発生との因果関係を指摘する科学者もいる。たとえば、九州大学宙空環境研究センターでは、太陽黒点の数が少ない(太陽活動が活発でない)時期ほど巨大地震の発生頻度が高くなるという傾向を発見した。同センターの湯元センター長は「太陽と地震の活動をつなげる要素は不明だが、地震の謎を解明する手がかりにしたい」(毎日新聞、2011年9月26日)と述べている。

 太陽黒点数は、昔から“11年周期”で増減することが知られている(実際は平均して9.5~12年ほどの周期で増減する)。黒点数が最も少ない極小期に起きた巨大地震としては、昭和東南海地震(1944年、M8.2)、アリューシャン地震(1965年、M8.2)、ニュージーランド(1976年、M8.2)、インドネシア・ニューギニア島沖(1996年、M8.2)、四川大地震(2008年、M8.0)などが挙げられる。そして現在は、この黒点数の極小期に至る直前というタイミングに該当するのだ。

 まだ確実なことは言えないが、黒点数が少ない時に大規模な太陽フレアが起こるという法則が存在するのかもしれない。なお、この問題に関して主流派の科学者たちは概ね否定的な態度を取っているようだ。いずれにしても、太陽活動と地震との関係については今後における筆者の研究課題としたい。


 さて、月の位相や太陽活動以外にも、大地震との関係性が指摘される事象はほかにもある。現在、太平洋をぐるりと取り囲む環太平洋火山帯(通称:リング・オブ・ファイア)が活動期に突入した可能性も囁かれていることは、過去の記事で紹介したとおりだ。何度でも警告するが、たとえ可能性が低くても、大地震の発生が懸念される時には備えを確認し、防災意識を高めておくべきだ。そのような差が、いざ大地震が発生したとき、あなたの生死を分けることになるかもしれないのだから――。

 


参考:「公益財団法人フォーリン・プレスセンター」、「国立天文台 三鷹太陽地上観測」、ほか