私はシュトラウスなどのワルツはあまり好んで聞きません。テレビでよく見るウイーンフィルのニューイヤーコンサートのメイン楽曲でもあります。
しかし、その前の時代のドイツ舞曲や古典派のメヌエットは好きです。ただし、交響曲の第3楽章におかれているような曲ではなく、もっと実際の踊りの場で演奏される曲のこと。後の優雅なワルツの先駆けとなるレントラーのような曲でもなく、速いテンポで踊る華やかな舞曲が好きです。
もっと民俗楽曲要素のあるハンガリー舞曲なども好きです。
で、この舞曲は会議は踊るで有名なオーストリア~チロル地方から発展していったそうで、そうしたレントラーやメヌエットからワルツへつながる時代に多く書かれたドイツ舞曲は聴いていてテンションが上がる曲があります。
ハイドン、モーツァルト、ベートーヴェン、フンメル、シューベルトらが、ウイーンやドイツの宮廷舞踏会の為に多くのドイツ舞曲を作曲していますが、特にモーツァルトは最後の4年間に200曲あまりのオーケストラ用舞曲を作曲しました。
ウイーンに出て活躍していたが、あくまでもフリーランスだったモーツァルトが宮廷作曲家として採用されたのが1787年、31歳の時です。そしてこの職のメインが舞踏会用の楽曲を作曲することだったわけです。
モーツァルト自身が躍り好きであり、仮面舞踏会や夜会などで毎晩のように踊りあかしていたという逸話もあるので、楽しい曲が多いです。若いころから手慣れたジャンルでもあり、また晩年の円熟した見事な管弦楽法を披露してくれます。
今回、その沢山の舞曲の中から一曲。
1788年の12月24日にウィーンで作曲された作品。宮廷の主催によるレドゥーテンザールの舞踏会のために作曲された
12曲のメヌエット,K.568より第6番ニ長調。
テンポの速い飛び跳ねるようにはじけるリズムが心地よい楽曲です。