三津五郎が亡くなり、何人目か解らない、当代の名代役者たちが次々と世を去る事態になっている。

歌舞伎が本当に残るのか、玉三郎も危機感を持っているようだ。

彼は、若い頃の働き過ぎで、25か月だったか休みなしの生活などがあって、

体調管理には万全を期している。

しかし、舞台のために一日一公演という条件を出せるのは、特別な立場だからだ。

普通はこうはいかない。


昨日の三津五郎の訃報から、かねがね役者に無理がかかりすぎると懸念していたファンの気持ちに

火が付いたのだろうか。今日にはまとめサイトかできており、歌舞伎界の異常な興業実態を訴えていた。

歌舞伎の興業は、戦時に伝統が途絶えるかもしれなかった危機感からか、戦後は他では見られない

ハードスケジュールな興業形態を続けてきた。全ての劇場ではないのだが。

本丸の歌舞伎座での、昼夜別公演の3週以上の連続公演という形は、世界唯一なのではなかろうか。

月末は来月公演の合わせ稽古。新役を貰えばそれまでに自分で習いに行って形にしておく。

役者たちは、それでもそんな舞台裏で遊びながら育った分もあってか、独身時代には

夜公演が終わってから、飲み歩きに行くという、豪快な生活を送る者も多いらしい。

なにしろ場所は銀座のすぐ近く。

そういう遊びも芸の肥やしで済む部分もあったろうし、今まではそんな中でも生活が成り立っていたようにも思う。


けれど、最近の大名題役者の夭折の多さは、これは本気でどうにかして欲しいと願わざるを得ない。

勘三郎57才 団十郎66才 三津五郎59才での逝去。他にもどうにも重病になる率が高いように思えれしまう。

それぞれに病名はついては居るのだが、やはり基本の無理が重なっているのではと懸念される。

役者に限らず、裏方でも成り手がなさそうなほど、拘束時間は長い。

こんなことを書くと、ますます人手の問題がおこりそうだが、ここで黙っても仕方がないだろう。

最近は改善されていて欲しいけれど。


東京住まいでなければ、まず歌舞伎座的昼夜公演には遭遇しないので、

知る人も少ないかもしれない。

役者の世界は無茶をしがちかもしれないが、やはりこのやり方は改められて欲しい。


リンクを初めて借りた。歌舞伎ファンの嘆願署名が始まるかもしれない。


フィギュアと少し似ているところがある。

比較的狭い世界で、登場人物の親戚関係や親子関係なども、合わせて楽しむ。

ご贔屓の子供が初舞台に乗ってから、少しづつ成長していき、歌舞伎役者になるかどうか悩んだり、

この辺は親父さんはこうだったねと比べたり、親子三代の舞台を楽しんだりもする。

フィギュアもそのうち織田親子の共演などという姿がどこかのショーで見られる機会があるかもしれない。

XOIではモロゾフ親子の共演にファンが小躍りした。信夫コーチと有香コーチが並んで氷にあったことはあった。

フィギュアはまだ、往年の名選手を送るほどには長寿な世界ではないが、いつかそうなるかもしれない。

そういう世界になるように、歌舞伎の轍を踏まないで欲しいと願う。



坂東三津五郎さん逝去 海老蔵も危惧する歌舞伎の異常な興業形態

http://matome.naver.jp/odai/2142461479272836601