≫現実に経産省トイレ事件では、そういう問題が起きている。
LGBT法案が通ると経産省が裁判に負け、女子トイレに男を入れなければならない。 そうすると女子トイレが犯罪の温床になるので、
全国の役所や企業がトランスジェンダートイレを設置しなければならない。
これが活動家の利権になる。

 

で、そのトイレ利権は笹川財団が持っているそう。

 

賃上げは賃金水準を一律に引き上げるベースアップと、勤続年数が上がるごとに増える定期昇給からなる。

2014年春季労使交渉(春闘)から政府が産業界に対し賃上げを求める「官製春闘」が始まった。産業界では正社員間でも賃金要求に差をつける「脱一律」の動きが広がる。年功序列モデルが崩れ、生産性向上のために成果や役割に応じて賃金に差をつける流れが強まり、一律での賃上げ要求の意義は薄れている。

 

賃上げ率31年ぶり高水準 3.89%、

ベア実施9割

23年本社調査

2023年5月12日 11:38

日本経済新聞

日本経済新聞社がまとめた2023年の賃金動向調査で、定期昇給とベースアップ(ベア)を合わせた平均賃上げ率は前年比1.54ポイント高い3.89%だった。31年ぶりの高水準で、ベア要求があった企業の実施率は9割に迫った。人手不足や物価高に対応する形で賃上げが広がったが、欧米企業の水準にはなお追いつかない。低迷する生産性を上げ、消費につながる好循環を生み出せるかが焦点だ。

調査は3月31日〜4月20日...

残り1344文字

 

 

賃上げドミノ、横並び変える 老いも若きも待遇改善

日本の賃金 強まる上昇圧力②

賃上げ2023

長く横並びだった3メガバンクの初任給にこの春、異変が起きた。三井住友銀行は2023年入行の大卒初任給を5万円増の25万5000円に大幅に引き上げた。前年までと比べ24%増で引き上げは16年ぶり。「学生の価値観の多様化に加え、人材の流動性が高まっている」(同行)ことも踏まえ、急ぎ引き上げる必要があると判断した。

スマートフォンを使った金融サービスなどの強化に必要なデジタル人材はあらゆる業界で奪い合いだ。人事院の調査によると22年4月時点の民間企業の大卒事務員の平均初任給は20万7878円。従来の待遇のままだと、優秀な人材が獲得しにくくなっていた。年数億円単位の人件費増につながるが危機感が勝った。

みずほフィナンシャルグループは24年に5万5000円、三菱UFJ銀行も同年に5万円、

それぞれ初任給を引き上げることを決め、ネット専業銀行や地方銀行にも波及した。「高めの報酬を提示する商社やコンサルティング会社と見劣りしない水準にしなければ採り負ける」。ある3メガ銀幹部は本音をもらす。

ただ、ライバルと目される商社は先を行く。三菱商事は23年4月入社の大卒初任給を30万5000円と前年比5万円引き上げた。初任給引き上げドミノは商社業界に波及し、差が縮まらなかった金融業界は来年度以降も待遇改善を迫られる可能性がある。

 

日本経済新聞が実施した採用計画調査では23年4月入社の大卒初任給は前年比2.2%増。22年入社を1.6ポイント上回り、10年以降で過去最高となる増加率だ。労務行政研究所によると、23年度に全学歴で引き上げた企業は70.7%と22年度比28.9ポイント増に急増している。

背景には新卒採用で売り手市場の傾向が一段と強まっていることがある。リクルートワークス研究所によると、24年3月卒業予定の大卒求人倍率は1.71倍と、23年卒の1.58倍より0.13ポイント上昇し、新型コロナウイルス禍前の水準をうかがいつつある。少子化もあって大卒求人倍率の上昇基調は長期的に続く。

賃上げの波は新卒だけでなく、これまで春季労使交渉の対象外だった、管理職やシニア人材にも広がる。日東電工は7月から、約1000人の管理職を対象に基本給を平均で約1割引き上げる。管理職給与の改定は5年ぶりだ。

OKIは役職定年制度を4月に廃止した。従来は56歳で役員以外の管理職はシニア社員として役職を降り給与も最大15%下がっていた。今後、60歳までは役職にとどまることが可能で給与も下げない。

60歳以降も適性と会社の意向で管理職にとどまる道も残した。八反田徹人事総務部長は「中途採用競争も激しくなっており、シニア社員と若手社員の登用という二軸を併用していくしかない」と話す。

老いも若きも賃上げが始まった23年。労働政策研究・研修機構の荻野登リサーチフェローは「永久凍土のように手つかずだった初任給の引き上げと管理職やシニアの処遇改善が、人手不足を背景にようやくてこ入れされ始めた」と指摘する。企業の賃上げ競争の号砲は鳴らされたばかりだ。

 

藤井薫リクルート HR統括編集長

分析・考察

強まる賃金上昇の流れは、転職市場の様々なデータにも顕現しています。

例えば、「前職と比べ賃金が1割以上増加した転職決定者の割合」は、過去最高値を更新しています(2023年1-3月期 転職時の賃金変動状況)。

呼応するように、転職活動者に聞いた「応募の際の重視する項目」では「給与水準が高い」ことが最高値と、転職による年収アップ(賃金上昇)への高い関心を示しています(2022年12月 転職活動者調査)。いずれのデータも、企業と個人が共に、働く個人の”才能開花への期待”を強めている顕れだと感じます。年齢でなく、才能に具体的に期待する賃金へ。老いも若きも、全ての人的資本が開花する、新たな賃金に期待します。

 (更新)

 

北朝鮮、日本から仮想通貨980億円奪取 世界被害額の3割

2023年5月15日 
日本経済新聞

北朝鮮がサイバー攻撃で日本の暗号資産(仮想通貨)を標的にしている。北朝鮮系のハッカー集団が2017年以降に日本から奪取した額は7億2100万ドル(約980億円)に上り、世界全体の被害(23億ドル)の3割を占めることが日本経済新聞と英エリプティック社の共同分析で分かった。外貨獲得のために他国の仮想通貨を狙い、ミサイル開発の原資にしているとの指摘もある。アジア全体の安全保障上の脅威につながりかねず、...

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残り1714文字

 

 

「身に覚えのない2千円」はクレカ不正利用だった 少額で被害に気づかない?最新の手口とは〈dot.〉

AERAdot

クレジットカード被害件数がいま、過去最高に達している。カードの不正検知システムの開発を手がける企業の調べによると、2022年のクレジットカードの情報流出件数は84万件を超え、過去最高を記録した。コロナ禍でネットショッピングの利用が増えたことや、不正に使われる金額が数百円から千円単位と少額で、消費者も不正利用に気づかないという。被害の状況と最新の不正手口をリポートする。

  【写真】クレジットカード情報の販売を持ちかけているとみられる書き込み

「知らぬ間に2千円ほど利用されていました。怪しいサイトで使ったことは一切ないのに……」  IT企業に勤務する東京都在住の男性(27)は今年2月に、クレジットカードの不正利用の被害にあった。Amazonをはじめとする大手ネットショップでしかカードの利用はなく、被害の心当たりはないという。カード会社に問い合わせると、

不正に利用された疑いがあるとのことで、その分の料金は請求されなかった。 「たまたま、利用明細のメールを見たら身に覚えがないサイトから2千円ほど請求がかかっていたのです。いつもはクレカのメールをそんな見ないので、本当に偶然見つけたという状況でした」  実は、今年で29歳になる記者も同じ被害にあった。

今年1月に、カード会社から「【重要】番号制限のお知らせ」との件名がついたメールを受信した。そこにはこんな文章が記載されていた。

 「過去にお客さまが利用したショップやフィッシングサイト、なりすましメールなどからお客さまのカード情報が漏洩(ろうえい)した可能性があると判断しました。

つきましては、第三者による不正利用防止のため、以下のカード番号のWebでのご利用(ネットでのお支払い)を停止させていただきました(一部修正)」  

メールには、「セキュリティー観点により、停止理由について上記以上の詳細はお答えできません」と記載されている。とはいえ、自分のカードが不正利用の被害に遭ったのではないか。そんな不安が残ることから、センターに問い合わせてみた。  

するとこんな回答が……。

お客さまのご利用状況より、下記に該当するようなセキュリティーに問題のあるご利用店へのカード情報入力懸念がございます。  

・広告経由含めた格安通販サイトでの決済  

・当選詐欺サイトへのカード情報の入力  

・成人向けコンテンツサイトでの決済  

・海外投資や仮想通貨、FXやオンラインカジノなど含む情報商材の取引 

・不審ソフトウェア販売や、海外ホスティングサービスサイト、海外アップローダーサイトでの決済  

・大手企業を騙った偽サイトや、なりすましメール経由のカード情報の入力 (原文ママ)

 web上でカード明細を確認すると、幸いにも不正利用はされていなかった。

ただ、書かれいるサイトでのカードの利用はなく、「一体どこから」と不信感が残った。

 ●利用増えたネットショップなどで個人情報漏洩が急増 

「消費者には、『明細をよく見て確認して』と言うしか対策はありません」  

オンラインショッピングなどを対象とした不正検知システムの開発を手がける「かっこ」の岩井裕之社長は、クレジットカードが不正に使われている背景について、

「コロナ禍で利用が増えたネットショップなどで、個人情報(氏名、住所、年例、カード情報)が漏れていることが大きいのでは」と指摘する。  

東京商工リサーチが2023年1月に公開した「上場企業の個人情報漏洩・紛失事故」調査によれば、上場企業とその子会社で、22年に起きた個人情報漏洩・紛失の事故件数は165件に上る。個人情報は前年比3%増の592万7057人となった。 

 

不正に利用された個人情報はどんなことに使われてしまうのか。  

総務省が2021年に公開した「不正アクセス行為の発生状況」によれば、

(1)インターネットバンキングでの不正送金(45.7%)、

(2)インターネットショッピングでの不正購入(23.0%)と続く。 

「クレジットカードの不正に使われる額も数十年前とは異なり、数百円から数千円程度とわかりにくいです。いま、ほとんどの人がネットでその程度の額を頻繁に利用していますし。利用明細も紙ではなくネットに移行してきているので、目を細めて確認する人なんてごくわずかなのが実態です。弊社の調べによると、2022年のクレジットカードの情報流出件数は84万7686件で、過去最高を記録しました。

原因は、webスキミングやオンラインショップ上のシステムの脆弱(ぜいじゃく)性をついた不正アクセスなどが挙げられます」(岩井氏)

 

 不正アクセスは上場企業も被害を受けている。

IoT機器の販売を行うソースネクスト(東証プライム)は2023年2月に、第三者による不正アクセスを受けてクレジットカード情報11万2132件が漏洩したと発表した。

 

  岩井氏はまた、最新の手口での被害も増加傾向にあると話す。

(ボット)が総当たりで、クレジットカード番号の規則性に従って、他人の番号を割り出しているという。ボットとは、一定のタスクや処理を自動化するためにプログラムされたツールのことを指し、ロボット(ROBOT)から生まれた言葉である。  

仕組みはこうだ。  

クレジットカード番号はVISAやMasterCardといったブランドによって異なるものの、16桁の番号で構成されているのがほとんど。最初の6桁はブランドと発行会社の識別のためのもので、残り10桁をBotがしらみ潰しに番号を生成していく。

 

ランダムに抽出した番号でカードが使えるか確認するために、ネットショップでBotが自動的に少額の決済を行う。そこで購入が承認された場合、そのカード番号を闇サイトなどで売買するという。業界団体の関係者によれば、詳細な手口は明らかになっていないものの、短時間でランダムに作られた数万件のカード番号の有効性が確認されているという。  筆者が受け取った「広告経由含めた格安通販サイトでの決済での、カード情報入力懸念がございます」のメッセージと符合した瞬間だった。

 

 ●見通し甘い事業者が続発  

どうして不正件数が高止まりのままなのか。前出の岩井氏は、事業者側の実態についてこう指摘する。 「カード情報を抜き取る手口は年々変化していて、その変化に追いつけない事業者がいるのが実態です。オンラインショッピングを運営する事業者が直近1年間で、3社のうち1社がカードの不正被害にあっていると弊社の調べでわかりました。また、その事業者が年商10億円未満の場合、26.9%が対策をしていないことが明らかになったのです」

 

 日本クレジット協会によれば、2022年のクレジットカードの不正利用による被害額は411億円(前年比32%増)に上る。  

クレジットカードが不正に利用された場合、消費者はカード会社が定める期限内に相談して過失が認められた場合、不正に利用された場合の代金は支払わなくて済む。  その場合、クレジット決済を導入した加盟店か、決済代行業者をはじめとするカード事業者が、不正に使われた金額を補てんすることになる。 「セキュリティー対策を整えていない加盟店が多く、背景には『何かあったらカード事業者側が負担するだろう』と誤解しているケースが多いという実態があります。本人認証や二段階認証を設置していないなど、セキュリティーの対策が甘かった場合、加盟店側の負担となります。消費者側に心配をかけないよう、いま一度自社の決済周りのセキュリティーを見直すべきではないでしょうか」(岩井氏) 

(AERAdot.編集部・板垣聡旨)

国内酪農家は減産を強いられるのに、

乳製品の輸入は続く矛盾 

深刻な“牛乳危機”の可能性も

 ※女性セブン2023年4月27日号

「酪農家の85%が赤字、離農検討は6割」──3月18日、業界専門紙『日本農業新聞』が、衝撃的な数字を報じた。いま、日本の酪農が危機に瀕している。品質も味もたしかな乳製品が日本国内で作られているのに、このままではスーパーに並ぶ乳製品は危険なものばかりになってしまう可能性があるのだ。 

 日本の乳製品生産の現場は大きな矛盾を抱えている。

“牛乳余り”の状況となり、毎日数トンほどの生乳を廃棄している酪農家もあるというのだ。にもかかわらず、海外からの乳製品の輸入量は高止まりしたままだ。

海外からの輸入を続けることは国内酪農家の経営を追い込むだけでなく、私たちの健康への影響も考えられる。

 

東京大学大学院農学生命科学研究科教授の鈴木宣弘さんは言う。 

「日本やEUでは認められていませんが、アメリカなど世界の約20か国では乳牛にボバインソマトトロピン(BST)という合成ホルモン剤を投与することが認められている。牛の成長を早め、乳量を増やす目的で与えるものですが、牛乳に含まれるインスリン様成長因子-1(IGF-1)という物質が増加し、飲むと乳がんや前立腺がん、大腸がんなど、がんのリスクが増加すると問題視されています」(鈴木さん、以下同)  BST使用牛は乳房炎になりやすい傾向にあり、対策として抗生物質が与えられるが、それが牛乳に移行することも確認されている。 

「1998年に科学誌『ランセット』や『サイエンス』で、乳がんは7倍、前立腺がんも

4倍罹患リスクが上がるという調査結果が出て、アメリカではBST使用牛乳の不買運動が起こりました。スターバックスやウォルマートなど大手飲食店やスーパーも不使用宣言をするなど大きな動きになったのです」  

価格が高くとも「BST不使用」「ホルモンフリー」と記載のあるものが選ばれ、ホルモン剤入り牛乳はアメリカの市場からほぼ淘汰された。しかし、いまでもアメリカの20%ほどの乳牛にBSTが投与され続けている。その搾られた牛乳は、どこにいくのか。 「日本です。アメリカ産のバターやチーズ、脱脂粉乳などはBST使用牛の乳が入っている可能性がある。日本では輸入乳製品のBSTチェックはされておらず、完全に“ザル”といっていい。すでにどんどんアメリカからの“ホルモン剤入り乳製品”が入ってきていると考えるべきです」

 

輸入の1割を国内産にすれば需給ギャップは解消できる

 飲用の牛乳はほぼすべてが国産のため、問題はチーズやバターなどの加工品だ。

日本で消費される乳製品1200万トンのうち輸入は約450万トン。そのほとんどがチーズで、そのほかにバターや、プロテインの原料となるホエー(乳清)などが続く。 「日本は自国内で牛の成長ホルモン剤投与を禁止しながら、それが含まれる乳製品の輸入を黙認するという、まさに二枚舌の政策をとっています。

チーズ、バター、ヨーグルトなどは、国内の牛乳で作っていれば生乳を使っていると書いてある。

そうでないものは、輸入の脱脂粉乳で作られていると考えて差し支えありません」  

チーズやバターなどの加工品も、国内生産の生乳から加工すれば安全なはずだが、

そうなっていないのが現実だ。

北海道大学大学院農学研究院准教授で、生乳の流通などに詳しい清水池義治さんはこう話す。

 「日本が輸入する約450万トンの乳製品のうち、そのほとんどがチーズ。

一方、国産チーズは生乳換算で約40万トンと需要の1割ほどしか作られていない。

国内で余剰となっている生乳は40万トンほどですから、

輸入チーズの1割を国産に置き換えれば生乳の需給ギャップを解消できるはずです」  

酪農家に生産抑制や減産を強いながら輸入を続ける──この矛盾を続けていればいずれ“牛乳危機”が日本を襲うと鈴木さんが警告する。 

「16年前に生産抑制が行われたのも、発端は過剰な生産と深刻な廃棄でした。しかし、その数年後からは需要が供給を上回り、バター不足へとつながっていった。  

不足すれば増産しろと言い、余れば減らせと言うなど、あまりにも場当たり的な政策が続いていて、このままでは近い将来、また深刻な牛乳不足がやってくるでしょう。赤字続きの酪農家が離農してしまい、乳牛の殺処分が進めば一気に不足する事態も充分想定できます。生産量を戻すためには数年単位の時間がかかる。そうなってからでは遅いのです」(鈴木さん、以下同)  

16年前と同じことの繰り返しにならないよう、政府は生産抑制以外の手立てを示すべきだが、あまりにも無策だと鈴木さんは続ける。

 「諸外国がやっているように、コロナによる不況や物価高で食べたくても食べられない人が増えているわけですから、余剰分の乳製品を政府が買いとって、フードバンクやこども食堂などを通じて届ける仕組みを作るべきなんです。他国はすでにそのスキームを持っています」  牛乳は重要なたんぱく源。コオロギ食が物議を醸したように、今後は世界的なたんぱく質不足が訪れるとの懸念もある。

いま私たちにできるのは、安全な国産乳製品を選び、しっかり消費することだ。

 

 

 

 

 

 

こういう構造なのは解ってる。

戦後ずっと、アメリカのポチだのと言われても、
核の傘で防衛をアメリカ依存にしてこざるを得なかったのもあり、
アメリカとの関係で、アメリカの余剰穀物消費のために
小麦輸入でパン給食をやったり、酪農飼料にトウモロコシを買ったりしてきたのは
日米関係など、外交との絡みが大きいはず。
 
しかし、一消費者としては、日々の買い物は近くで済ませないと
どうしようもないのだ。
手近にある商品の中から選ぶしかないし、ゼロではないが、少ない国産原材料品の
高価なチーズをいちいちお取り寄せしてるわけにもいかない。
ネット注文の作業も商品選択も、店舗の選択もかなり時間が掛かり
受け取りにもまた結構な時間ロスが出る。
すでに近くに搬入されている商品を、ぱっと手に取るほうが時短なのだ。
お取り寄せはたまの贅沢品みたいになっている。
 
小豆あんとホイップクリームを挟んだサンドイッチを作るにも
小豆あんは国産品が買えるが、
ホイップクリームは植物油脂のものしか売ってないし。
泡立て済みのものを利用するので、乳製品クリームを泡立てるには、
そういう電動調理器具を買うしか無い。
しかし、もう、置き場所に困るのだ。
それに低脂肪のものを買わないといけないし・・。
それぞれの家庭に合う商品を選ぶ形式になって、調理時間はすごく短縮されたが、
その短縮形でやっと日々が回っているだけ。
時間の余裕はどこに消えたのか?
 
なんにしろ、手近なお店に並ばなければ、どうしようもない。
それが消費行動の原則だ。
その上で、購買主体が製品を選ぶことになる。
 
しかし、この原材料表示が、民主党政権時代に、書かなくても良いことになったらしく(混合材料多過ぎ問題)材料が並んだ小さな字のラベルを見ても、
まったくどこの材料なのかわからないものだらけになった。
そんな商品で埋め尽くされているスーパーで、国産材料を使っている商品を
見つけるのすら大変だ。
そして、小さな字のラベルを読むには、年齢を重ねるほど支障が出てくる。
そして、次には国産偽装問題が控える。
買い物ってほんと難しい。
 

離農が加速する国内酪農 

チーズの国産化は喫緊の課題 

雪印メグミルク・野村俊夫氏

アジアの生乳生産はここ半世紀の間に8倍に 生産国トップのインドと4位のパキスタンの成長が著しい

酪農生産の維持拡大とチーズの国産化推進が喫緊の課題である(雪印メグミルク総合企画室シニアアドバイザー野村俊夫氏)

 雪印メグミルク総合企画室シニアアドバイザーの野村俊夫氏は、このほど専門紙誌らを対象とした同社主催の勉強会で「世界と日本の酪農乳業」と題し講演した。  

農畜産業振興機構(ALIC)での海外駐在経験などを踏まえ、各国の酪農特性や課題について解説した。  

乳製品の国際需給がひっ迫するなか、日本では乳製品の4割近くを輸入している。  一方でコロナ禍の需給緩和と資材価格高騰で離農が増加していることから、

酪農生産の維持拡大とチーズの国産化推進が喫緊の課題となっている。  

野村氏によれば、世界の生乳の約4割は地場消費されている。アジアの生乳生産はここ半世紀の間に8倍ほど急伸長し、なかでも生産国トップのインドと4位のパキスタンの成長が著しい。  

両国は9割が自国消費で、村の集乳センターで生産者から直接購入するなど生乳が人々に身近な存在といえる。

EU 酪農家の収入を補填する政策で輸出大国に成長

 第2位のEUは、戦後の生産過剰からクォーター制度で抑制に転換したが、その後酪農家の収入を補填する政策もあり、低価格で価格競争率の高い乳製品を製造する輸出大国に成長した。  

一方で、オランダや90年代の酪農ブームで羊毛生産から収益性の高い生乳生産が拡大したニュージーランドでは、河川や地下水の汚染が深刻化。米国の南西部・太平洋岸地域など乾燥地帯での水資源も大きな問題となっている。  

世界と比較した日本の酪農の特徴として、

飲用向けの割合が高く乳製品工場の生産能力は低い。   

指定団体を通すため生産者と乳業の直接的な関わりは少ない。

とうもろこしなど飼料の多くを米国に依存していることなどを挙げた。  

牛乳乳製品の自給率は6割程度で4割近くを輸入し、輸入乳製品のうち8割をチーズが占めることから「輸入チーズを減らして国産チーズに置換していくことが自給率向上に最も重要」(同氏)と語った。  

講演後は、「生乳需給の救世主!チーズを楽しもう!」と題し、チーズとコーヒー、紅茶のペアリングを楽しむ試食会を実施した。 

 同社マーケティング部の山本恵美子氏が、世界遺産「ベームスター干拓地」で集乳されたミルクから作ったオランダCONO社の「ベームスター ロイヤルグランクリュ(ハード)」など5種類のチーズを紹介。  

「LIMENAS COFFEE」オーナー兼リメナスコーヒー合同会社社長の元明健二氏が、深・中・浅煎りのコーヒーとほうじ茶でそれぞれのチーズと相性のよい飲み方などを提案した。

 

たしか、ガイアの夜明けでも、外国からみて日本のチーズは高すぎる。

その原因は設備が古すぎるからと言われていた。

設備投資できないまま、作り続けているのらしい。

 

しかし、最近はいろいろに風味づけした、おつまみ用のベビーチーズが

どんどん並んでいるがなあと思い、よくよく見れば

やはりチーズ自体はオーストラリアの輸入品だった。

珍しい味だと、ちょっとお試しで買ってみたくなる。

 

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白っぽい食品ということで、杏仁豆腐の成分表示も見てみたが、

これは牛乳が無関係どころか、中国原材料ばっかりだった。

牛乳かんのゼリー商品くらい、作れないもんですかねえ?

さっぱりと食べられるもの。

⇓これに似た感じの商品はある。

みなさまのお墨付き 杏仁豆腐みかん|楽天西友ネットスーパー

 

⇓こっちは見かけないが、夏の定番:ゼリーの詰め合わせ商品に

入っていればいいのに。

日清 おうちスイーツ やわらか杏仁豆腐 | ケーキ・デザート ...

 

Amazon.co.jp: 陳健一 杏仁豆腐 80g×6箱 : 食品・飲料・お酒

 

アメリカの穀物消費のために、乳牛と

日本人が犠牲に…牛乳危機の背景にある

「変態酪農」という根本問題

プレジデントオンライン

輸入飼料の高騰による経営悪化で、酪農家の離農が増えている。日本の酪農はどうすれば維持できるのか。キヤノングローバル戦略研究所の山下一仁研究主幹は「気候変動の影響で、飼料のトウモロコシ価格は今後ますます高騰する。このまま輸入飼料に依存した経営を続けていると、日本の酪農は大打撃を受ける。いまこそ放牧型酪農に転換すべきだ」という――。 

【図表】農家所得に見る酪農バブルの実態 

 

■既得権益を守ろうとする酪農界からの反発  

前回、「牛乳は捨てるほど余っているのに、なぜ値上げなのか」という記事で酪農とその政策の問題点について書いた。

これに対して、酪農家の人たちからいくつかの部分について反論がなされた。私の論考のせいで補助金を受けらないかもしれないと考えると、反論するのも理解できる。しかし、私の主張の本質的な部分についての反論はなかった。  酪農家だけではない。JA農協などの酪農団体、農業経済学者、農林水産省、農林族議員が懸命になって、既得権益を守ろうとしている。世界は温暖化ガスであるメタンや亜酸化窒素の発生源である酪農や畜産を縮小しようとしているのに、日本は畜産部を局に昇格させて振興しようとしている。これは、国民の納税者、消費者としての利益を大きく損なっている。  酪農界は、食料の供給に重要な役割を果たしていると主張するが、納税者の負担による多額の補助金を受けながら、供給責任を果たしてこなかった。その象徴的な例が2014年のバター不足である。また、国が酪農に助成してきた理由は、その効率化を図ることだった。国際競争力を向上させ関税削減などの国際交渉に対応できるようにするとともに、消費者に多額の税負担の見返りとして価格の引き下げを得させようとしたのだ。  それなのに、バターなど乳製品の関税は高く張り付いたままで、生乳の価格(乳価)や飲用牛乳の値段は逆に上がった。フランスのエシレバターを日本で買うと関税などでパリのスーパーの6倍の値段がする。財政負担によって国民に安くサービスを提供している医療行政と異なり、国民は納税者として負担しながら逆に消費者としても負担を高められることとなった。かつて酪農行政に関わった者として悲しい気持ちになる。

 

■酪農界が抱える本質的な問題  

ここで改めて酪農家から反発された私の主張を紹介したい。  

①日本の酪農は輸入穀物の加工業になっている  多くの国民は、酪農から牧草をはむ牛を想像する。酪農に関する記事には、広大な草地で放牧されている牛の写真が掲載される。しかし、放牧されている牛は2割に満たない。ほとんどは、狭い牛舎の中で、また首をつながれたままで、アメリカ産の輸入穀物を主原料とする配合飼料を食べている。栄養価が高いので乳量が上がるからだ。  

1990年代以降土地が広い北海道でも配合飼料依存が高まっている。北海道で草地による放牧や自給飼料生産が行われているのは、配合飼料多投による病気の発生を少なくするためだ(つまり配合飼料が“主”で自給飼料生産は“従”の役割に過ぎない)と指摘する専門家もいる(※)。  

JA農協は、酪農家が生産した生乳を販売するだけではなく、アメリカから穀物を日本へ輸出し、これを加工して付加価値を付けた配合飼料を、酪農を含めた畜産農家に販売することで、利益を得た。生産物と資材の販売の双方向で二重の手数料を稼いだのである。  

アメリカは牛肉については自由化や関税削減を強く迫ったが、バターを主体とする乳製品については、自国が多く生産するチーズの副産物であるホエイを除いて、関税引き下げを求めなかった。日本の酪農を維持して穀物を輸出した方が有利だからだ。

日本の酪農については、JA農協とアメリカ穀物業界は利益共同体である。

被害者は、高い牛乳乳製品を買わされる日本の消費者である。  

※1 柏久・京都大学名誉教授の編著になる『放牧酪農の展開を求めて』(日本経済評論社2012年)112ページ参照。  ②生乳廃棄が「高い乳価」維持のために行われている  生乳を廃棄したり減産したりしている。しかし、過剰なら価格が下がるはずなのに、乳価は2006年に比べ5割も高い。酪農界が懸命になって守ろうとしているのは高い乳価である。 

 脱脂粉乳の過剰在庫が増加しているというが、過剰なのに価格は下がらない。

下げると脱脂粉乳を原料とする加工乳の価格が下がって、飲用乳や乳価も下がるからだ。  

国民は納税者として多額の負担を酪農に支払っているのに、消費者として価格低下の利益を受けることはない。円安になった今でも、日本の飲用牛乳の値段はアメリカの倍もしている。  

 

③苦境の原因は、輸入穀物依存の経営にある  

輸入穀物の加工業だと言ってよい今の酪農経営は、穀物の国際価格の動向に影響される。しかし、最近まで穀物価格は低位安定していた。副産物のオス子牛価格も3万円が15万円ほどになった。このため酪農家の所得は2015年から5年間1000万円を超えた(2017年は1602万円)。穀物の国際価格は大きく変動する。輸入穀物依存の経営を選択したなら、価格高騰時に備えているべきだ。  経営が好調な時は黙っていて、穀物の国際価格が高騰したときだけ政府(納税者である国民)に補塡(ほてん)を要求するのはフェアではない。マスメディアが過去の高収益を紹介しないのも間違っている。

 

 ■いまこそ日本の酪農を見直すべきだ  

日本の乳価は欧米の3倍、1頭当たりの乳量も世界最高水準だ。それなのに、1年だけの国際穀物価格上昇で離農者が増加するなら、今の酪農は見直すべきだ。  

輸入穀物依存の酪農は、国際穀物価格の一時的な上昇だけで経営が存続できなくなっていると主張している。まして穀物輸入が途切れる食料危機のみならずアメリカの

トウモロコシ生産が減少する際には、存在すらできなくなる。

 

■好調な米豪農業と日本の酪農バブル崩壊  

私は、2月から3月にかけて農業先進国であるアメリカやオーストラリアの政府や民間主催の食料・農業フォーラムに出席した。あるセッションでは、メインの報告者ともなった。これもアメリカのホテルで書いている。  そこで見聞きしたのは、まず2022年はこれらの農業にとって記録的な収益を上げた年だったということである。

逆に、これらの国から穀物を輸入してエサとする日本の酪農や畜産は、2021年までは穀物価格の低迷により大きな利益を得ていた。 

 

■2021年までのバブルの実態  

次のグラフは、2017年と2018年について、民間の平均年収(給与所得者の所得)を100として、農家所得(収入-費用)と比較したものである。民間の平均年収は2017年432万円、2018年441万円である。  

繁殖牛を除いて、ここに挙げた業種の農家所得は民間の平均年収の倍以上である。

酪農や養豚の大規模経営では、2017年は民間の平均年収の11~16倍である。  

畜産のように規模が大きい農家が多数を占める場合では、農家経営や農作業は複数の従事者で行われることが多く、またそれぞれの農業従事者が均等に作業を行っているわけではない。したがって、他産業の勤労者所得と農家所得を単純に比較することは適当ではないかもしれない(※2)。  

※2 ただし、酪農(100頭以上)や養豚(2000頭以上)の大規模農家は家族3人が働いている(生産費調査)ので、4200万の農業所得の場合一人当たりは1400万円となる。一家のうち3人もこのような所得を挙げている家計は、東京でも極めて少ないだろう。  このため、個別経営(法人経営を除く)の家族労働一時間当たり農業所得を他産業の単位時間当たりの給与(時給)と比較してみよう。  

民間の平均時給は2017年2133円、2018年2205円である。繁殖牛と2018年の都府県の酪農を除いて、民間の平均時給を上回っている。ここでも、酪農や養豚の大規模経営では、所得が低下した2018年でも民間の平均時給の倍以上となっている。酪農では、全国平均2509円(3007円)、北海道では平均3050円(3778円)、100頭以上層4647円(5256円)、都府県では平均2069円(2488円)、100頭以上層5763円(7540円)である。いずれもカッコ内は2017年の数値である。  

2019年日米貿易協定交渉妥結後、ある新聞記者が酪農家を訪問して、TPPや日米貿易協定で経営が大変になるという酪農家の声を紹介していた。しかし、乳製品の中で市場が解放されるのはホエイやプロセスチーズ用のナチュラルチーズであって、国産の生乳の仕向け先としては微々たるものである。主要な乳製品であるバターと脱脂粉乳の関税は削減もされない。 

 影響があるでしょうと聞かれて、いや影響なんてありませんよと答える農家はいない。  

この時、北海道酪農の実態を知っている新聞記者は、「いま酪農バブルといわれてますが、北海道で酪農バブルなんて記事は書けませんよ」と私に言っていた。2022年に起こったことは、日本の酪農にとって、このバブルが弾けただけなのだ。

 

■世界と逆行する日本の農業・農政  

会議でもっとも印象的だったのは、酪農や畜産をはじめとする日本の農業とは

全く逆方向の米豪農業の展開だった。  

オーストラリアの農業者は、ESG(環境・社会・企業統治)を盛んに話題にしている。気候変動への対応は会議のメインテーマである。  注目すべきはアメリカ農業の変貌である。かつて日本の農業関係者はアメリカ農業を貴重な土壌や水を収奪する非持続的な農業だと批判してきた。それがこの数年で180度と言っていいほど変化した。

持続可能性(サステイナビリティ)は農業者共通のボキャブラリーとなっている。  

アメリカ農業者は、気候変動に真剣かつ積極的に向き合うようになっている。

農業は温暖化ガスの2~3割を排出すると同時に、気候変動の影響を最も受けるからだ。彼らは表土・水分の維持や炭素貯蔵に役立つ不耕起(土地を耕さない“no-till”)栽培などに自発的、積極的に取り組んでいる。  

消費サイドでも、温暖化ガスのメタンを発生させる酪農・肉用牛生産への批判から、植物性食品(肉だけでなくチーズなども)や培養肉(肉だけでなくキャビアまでも)の開発・実用化が急速に進んでいる。数年までは価格・コストが高いということが問題視されたのに、今の課題は食味の向上だという。コストの問題は解決したようである。会議で「牛が生産するもの全て(牛乳も肉も)が持続的ではない」という発言があったのには驚いた。  また、オーストラリアの農業大臣は、「EUの農業担当大臣はアニマルウェルフェアのことばかり話をしていた」と語っていた。

EUでは農業関係で気候変動と並んでアニマルウェルフェアが大きな関心事項なのだ。  今では、日本の農業や農政のほうが酪農・畜産を振興するなど環境や気候変動に悪影響を与えている。アニマルウェルフェアに対する関心も薄い。

 

■7割以上の酪農家が全く牛を運動させていない  

まず牛の飼育方法を説明したい。 

 これに、放牧と舎飼いがある。後者は、配合飼料を給与するため、牛を一定の場所に集めるものだが、牛を特定の場所に器具やロープなどで固定するつなぎ飼いとつながずに一定の場所で肥育するフリーストールやフリーバーンがある。数としてはつなぎ飼いが多い。  

牛の飼育方法に関するアニマルウェルフェア上の問題について、酪農に従事した人の報告などを踏まえた私の指摘に対して、それぞれの経験や経営に即して実態に合わないなどの反論が行われた。  

しかし、酪農経営には大きな幅がある。一部の酪農家によって牛が十分にパドックで運動させられているとしても、7割以上の酪農家が全く牛を運動させていないという気の毒な牛の実態を否定できないはずだ。  

残念だが、揚げ足取り的な反論もあった。  

例えば、酪農に従事した人の報告を受けて、10年生きた牛が、廃牛となる「最後のほうはずっと足を引きずり、一日二回の搾乳のための移動が辛そうでしたが、もう出荷することが決まっていたため、数か月治療はされませんでした」(「論座」2023年01月20日)と指摘したところ、そんなに生きている牛はいないとする反論があった。

 

■劣悪な環境で一生を終える日本の乳牛  

しかし、統計的にこのような牛は一定数存在する(2019年度乳用牛群能力検定成績では2.3%)し、この牛の年齢についてはデータ(個体識別番号)からも証明できる。  

以前の論考の中では省略したが、私への情報提供者は次のように指摘していた。

 ---------- 「この牛は、移動履歴を見ると、産まれてから死ぬまでこの農場で過ごしたことがわかります。放牧場も運動場もない、搾乳牛の囲いは10m×20m程度で搾乳牛数は30頭ほどもいる狭い牛舎(フリーストール)です(※3) 10年間、柔らかい土の上を歩くこともできず、搾乳室と牛舎の中をただ行ったり来たりさせられるだけの、

コンクリートの上での一生でした。私が見た時は、餌をくわえては後ろに放り投げる、後ろに放り投げるという動作を繰り返していました。 

ブタや鶏もそうですが、動物は自分で餌を探して食べたいという強い欲求があります。自分で餌を舌で刈り取って食べなければならない(放牧)のと、餌を用意してくれてそれを食べるだけでよいの(放飼)と、好きなほうを牛に選択させたところ、手間はかかるけれど自分の舌で刈り取って食べるほうを牛は選択します。満たされなかった欲求が転嫁されたのが、餌を放り投げるという異常行動です。本来の習性を何も発揮することができず、自分の生態からかけ離れた環境に10年間も閉じ込め続けたことへの、牛からの抗議だと、私は受け取っています。」 ----------  

※3 筆者注 これでは牛は自分の体の3倍くらいのスペースでしか生活できない。たとえて言うなら、朝9時台の東京の通勤電車の中で一生暮らしているようなものだろうか  私に反論した人は、10年も劣悪な環境で生かされ続けた乳牛の悲しみや苦しみを理解できるだろうか? 

 

 ■穀物飼料を使うのは、酪農家の経営上の都合  

反論の一つに、高泌乳に改良された牛を放牧すると栄養失調にかかるという酪農家の主張もあった。しかし、これは“本末転倒”である。異常な高泌乳牛に改良したのは、牛の生理に合った牧草ではなく、栄養価が高く乳量が増加する穀物を食べさせるという前提があったからだ。  

この酪農家が、自分が飼っている乳牛を放牧し栄養失調にした経験があるはずがない。この主張自体疑問である。北海道足寄町の調査では、「舎飼」の8652kgと

「放牧」の7552kgという一頭当たりの乳量の差は、「舎飼」が12.1kg、「放牧」が6.3kgという一日当たり濃厚(穀物)飼料給与量の差によるところが大きいとしている(※4)。  

「放牧」にしても牛は栄養失調にかかることなく生乳を生産している。穀物飼育で乳量を上げたいというのは、酪農家の経営上の都合からである。牛の健康からもアニマルウェルフェアからも放牧が望ましい。  先の10年生きた牛の例とは異なり、一般的には、諸外国に比べ日本の牛の平均寿命は短い。  

「舎飼が濃厚飼料の投入が多い分、個体乳量も多くなっているが、一方では病気による廃用(除籍)も多くなっている。通年舎飼い方式は通念牛を狭い場所に閉じ込めるか、牛床に固定するためストレスの増加と運動不足による病気が多発し、寿命を縮めている実態が明らかになった」(※5)  

※4 柏久編著『放牧酪農の展開を求めて』(日本経済評論社2012年)223~224ページより ※5 柏久編著『放牧酪農の展開を求めて』(日本経済評論社2012年)224ページより

 

■動物は機械ではない、農場は工場ではない  

 

多量の乳量を生産するため、牛を改良したり濃厚飼料を多投したりするうえ、糞尿で湿っているコンクリート床に立たされたり運動もできない(7割を超える酪農家がパドックや放牧地に放していない)など劣悪な飼育環境から病気が多く(日本装削蹄協会の調査(5996頭調査)は、36%の牛に(跛行の原因となる「蹄病」があるとしている)、

酪農家が早々と廃牛にしてしまうからだ。  

つまり、牛の生理に反した穀物給与と、土ではなく固いコンクリートの上で生活し運動もできないなどの劣悪な生活環境が相まって、牛は蹄病や跛行などの病気にかかりやすく、短期間に搾るだけ搾らされたあげく、すぐに屠畜される。これは牛をわれわれと同じ動物とは考えていない証しである。  

先に紹介した情報提供者が伝えたかったことは、“動物は機械ではない、農場は工場ではない、農業は工業ではない”という、酪農界が忘れたシンプルなファクツなのだ。 

 

■本来の酪農の姿である「山地酪農」  

現在酪農の主流となっている「舎飼」の酪農を、ある酪農指導者は「変態酪農」と呼んだ。しかし、日本にも、これとは異なる「放牧」型の酪農がある。それを紹介しよう。 それが「山地酪農」と呼ばれる酪農である。  

山地とは、山林で牛を年中昼夜放牧するという意味である。牛は等高線に沿って爪で山を削りながら、自由に草を食べ歩く。春から秋は野シバを食べ、冬場はサイレージを食べる。濃厚飼料はおやつ程度に与えるだけで、ほとんど食べさせない。  

牛舎で飼われる場合、こまめに洗浄しなければ、牛が大量に排出する糞が牛体にも牛舎にもこびりついて取れなくなる。大量の糞尿の処理に酪農家は苦慮し、これに大きな設備投資が必要となる(もっとも農林水産省からの手厚い補助があるので、農家は一部の負担で済む)。山地酪農の場合は、山の土が糞尿を自然に分解して、堆肥にしてくれる。それを栄養にして野シバが生え、牛のエサになる。  

牛も出産しないと乳を出さない。一般には、人工授精して妊娠・出産させる。しかし、山地酪農では、牛は自然交配を行い、林の中で2、3月に出産し、子牛は5月に母牛から離れる。通常の酪農家の場合は、栄養価に富んだ「初乳」を生まれたばかりの子に飲ませるだけで、その後すぐ、子牛を母牛から引き離す。母牛は牛乳を生産しなければならないからである。  

引き離された子牛は脱脂粉乳を飲まされる。

山地酪農のように、2~3カ月も母乳を飲めないのである。

この子牛に飲ませる脱脂粉乳も飼料穀物と同じく輸入物である。輸入のほうが安いからである。酪農家は人が食べる乳製品の輸入には反対するが、家畜のエサとなる乳製品は輸入する。  山地酪農の最大の長所は、エサとしての野シバの利用、糞尿の土地への還元・堆肥化など、大地に根差した本来の酪農の姿を実践していることだろう。

 

■なぜ乳脂率は「3.5%」でなければいけないのか  

1987年に生乳取引の基準が乳脂率3.2%から3.5%に改定された。放牧ではその基準を満たすことができないという指摘がある。  

生乳から水分を除くと、乳脂肪分と(たんぱく質などの)無脂乳固形分になる。前者からバターが、後者から脱脂粉乳ができる。  

1987年当時は、今と異なり、バターが過剰で脱脂粉乳が不足気味だった。

脱脂粉乳に合わせて生乳生産を行うと、バターが余る。

しかも、乳業メーカーは、平均すれば3.5%の乳脂率があった生乳からバター分を抜き取って3.2%の牛乳として販売していた。この抜き取った分もバターとして販売したので、さらにバターが過剰になった。  

そこで、乳業界は一計を案じた。バターが余るなら、乳脂率3.5%の牛乳として消費者に飲ませればよい。これは功を奏した。バターの供給は減少し、過剰は解消されたのである。1987年の生乳取引基準改定は、バターの過剰対策だった。

おいしさを感じさせる脂肪分が上がったので、一時的だが、牛乳の消費も増加した。

 

 ■生乳取引の基準はもっと低くてもいいはず  

ところが、今は、バターと脱脂粉乳の需給関係が逆転している。2000年に汚染された脱脂粉乳を使った雪印の集団食中毒事件が発生して以来、脱脂粉乳の需要が減少し、余り始めた。これに合わせて生乳を生産すると、今度はバターが足りなくなる。

2014年のバター不足は、根本的には、この需給関係が引き起こしたものである。  

それなら、今度は生乳取引基準を乳脂率3.2%に戻せばよい。バターの生産は増え、

バター不足が起きることはない。  

そもそも、乳脂率3.5%が消費者ニーズに合致しているかどうかわからない。  

近年、乳脂肪分1.5%から2.5%までの成分調整牛乳と呼ばれる牛乳の生産・消費が拡大した。これは生乳からバター分を抜き取った牛乳である。

その理由として、味の面では、乳脂肪分が低いため、飲み口があっさりしているうえ、バターや脱脂粉乳などの乳製品から作られる加工乳と違って、牛乳の風味に近いことが挙げられる。消費者の嗜好が低脂肪牛乳に移ったのだ

アメリカでも量的には、低脂肪牛乳は通常の牛乳と同じくらい売られている。

次に、価格が、牛乳に比べて安いことである。

これが消費者の低価格志向にマッチした。 

 生乳取引の基準は乳脂率3.2%よりもさらに低くてもよい。2%でもよい。

放牧型酪農も対応できるし、抜き取る分が増えるのでバター不足を起さなくて済む

 

■放牧型へ転換しなければ、日本の酪農は生き残れない  

アメリカ農務省主催のフォーラムで、NASA(航空宇宙局)地球科学課長は、衛星による地球の水循環の分析から、乾燥地帯はより乾燥し、湿った地域はより湿潤になるとし、気候変動がさらに厳しいものになると予測した。続けて、アメリカで最も土地が肥沃な中西部のコーンベルトで、トウモロコシの収量が低下し小麦の収量が増加すると報告した。つまりコーンベルトが小麦地帯になるというのだ。  これは、コーンベルトの農家にとって、かなりのショックだったようだ。小麦ではなくトウモロコシを生産してきたのは、トウモロコシの方が高い収益を上げられるからだ。現在アメリカで小麦を作っているのは、肥沃(ひよく)度の劣る西部地域である。コーンベルトが小麦地帯になることは、農家所得が減少することを意味する。  

他方で、日本の酪農・畜産はアメリカ産トウモロコシをエサにしている。アメリカでトウモロコシ生産が減少し、その価格が上昇していくと、日本の酪農・畜産はいずれ壊滅的な打撃を受ける。現在のトウモロコシ価格上昇は、その序曲に過ぎない。  

日本の酪農が生き残ろうとするなら、山地酪農など放牧型へ転換すべきである。現在農林水産省や農林族議員が行っている飼料価格の補塡は、死期が近い患者への延命治療に過ぎない。 

 

---------- 山下 一仁(やました・かずひと) キヤノングローバル戦略研究所研究主幹 1955年岡山県生まれ。77年東京大学法学部卒業後、農林省入省。82年ミシガン大学にて応用経済学修士、行政学修士。2005年東京大学農学博士。農林水産省ガット室長、欧州連合日本政府代表部参事官、農林水産省地域振興課長、農村振興局整備部長、同局次長などを歴任。08年農林水産省退職。同年経済産業研究所上席研究員、2010年キヤノングローバル戦略研究所研究主幹。著書に『バターが買えない不都合な真実』(幻冬舎新書)、『農協の大罪』(宝島社新書)、『農業ビッグバンの経済学』『国民のための「食と農」の授業』(ともに日本経済新聞出版社)、など多数。近刊に『日本が飢える! 世界食料危機の真実』(幻冬舎新書)がある。 ----------

キヤノングローバル戦略研究所研究主幹 山下 一仁

 

>北海道の酪農地帯に住んでいるものですが、この記事は半分しか正確ではない。

 確かに酪農バブルはありました。 2016年度の国内乳製品の不足によって、国策で大規模化、農機具の近代化を推し進めることで酪農家の収入増がありました。

 しかし、それによって農家ばかりではなく、雇用、酪農に携わる建設、土木、食品にいたるまでその地域の活性を促しました。 補助金漬けと批判する人がいますが、給付金と違い全額お金が貰えるわけではないです。

 申請して貰えたとしても牛舎建設で50%以下程度、残りは10数年に渡っての借金。 しかも、牛舎、農機具の補助金は指定業者を使わないと貰えないし、

最初から高額見積もりになっています。 ヘルパーがいて、親が未だ若く一緒に働いているなら休みがとれるかもしれませんが、 その様な環境がないなら、

24時間365日仕事です。 その様な環境で都会の収入と比べるのはナンセンスですね。

 

>確かに昔の酪農は放牧と牧草主体の飼料でやっていました。 家族労働で数十頭の乳牛を飼育し、それで経営を成り立たせていました。 

しかし乳価は今よりもkg辺り数十円安く、一頭辺りの搾乳量も今の半分程度です。

 年間300トンくらいの出荷量で乳代は精々2000万円かそこら。 

雄牛が産まれたら肉用素牛として売却。 総売上は3000万円程度なのが北海道の平均的酪農家でした。 飼料代や光熱費、設備や農業機械の減価償却費を引けば酪農家の手元に残るのは1000万円程度でしょう。 そこから資金償還をして税金を納め可処分所得として残るのは500万円くらいのものです。 家族3人で365日休みなく働いてです。 そこから脱却するために負債を抱え規模を拡大してきたのが現存する酪農家。 

乳代が上がってイケイケで拡大した酪農家にも問題は有りますが記事のようにボロ儲けしているわけでは有りません。 億単位の負債が有るのだから。

 

 

>問題は、酪農や農業、行業への補助金の是非ではなく(補助金は、欧米でもやっている当然の政策)、補助金の真水(酪農家とに直接わたるお金の割合)がどれだけあるかだ。日本はほとんどすべての産業に、天下りの財団法人があり、そこに補助金がまず最初に入る仕組みになっている。つまり、中抜きが多すぎる。

 ベーシック・インカムに自民党だけが反対しているのは、中抜き利権を壊されたくないからだが、それと同様に各種補助金が無意味な中抜きに消えている。 そこをまず最初に、解剖解体しないことには、いくら補助金を出しても、まったく税金の無駄。

 

 

うちでは低脂肪乳(加工乳)しか買わないし、酪農応援で仕入れられていた

北海道牛乳の脂肪分は8%を超えていた。

それだから、売れないんだよ、と思った。

経営判断は自由に選んでその形態で営農しているはずなので

潰れる自由もあるのが資本主義。

農業は六次化して、ご当地商品がどんどん入ってくるのに、酪農はしていない。

それでスーパーには輸入チーズ商品しか置いてない。

手近なお店に何もおいてなければ、買いようがないのだ。

どうぞお好きにとしか思えない。

 

 

天下りポストに「14年間」居座った元農水次官がついに退任…でも日本の漁業がヤバい理由

「天下りポスト」の今後

 一般社団法人「大日本水産会」の白須敏朗会長が6月にも退任する見通しだ。白須氏は農林水産事務次官退任後、14年にわたって同会長に居座り、霞が関で顰蹙を買っていた。後任には枝元真徹・前農水事務次官の就任が有力視されている。

  【写真】大蔵省の「ノーパンしゃぶしゃぶ事件」いまだからウラ話を明かそう!  大日本水産会は水産業の振興を目的に1882年に設立された、500余りの水産関連団体からなる組織。会長職は農水次官経験者の「天下りポスト」となっている。  

白須氏は'08年、基準値を上回る農薬で汚染された事故米の不正転売事件の責任を取るため、就任1年で農水次官を辞任。ところが、官僚の天下り斡旋全面禁止を掲げる民主党政権が発足する直前の'09年9月、滑り込みで天下って復権を果たした。 

 魚離れや水産物の不漁の深刻化で、水産業界の改革は待ったなし。だが白須氏は「いかに役所から予算を分捕るかしか考えていない」(農水省キャリア)と評される。コロナ禍で巨額支援が定着した近年は、予算要求の圧力をさらに強めていた。  

元官僚が一つの天下り先に10年以上在籍することは極めて異例のため、かねて白須氏の進退は注目されていた。ある業界関係者は、その心中を「次官を1年でクビにされたから、長くやって当然と思っている」と語る。昨年5月に瑞宝重光章を受章して、ようやく満足したとも囁かれる。  

後任となる見込みの枝元氏は「水産庁で勤務経験があり水産業への理解は深いが、

改革志向ではない」(元農水省幹部)。水産業の衰退には歯止めがかかりそうにない。  「週刊現代」2023年4月1・8日号より

週刊現代(講談社)

 

 

「ムツゴロウ」畑正憲さん死去 87歳 「ムツゴロウとゆかいな仲間たち」で人気 北海道で動物王国

スポニチアネックス

「東京ムツゴロウ動物王国」内見会で動物たちと戯れる畑正憲氏(中央、2004年7月27日撮影)

 「ムツゴロウ」こと作家の畑正憲(はた・まさのり)さんが4月5日午後5時53分、心筋梗塞のため死去した。87歳。福岡県出身。北海道の自宅で倒れ、搬送先の同中標津町の病院で亡くなった。葬儀は親族で行う。喪主は妻純子(じゅんこ)さん。

  【写真】犬とスキンシップする畑正憲さん ムツゴロウ共和国での貴重なモノクロのスナップ写真 撮影=1978年7月12日  

関係者によると、畑さんは6年前に心筋梗塞で倒れ、その後は入退院を繰り返していた。最近は自宅療養中だったという。5日に体調が急変した。  

ムツゴロウ動物王国の公式HPによると、畑さんは1935年4月17日福岡市生まれで、54年に東京大学入学 。68年に学習研究社映画局を退社し、本格的な著作活動に入った。71年に北海道厚岸郡の無人島に熊や馬を連れて移住。翌年、浜中町に移って「動物王国」を建国した。77年に「第25回菊池寛賞」を受賞。著書は「畑正憲作品集」「ムツゴロウの青春記」「ムツゴロウの動物交際術」など多数ある。  

大人気となったテレビシリーズ「ムツゴロウとゆかいな仲間たち」は80年にスタート。北海道で動物王国を作った畑さんと動物との交流をドキュメント風に追った番組で、2001年3月まで20年間シリーズが放送され、30%を超える視聴率を記録するなど人気を博した。  たとえ、ライオンに指をかまれても動物を責めることなく、「ようし、よし」とスキンシップを図って距離を縮めていった。ほほえましい愛情表現でお茶の間の人気も急上昇した。動物と触れ合う様子をパロディーにする番組やモノマネするお笑い芸人や多数出現し「ムツゴロウさん」の名前はさらに幅広い世代に広まった。  動物文学の発展などの功績が認められ、菊池寛賞を受賞。1986年、大ヒット映画「子猫物語」の監督も務めた。

 

「ムツゴロウ」畑正憲さん死去、フジテレビが追悼「残念でなりません」 約20年にわたり『ゆかいな仲間たち』シリーズ放送

オリコン

「ムツゴロウさん」こと畑正憲さんが死去 (C)ORICON NewS inc.

 「ムツゴロウさん」の愛称で親しまれた作家・畑正憲さんが5日、心筋梗塞のため死去した。87歳。訃報を受け、1980年から約20年にわたり『ムツゴロウとゆかいな仲間たち』シリーズを放送したフジテレビが6日、追悼のコメントを寄せた。

  【貴重写真】孫の俳優・津山舞花と…笑顔で写る「ムツゴロウ」畑正憲さん  

同局は「生涯、動物たちと触れ合い続け“ムツゴロウ”の愛称で親しまれた畑正憲さん。フジテレビで1980年に放送が始まった『ムツゴロウとゆかいな仲間たち』シリーズは、北海道で動物たちと暮らす畑さんの生活や、世界中の生きものたちと触れ合いを20年以上にわたって描きました」と説明。  続けて「アフリカの保護区では、初めて出会った巨大なアフリカゾウが片足を上げムツゴロウさんにあいさつしてくれたものの体中ダニだらけに。それでも喜んでいらっしゃったムツゴロウさん」とし、

「動物も人もムツゴロウさんにとってはみんな友達でした。ムツゴロウさんの飾らないお人柄や動物たちとの心温まる交流の様子が、幅広い世代から共感を得て人気番組となりました」としている。  最後に「この度のご訃報に触れ、残念でなりません。これまでの多大なご功績に深く感謝申し上げるとともに、謹んで心より哀悼の意を表します」と悼んだ。  

同局は8日午後7時から2時間の追悼特番『ありがとう!ムツゴロウさん』(仮)を全国ネットで放送する。  

畑さんは1935年4月17日生まれ、福岡県出身。東京大学理学部で動物学を学び、学習映画制作などを経て、作家に転身。「ムツゴロウ」の名でエッセイや小説などを多数発表した。一方、71年に北海道に移住して「ムツゴロウ動物王国」を誕生させ、フジテレビ系『ムツゴロウとゆかいな仲間たち』シリーズが人気となった。

 

ムツゴロウさん、亡くなる9日前の最後のインスタグラム投稿…動物を膝に抱えニッコリ

スポーツ報知

3月27日の投稿が最後となった。ムツゴロウさんの公式インスタグラム(@mutsugoro656)より

 動物との交流を描くテレビ番組などに出演し、「ムツゴロウ」の愛称で親しまれた作家の畑正憲さんが、5日午後5時53分に心筋梗塞のため北海道中標津町の病院で死去した。87歳だった。 【写真複数】亡くなる9日前の最後のインスタグラム 

 ムツゴロウさんは、自身のユーチューブチャンネル「ムツゴロウの656」やインスタグラムも運営。動物と触れ合う様子や生物の不思議について発信を続けてきた。  ユーチューブチャンネルは3月26日にアップした動画が最後となった。犬ぞりレースの世界大会で3連勝を成し遂げた女性、スーザン・ブッチャーさんがムツゴロウさんを訪れた時の話を振り返りながら、約11分にわたって映像化。ムツゴロウさんは「犬と心は通じ合うの?」というテーマで語った。  

インスタグラムは、翌3月27日の更新が最後。スタッフによる書き込みで「昨日104回の656に登場したスーザンブッチャーさんとムツさん。アイディタロッドを走破したときの装備を見せていただきムツさん、うれしそうです」と2ショットを掲載。動物を膝に抱えてうれしそうに笑うムツゴロウさんの思い出ショットも披露されていた。

 

>最後の投稿がこんな素敵な笑顔で、切ないけど、よかった。 モフモフのいきものを膝に抱え、満面の幸せそうな笑顔。 この写真が、彼の人生そのもの。 苦労もおありだったけど、最後まできっと幸せな人生だったんだろうな。 動物とともにあり、動物を愛し、 自宅で倒れられるまで、最後まで彼らに囲まれていたムツゴロウさん。 彼らしい人生の全うの仕方だな、と思いました。 ご冥福をお祈りします。 多くの国民は、ムツゴロウさんの番組をみて育ってきました。 お疲れさまでした、そしてありがとうございました。

 

榎木英介

病理専門医&科学・医療ジャーナリスト

ムツゴロウさんは実は東京大学理学部生物学科動物学専攻卒業で、獣医ではありません。個人的なことで恐縮ですが、私の出身学科の大先輩にあたる方で、学生の中にはムツゴロウさんに憧れて進学してきた人も多かったように記憶しています。 

私が在学当時は、小説にも登場する同級生の教授がいらっしゃり、飲み会の場で学生たちからムツゴロウさんがどんな方だったのか散々聞かれてちょっとうんざりした表情をしていたのを覚えています。 テレビ番組含め、動物に関する関心を高めてくださった、今風に言えば科学コミュニケーターであり、功労者だったと思います。

私たちの世代(50歳くらい)は多かれ少なかれムツゴロウさんから影響を受けていると思います。 心よりご冥福をお祈りします。

 

吉田豪

プロ書評家/プロインタビュアー

ムツゴロウさんは世間の“動物好きの優しいおじさん”イメージとは全然違う、破壊的な面白さのある人でした。むしろ動物の話に飽きている感じすらもあって、05年にボクがムツさんと安田大サーカスとの対談を仕切ったときは、安田団長に「『ムツゴロウとゆかいな仲間たち』見てました!」と言われても完全スルー。

でも、クロちゃんが麻雀できると聞いた瞬間にスイッチが入って「いまいくら持ってる!」と言い出したり、唯一原稿でカットされたのがムツさんの賭け麻雀のレートの話だったりで最高すぎたんですよ。 ボクが00年にあえてムツさんに動物以外の物騒な話ばかり聞くインタビューをやったときも、案の定ノリノリで動物王国の資金を賭け麻雀で稼いでいたこととか話してまくった結果、単行本掲載不可能に(そのときのNGは雀鬼・桜井章一批判)。でも、そのとき「吉田さんに伝えて下さい。あなたは必ず成功すると」と言われたことは一生忘れないです。

 

>麻雀大好きで、徹マンを続けて、心筋梗塞起こしてペースメーカー入れても相変わらずのヘビースモーカー 最近はテレビに出ることは少なかったけど昔はよくテレビで拝見し、ライオンに指を咬まれて中指を失うといった破天荒ささえムツゴロウさんらしいなと思います よくここまで長生きされたと思います ご冥福をお祈りいたします

 

【追悼】「今は犬1頭と猫1匹だけ…」

借金3億を背負って「動物王国」を閉園したムツゴロウさん(86)が辿り着いた“北海道のログハウス生活”「今は自分が生きていくだけでやっとです」

 

文春オンライン

ムツゴロウさんは現在、北海道の中標津で妻と馬の世話をするスタッフと3人で暮らしている ©️文藝春秋 撮影・鈴木七絵

「ムツゴロウさん」こと畑正憲さんが6日、87歳で亡くなった。北海道の自宅で倒れ、搬送先の病院で死去したという。 【画像】60年以上つれそった妻の純子さんと  1980年に放送が始まった「ムツゴロウとゆかいな仲間たち」は大人気番組となり、多くの動物番組の“元祖”となった。ムツゴロウさんが最後まで暮らした中標津のログハウスでのロングインタビューを再公開する(初出 2021年11月11日、年齢、肩書き等は当時のまま)。 ▼▼▼  動物が登場する番組はテレビでもYouTubeでも鉄板の一大ジャンルだが、その元祖と言えば“ムツゴロウ”こと畑正憲さん(86)だろう。  ライオンの頭を無防備になで、ワニの口に笑顔で頭を入れる。ライオンに右手の中指を食べられてもまったく懲りる気配すらない。“動物愛”という枠を大きくはみ出した畑さんの生き方は日本中を魅了した。1980年に始まった「ムツゴロウとゆかいな仲間たち」はあっという間に人気番組になり、平均視聴率は20%に迫った。  

しかしTVシリーズは2001年に終了し、2000年代後半には北海道の中標津から東京のあきる野市に移転した「ムツゴロウ動物王国」も閉園。3億円とも言われる巨大な借金を抱えたが、それもあふれるバイタリティで完済し、現在は40年前に移り住んだ北海道の中標津にある大自然に囲まれたログハウスで生活している。  

トレードマークの黒ブチ眼鏡にやさしい声の“ムツゴロウ”さんは、ゆっくり椅子に腰掛けると、煙草を一服しながら破天荒な人生について語り始めた。(全3回の1回目/ #2 、 #3 を読む)

現在は大型犬1頭と猫1匹と一緒に生活

ムツゴロウ よくこんなところまで来てくれましたね。東京からですか? 家族以外の方と話すのも久しぶりですよ。もう隠し事もありませんから、何でも聞いてください。年のせいか、すぐに忘れちゃうこともありますけどね(笑)。

 ――今日はお時間いただきありがとうございます。お元気そうで安心しました。

 ムツゴロウ あ、僕はタバコをたくさん吸いますのでそれだけは勘弁してくださいね。フィンランドから運んだヨーロッパアカマツでこの家を作るときもね、タバコの煙が抜けるように作ったんですよ。

 ――素敵なログキャビンハウスですね。そして中標津も初めてきました。

 ムツゴロウ もう引っ越してきて40年くらいになりますけど、広くて、川が流れていて、馬が喜んで草を食べるところがいいなと思って選びました。広さはわからんのですけど、100万坪くらいだと思います。それと来る時に、道に梨がいっぱい落ちていたでしょう? 森や川は動物の食べ物を作ってくれるんです。時々、この家にもエゾリスやモモンガが来て窓を叩きますよ。気がついたら食べ物をあげたりして、そんな付き合いをしています。

 ――今はどんな動物たちと生活しているんですか。

 ムツゴロウ 一緒に家で暮らしているのは、大型犬のルナと猫のマヤだけです。今は年を取ってね、自分の手で飼えるだけ。1頭と1匹で精一杯です。あとはすぐ近くの(ムツ)牧場に数頭の馬がいますが、自分が生きていくだけでやっとです。

 

「僕は男5人兄弟の3番めで、一番上と一番下が戦争で死にました」

――ムツゴロウさんと動物の関係は一番最初はどうやって始まったんでしょう。 ムツゴロウ 僕は1935年に福岡で生まれたんですけど、戦争中に医者だった父に連れられて開拓団として満州に移りましてね、満州で住んでいた家は周りを見渡しても何もないところで、昼間はオオカミの遠吠えが聞こえるし、キジやハトがいくらでも獲れました。ナマズやフナを僕が釣って帰ると、おかずになるからって家族に喜ばれましたね。それが動物との最初の出会いでした。 ――戦争の記憶と結びついているのですね。 ムツゴロウ 僕は男5人兄弟の3番めで、一番上と一番下が戦争で死にました。当時は日本の幼年学校に入らないと日本軍の大将になれないので、父親が兄を幼年学校に通わせるために、僕も一緒に小学校2年の終わりくらいに日本に送り返されました。帰ってきてから兄貴は必死で勉強してましたけど僕は野放しで、母の本ばかり読んでいました。バルザックとかプーシキンの小説が好きでしたね。漢字も大体覚えてしまって、新聞を読んでいる祖父に「正憲、これはなんて読むんだ」と呼ばれる役目でした。そうこうしているうちに戦争は終わっていましたね。 ――野放しとは言いますが、大分県立日田高校から東京大学の理学部へ入られています。 ムツゴロウ 親は医者になれとうるさかったんだけど、僕は医者になる気はまったくなかったんですよ(笑)。当時は東大の理科2類から医学部に行くこともできたので、それで親を説得しました。でも大学では医者になる勉強はせず、アメーバの研究に没頭してました。自分の血を抜いて白血球を取り出してね。アメーバってあらゆる動物の命のもとなんですよ。

会社員時代は犬1頭さえ飼っていなかった

――大学卒業後は会社員生活を経て、36歳の時に「動物との共存」を求めて北海道へ移住されました。23歳で結婚されて、36歳の時には娘さんも生まれていたと思うんですが、その決断はどうやってしたのでしょう。 ムツゴロウ 女房と結婚したのは大学を出てすぐでしたね。女房とは中学2年生の時からの付き合いで、娘ができたので安定した仕事をしなければならないと思って、学研という出版社に就職しました。僕は誰もいない土地が好きで毎年夏になるたびに、家族旅行はスキー場へ1週間とか2週間とか行っていました。夏は誰もいませんからね(笑)。そのスキー場である出来事があって、移住を考えるようになりました。 ――どういうことでしょう? ムツゴロウ 一緒に山を歩いていた時に、3歳の娘が虫に刺されて泣いたことがありました。それを見て、僕は自然にかこまれたところで育ったけれど子供たちが自然からずいぶん離れていることに気づいてショックをウケたんです。東京での生活自体を変えないといけない、自然を身に浴びて生活しないと、心が育たない部分があるんじゃないかと思ったんです。会社員時代は生活にヒーヒー言っている状態、家には犬一頭さえ飼っていませんでした。

 

500匹以上の動物と40人のスタッフ

――36歳だった1971年に北海道の嶮暮帰島へ移住、次の1972年には浜中町に「ムツゴロウ動物王国」ができています。

 ムツゴロウ 無人島で人間がいないところで生活しつつ、浜中町の土地を借りて道産馬などの日本古来の馬の繁殖をしようというのが当初の計画でした。それがいつのまにか犬や猫、牛や馬に鶏などの動物がどんどん増えていって、気づけば500匹以上の動物と、世話をする40人のスタッフという大所帯の奇妙な共同生活が始まりました。 

――生活資金は大丈夫だったのでしょうか。

 ムツゴロウ 出版社にいた会社員の時は手取り10万円くらいで何とか食べていける暮らしでしたが、会社を辞める数年前くらいから他の会社から執筆の仕事依頼が増えました。それである程度の生計が立てられるようになったので、北海道へ渡っても執筆の仕事でやりくりできました。

「僕のすべてをぶつけます、手加減しませんよ」

――そして1980年に「ムツゴロウとゆかいな仲間たち」が始まります。きっかけは何だったんですか? 

ムツゴロウ 北海道に引っ越してからもエッセイなどを書いていたので東京のマスコミの人とはつながりはありました。「ゆかいな仲間たち」の始まりは、後にフジテレビの社長になる日枝久さんと新橋でご飯を食べていた時に「誰も行ったことがないような場所へ行って思う存分動物と触れ合いたい」という話を僕がしたんです。そうしたら日枝さんがいきなり立ち上がって、僕の手を握りながら「畑さんそれやりましょう」と盛り上がったんですね。「僕のすべてをぶつけます、手加減しませんよ」と宣言はしていたんですけど、番組スタッフの方には「大丈夫? 野生動物だから一歩間違えたら死んじゃうよ」ってずいぶん心配されましたね(笑)。

 ――「ゆかいな仲間たち」は、ムツゴロウさんとゾウが触れ合っていたりとまさに手加減なしでした。台本などは当然なかったということですよね。 

ムツゴロウ 相手は野生動物ですからね(笑)。番組のスタッフにも「事前に動物についての説明をしないでほしい」とお願いしていました。前もって動物を馴らしておいたり、なんなら前日に餌をあげておけば簡単に仲のいいシーンが撮りやすいかもしれないけど、僕はそれはやりたくない。とにかく僕と動物が会った初見の場面を見てもらいたかったんです。

 

野生動物相手でも、撮影の打合せは一切なし

――危険なことや予想外のこともあったのではないですか? 

ムツゴロウ もちろん危ないこともあるんですけど、それ以上に僕が残念に思っていたのは、僕と動物の物語が始まる“最初”の肝心な部分を、カメラマンが撮れないこと。ただそれも仕方なくて、僕が動物のどこに触って何を話すかを打ち合わせしていなかったので、カメラマンもどう撮っていいかわからなかったんでしょう。

 ――自分がカメラマンだったと想像しても、野生動物の動きも予想できませんしムツゴロウさんの動きも読める気がしません。 

ムツゴロウ 例えば、35年前に動物園から野生に戻ったゾウと会うとするじゃないですか。そういう時僕は、ゾウの前に立って一度全身の力を抜くんです。そして呼吸を読まれないように、何も言わないし何も動かないようにする。すると最初は警戒してたゾウが、「何だろ」って近づいて来るんです。それに僕も「どうした?」って応じて、そこからスキンシップが始まる。そのお互いの呼吸を撮りたかったんですけど、ほとんど実現しませんでしたね。

 ――それでも事前にスタッフに説明することはしなかったんですね。 

ムツゴロウ それを伝えると嘘になるからです。事前に動きや性質を説明して狙って撮ってしまったら、小学校の理科の本のようになっちゃう。それじゃダメだと思ってたんですよ。 

◆  そのぶっつけ本番のスタイルは、撮影中にライオンに襲われて中指を食べられる、という衝撃の事件を引き起こしてしまう。しかしムツゴロウさんは、それをまるで何事もなかったように、楽しそうな表情で話しだした。( ♯2 につづく) 

【追悼】「よし、指1本やるから勘弁しろ」ムツゴロウさんがライオンに中指を食べられても、ギャングに囲まれても相手を恨まない理由 へ続く

「文春オンライン」特集班/Webオリジナル(特集班)

 

 

 

 

 

 

「ムツゴロウ王国」は度重なる住民反対運動…亡くなった畑正憲さん、借金8億円の波乱万丈

SmartFLASH

東京サマーランドに開園した「ムツゴロウ王国」の従業員を募集するチラシ

 4月6日、「ムツゴロウさん」の愛称で親しまれた畑正憲さんが、87歳で亡くなった。北海道の自宅で倒れ、搬送先の病院で死去したという。6年前に心筋梗塞で倒れ、それ以来、闘病を続けるなかでの出来事だった。

  【写真あり】千葉県流山市に移転する計画もあったが、地元の反対で頓挫した  

ムツゴロウさんは、東京大学理学部で動物学を学んだ後、サラリーマン生活を経て作家デビュー。動物と触れ合うエッセーで人気を博した。よく知られるのは、1980年に放送が始まった『ムツゴロウとゆかいな仲間たち』(フジテレビ系)だ。 

「1972年、ムツゴロウさんは北海道厚岸郡浜中町に、約450万㎡の『ムツゴロウ動物王国』を開園しました。動物と触れ合うための施設ですが、動物園と違って、原則として非公開。  

ムツゴロウさんのエッセーを読んで共感した若者がやってきて、共同生活を送る施設になりました。『ムツゴロウとゆかいな仲間たち』はそんな姿を収めた “動物番組” の元祖です」(芸能記者)  

その後、「ムツゴロウ動物王国」は関東への進出を目指すが、地元住民の反対にあい、たびたび頓挫してきた。最初に狙ったのは、千葉県流山市だった。江戸川堤防沿いに広がる約300haのうち、約39haを利用して「東京ムツゴロウ動物王国」を開く予定だった。  

本誌は、2003年、当時の住民たちの複雑な思いを取材している。借地契約を結ぶ予定だった地権者はおよそ300人。そのうちの1人は、

「空気のいいところなのに、臭いに汚染されたり、(糞などで)蠅がたかったりしたらね。それに長いこと続かないでしょう。『潰れたから土地を返します』と言われても、すぐに田んぼに戻すわけにはいかないしね」  と語っていた。予定地には移転に反対する看板が4カ所も立てられ、結局、地権者の反対が多かったことで計画は頓挫した。 「さらに翌年、2004年4月には、東京サマーランド内にオープンすることを発表しました。しかし、ここでも東京サマーランドが位置するあきるの市で反対運動がおこったのです」(前出・芸能記者)  

当時、あきる野市の市民団体「あきる野市政を考えるみんなの会」の事務局長は、

本誌の取材に対し、同王国の従業員を募集するチラシが入っていたとして、「(寄生虫の)エキノコックスの安全が十分確認されていない段階で、こんなチラシを出すなんて問題です」と猛反対。

 結局、2004年7月28日に開園し、北海道からほとんどの動物がやってきたが、集客に悩み、2年後に運営会社が破綻。2007年に閉園し、「むつごろう王国」は北海道に再び戻った。 「東京進出に失敗し、運営会社の負債総額は9億円にのぼりました。

また、ムツゴロウさん個人としても3億円の借金を抱えることになりました。

しかし、その後、8年かけてコツコツ返済したそうです」(同)  

晩年も、北海道での動物との暮らしをYouTubeで発信するなど、精力的に活動していたムツゴロウさん。動物の魅力を多くの世代に伝えてきたその功績は、あまりに大きい。

 

>「東京ムツゴロウ動物王国」は全然、周知されてなかったですね。 気付いたら閉園してたけど、もうあの頃でムツゴロウさん自体が表に出るのは潮時だったかと。 

無免許で帝王切開なんかやっちゃったりアルコール飲みながらお産手伝ったり、

今じゃ完全にNG内容を普通に放送してた事が凄い時代だったんだなぁと。

 ※ムツゴロウさんは獣医師の免許は持っていません。

 

「ムツゴロウ」畑正憲さん87歳死去 東大時代から「稀代のギャンブラー」の横顔も

日刊ゲンダイDIGITAL

畑正憲さん(C)日刊ゲンダイ

 いわゆる「動物好きの優しいおじさん」のイメージとは異なる豪放磊落な人柄だった。 「ムツゴロウ」の愛称で親しまれた作家の畑正憲さんが5日、心筋梗塞のため北海道中標津町の病院で死去した。87歳だった。福岡市出身。東京大で生物学を学び、動物関連エッセーで作家としてデビュー。1971年、北海道に移住し、翌年「動物王国」を開園。「ムツゴロウの青春記」「ムツゴロウの動物交際術」などの著作で、動物たちとの交流をつづった。 600万円散財の粗品だけじゃない! まだまだいるぞ「芸能人ギャンブラー列伝」  

畑さんの名前が全国区になったのは80年から始まったテレビ番組「ムツゴロウとゆかいな仲間たち」だ。  裸で野生のカバとじゃれあったり、動物園のライオンの口の中に頭を入れたりするなど、動物たちと家族のように触れ合う姿がお茶の間を魅了した。

 ■知る人ぞ知る「稀代のギャンブラー」  

畑さんには、もうひとつの顔があった。知る人ぞ知る「稀代のギャンブラー」で、東大時代からのめり込んだ麻雀歴は半世紀以上。大学を辞めて、山谷に住んだ際、雀荘に入り浸り、1日に1000円稼いだこともあったという。  

2015年10月10日付の日刊ゲンダイ本紙に登場した際も、かつて正月休みの1週間、ぶっ続けで麻雀を打ち続けたことをこう振り返っていた。 「僕はギャンブルが好きでしてね、そのために生きている(笑い)。かつては麻雀を1週間やらないとお尻がむずがゆくなってきた」 「打ち盛りの頃は正月休みの8日間連続でやったものですよ。酒は一切飲まない。たばこは集中力が高まりますからね、ずっと手放さない。最近はタイトル戦に呼ばれますけどね。禁煙だから、引退宣言しようかと思っていますよ(笑い)。麻雀は普通の法則で打っていてはダメ。その都度、法則をひっくり返さなくては。たばこを吸わないと、その判断力が出てこないのです」  競馬も大好きで馬主になったこともある。 「競馬はねえ、どうなるかと思うほどのめり込みましたよ。あるとき、トパーズという名種馬の血統を受け継ぐ最後の牝馬をもらい受け、仔馬を産ませ、育てました。ムツノグラチエという名前を付け、新馬戦に出したところゲートを出なくて出遅れ。これはいい馬だと思い、調教師にも言って毎日ゲート練習を繰り返しました。札幌競馬場で出走させ(略)これは走ると確信しましたから、カードで全預金を引き出してつぎ込んだら、2馬身差で勝ってくれた」  

2017年に心筋梗塞を発症。自宅で療養生活を送っていたが、5日に倒れたという畑さん。動物学者、作家、そしてギャンブラーとしての顔。世界中を飛び回り、波瀾万丈の人生を送ってきた。あらためてご冥福を祈りたい。

 

「10円を惜しむ生活」「夕飯はコンビニの蕎麦」 87歳で死去“ムツゴロウさん” が語っていた「壮絶借金人生」

北海道は遠い

犬と触れ合うムツゴロウさん

 4月5日、“ムツゴロウさん”の愛称で親しまれた畑正憲氏が、心筋梗塞で亡くなった。享年87。1935年に福岡で生まれた畑氏は、東京大学を卒業後、文筆家として、『ムツゴロウ青春記』や『ムツゴロウの動物交際術』など、人と動物の触れ合いをテーマに描いた著作で人気を博し、その後、北海道に動物と人間が共に暮らす「動物王国」を創設。1980年からは、テレビ番組「ムツゴロウとゆかいな仲間たち」(フジテレビ)がスタートし、21年間続く長寿番組となった。小学校で使用するノートの表紙に、「動物王国」の動物の写真が使われていたことをご記憶の向きも多かろう。

  【写真を見る】「東京ムツゴロウ王国」最後の日に可愛い犬や猫たちと触れ合うムツゴロウさん。シーナ&ロケッツも駆け付けライブを披露していた

 動物番組の先駆者であり、作家・タレントとしてもゆるぎない地位を築いていた畑氏だが、一方で生前、お金に関するトラブルを抱えていた。

きっかけは、2004年。北海道にあったムツゴロウ王国を、東京・あきる野市にある「東京サマーランド」内に移転させたのだ。移転から1年が過ぎた2005年7月、ご本人がその理由を週刊新潮に語っていた。 「この三十数年、多くのスタッフと動物を抱えてやってきましたが、やはり北海道はお客さんに来てもらうにはあまりにも遠い」

 

書類送検まで

 しかも、 「スタッフが50人、動物700匹、エサ代だけで月1000万円かかる。

毎年が倒産危機でした。気がかりなのは王国の行く末。私がいなくっても、スタッフが路頭に迷わないように、東京への移転を決意したのです」  

ところが、経営は順調とはいかず、むしろ苦戦が続く。資金不足は深刻になっていき、2006年には負債を抱え、運営会社が破綻。畑氏の個人プロダクションが後を引き継いだものの、状況は悪化の一途を辿り、07年には閉園。王国は、再び北海道に戻ることになってしまったのだ。さらに、08年には、東京ムツゴロウ王国のスタッフへの給与が未払いだったとして、労働基準法違反の疑いで書類送検までされる始末。  

それから3年後の11年、週刊新潮が再びインタビューを試みると、 「借金のことはもう、そっとしておいてください……。負債は全部僕がかぶりました。1億、2億じゃききませんよ。今でも残された分を細々と返済しているんだ。今日も大阪で公演を2回もしてきたよ……。借金を返すのに一生懸命で夜も寝ないで頑張っているんだから……。一番ひどい時には10円を惜しむような生活をしていた。だから外食にも行けない。働いても借金の返済に出て行っちゃうから。ほら今晩の夕飯だって……」

 

象に鼻で持ち上げられて

 そうこぼしながら畑氏が記者に見せたのは、430円のコンビニの蕎麦だった。 

「東京進出の時は、運営会社に騙されっぱなし。“商品にするからイラストを描いてください。売上の半分を渡す”と言われ、100枚描いて渡したけど、支払いがなく、聞いたら、別の支払いに使ってしまった、と。万事がこの調子で。実は僕、テレビを辞めたら、文学に専念するつもりだった。文章に命を賭けようと。でも忙しくてできない」  おまけに、 「身体にもガタがきていてね、胃は(切除して)全部ないし、

肩は、象に鼻で持ち上げられて脱臼したし……」  

 

その一方で、この年の9月に、「日本動物学会動物学教育賞」を受賞した。 

「これは嬉しかった。私は在野で、しかも独学。学問の世界では通用しないんじゃないかという思いがあった。生きていて良かったと思いました。最近はようやく仕事も上がり調子。今は女房と“結婚したころは落ちたものを拾って食っていたじゃないか”“元気なうちは歩けるところまで歩こう”と話しています」 

 波瀾万丈な人生を、歩ききったムツゴロウさん。ご冥福をお祈りいたします――。

デイリー新潮編集部

 

数年前に、ビル・ゲイツの講演で、次の世界危機について、

コロナを予言するような丸いものを上げてたのをなんとなく覚えてるな。

 

ただ、ワクチン打ってもけろっとしてる人はけろっとしてる。

打たないでもけろっとしてる人もいるかもで。

 

普通に色々と、色や形が出そろって、ファッションに合わせて選べるようになったのだから、密閉人混み空間では、インフルや花粉など、他の場合と同じようにつけていて、いちいち文句言われる筋合いもないと思う。

 

病院スタッフにマスク外せという馬鹿はいない。

 

2021年03月30日 記事の再掲

なんでジビエカーが普及しないのか、謎。

当時はコロナであたふたすぎて、みんな知らないのかも?

解体場を近くに作ったからと、小屋を建ててる記事なんかが出てる。

情報弱者すぎでは?

キッチンカーが移動する台所なら、解体処理場も移動するんだよ。

製作はもう2017年なのに、続報がない。

いくら高価だからって、県だの自治体で検討できない額でもないのに、

検討がないってのも腑に落ちない。

全く売れないと生産されないし・・。

 

「ジビエカー」は、2トントラックがベースの特別車です。 

日本ジビエ振興協会と長野トヨタが共同開発したもので、価格は2300万円です。

2017/10/24

https://news.ksb.co.jp/article/13832968

捕獲した動物を食用に…注目の「ジビエカー」岡山

 捕獲したイノシシやシカを食用に処理する「ジビエカー」。 岡山県が開いた鳥獣被害の対策会議でお披露目され、注目を集めました。

 「ジビエカー」は、2トントラックがベースの特別車です。日本ジビエ振興協会と長野トヨタが共同開発したもので、価格は2300万円です。今年8月に高知県の自治体が初めて購入しました。

 汚れを流した動物がまず運ばれるのは解体室です。

(記者リポート)  「洗浄された動物はこれで吊り上げられ、レールに吊るされ、解体されたのち、次に進みます」

 解体は吊るしたまま行うため、肉が床に着かず衛生的です。  解体された肉は最終的に保冷室で5℃以下で保管されます。厚生労働省のガイドラインに基づき、肉同士が接触しないよう上下から固定します。また、作業の様子は3台のカメラで録画し、トレーサビリティーにも配慮しています。

 ジビエカーの一番のメリットは捕獲現場の近くまで移動すれば、すばやく新鮮な肉が得られることです。

(長野トヨタ自動車 西澤久友部長)  「今まで捨ててたものが商品化できる。現地まで行って、即、処理をして、冷凍して持ってくるので、これからは(食用として)提供できる」

 日本ジビエ振興協会によると、捕獲された動物で食用になるのは現在、全国平均で10%ほどにとどまります。 

 岡山県では昨年度、イノシシとシカあわせて約3万6000頭が捕獲されていて、約20年で8倍近くになっています。

 

 

 

 

ジビエカー

 

 

長野トヨタが開発!狩猟現場から安全安心な食肉を届ける「ジビエカー」

 

長野トヨタが「ジビエカー」なるものを製作していると聞き、長野までドライブ。そこにあったのは、「工場が来い」を地で行く新発想の自動車、いや移動できる設備そのものでした。

ベースとなるのは、トヨタ・ダイナ2トンロングボディ。ワイドボディの方がスペース面で有利ですが、狩猟現場は山の中など道が細い場合が多いため、あえて標準幅のボディが選ばれています。

食肉を加工する3つのスペースからなる荷台

荷室スペースは大きく3つに区切られています。最後部が、搬入から枝肉までの加工を行う加工スペース、次のスペースは雑菌が入らないようにするためのクリーンルーム、そして最前部に設けられているのが、冷蔵スペースです。各スペースには記録用のカメラが備えられ、トレーサビリティ確保にも気を配っています。

 

・加工スペースには、枝肉に加工するために必要な設備が整然と収まっている。

・食肉を床に降ろすことなく移動できる吊り下げレールはクリーンルームの扉開閉に伴い折りたたまれるよう工夫されている。

・枝肉を食肉加工工場に運ぶ冷蔵室は、上部のレールと下部のフックで枝肉同士がぶつからないようになっている。

・各スペースに備えられたカメラの映像をドライブレコーダーで記録、加工の段階からトレーサビリティを確保。

加工スペースには、枝肉に加工するために必要な設備が整然と収まっている。

各スペースに備えられたカメラの映像をドライブレコーダーで記録、加工の段階からトレーサビリティを確保。

制作された車両は宮崎、愛知、福岡などでの実証実験を経て、2017年12月に高知県梼原町に納入されました。その後、賛同する自治体が条例改正などを行い発注、長野県長野市にも近く納入予定だそうです。
・増した重量を支えるためにサスペンションも強化されていた。
・数百リットルの浄水と汚水を漏らさずに運ぶため大型のタンクが備えられ、左右に汎用の100Vアウトレットも用意される。
数百リットルの浄水と汚水を漏らさずに運ぶため大型のタンクが備えられ、左右に汎用の100Vアウトレットも用意される。

そもそもジビエって? なんでこんなクルマをトヨタが作ったの?

人間と自然界の動物の住みかが近づき、注目を浴びているのが田畑を荒らす害獣です。多くの地域で猟友会の有志が鹿や猪の駆除に協力してくれていますが、駆除された害獣は焼却処分されるか自家消費されているのが現状です。それを一般流通させ、レストランや家庭で消費してもらおうというのが、「ジビエ」です。狩猟によって得た肉のことをジビエと呼ぶのですが、日本ではそれを使った料理も含めてジビエと呼ばれ始めています。

ジビエは、素材の供給に課題があります。食肉として育てられ出荷される牛や豚などの食肉とは違い、狩猟で得るために供給が不安定なのです。さらに、食肉として加工する工程が確立されていません。一般的な食肉の場合は、工場まで生きた状態で搬送され、屠殺から枝肉化、さらに部位ごとに食肉として切り出す作業を行います。かわいそうと思う向きもあるかもしれませんが、命をいただく、それも可能な限りいい状態で命をいただくために、屠殺から血抜きや枝肉化をいかにスピーディに行うかが重要であり、多く流通している食肉ではその工程がシステム化されているのが現状です。一方ジビエは、狩猟の現場で命を奪われます。そこから食肉工場に運ぶまでに時間がかかったり、食品として流通させるのが難しいほど傷んでしまったりするという現状がありました。

「罠にかかった動物は逃げようとして壁に体当たりして、自分の体を傷つけます。猟銃で撃った動物も、食肉加工ができる工場に運ぶまでにトラックに揺られるなどして傷むことがあります。いずれも、動物を得る現場と食肉加工工場との距離が、大きな壁でした。」

そう語るのは、一般社団法人日本ジビエ振興協会の常務理事、鮎澤 廉氏。ジビエを広めたいけれど、食材として流通させるだけの品質、安全性と確保するのが難しいと悩んでいました。転機となったのは、同協会の代表理事を務める藤木 徳彦さんが運営するレストランに、トヨタ自動車の代表取締役副社長(当時)である小平 信因氏が訪れたこと。ジビエ料理のおいしさを知り、普及のためにトヨタ自動車ができることを探ったといいます。

 

「一番の問題は、狩猟現場と食肉加工工場が離れているということ。狩猟場所はそのときどきで変わるので、『食肉加工工場が出向けばいいのでは?』ということになりました。移動する施設を作るのであれば、自動車会社の出番です。」

長野トヨタ自動車株式会社 法人営業部の西澤 久友氏はそう語りました。長野トヨタ自動車が開発を担ったのは、狩猟の現場とジビエ消費の現場に近く、実情をよくわかっていること、日本ジビエ振興協会の本部が長野にあることなどが理由でした。狩猟も消費も、そのための道具開発もすべて現場で行う、それがジビエの品質を高めるポイントだったのです。

安全性を確保するために衛生関係の問題をひとつひとつ丁寧にクリア

西澤氏は法人営業部で培ってきた課題解決力をフルに発揮、県や市の関係部署に何度も足を運んでは、問題の洗い出しと解決策の提案を繰り返しました。固定された建物を前提に作られている決まりごとを、自動車という限られたスペースでいかにクリアしていくか、それは想像を絶する困難な道のりだったと言います。

「いかに衛生的に、かつ食肉としての品質を保ちながら加工するかという食品衛生、

つまりは消費者のみなさんの安全性に関わる問題に、私たちは取り組まなければならなかったのです。自動車会社の範疇を超えた仕事だと思いましたが、副社長が旗を振り、日本ジビエ振興協会の本部がある長野で、トヨタがこれをカタチにしなければならないという信念で取り組んでいました。」(西澤氏)

搬入口となるリフトも汚水を周囲に漏らさないよう特別な加工が施されている。

搬入口となるリフトも汚水を周囲に漏らさないよう特別な加工が施されている。

 

大きなポイントとなったのは、役所との折衝と開発を同時に進めたこと

課題を提示されてから長時間検討していると、新たな課題を示されます。そうすると、解決すべき課題が次々に積み上がっていくことになります。そうならないよう西澤氏は、持ち帰った課題をすぐに開発陣と検討、具体的な回答を持って次の折衝に臨みました。

こうして、ひとつひとつの課題を各個撃破し、開発を確実に前進させたのです。

「ほとんどの課題がクリアされ、最後に残ったのが食器の殺菌でした。食肉加工に使うナイフには、どうしても肉の脂がつきます。それを滅菌洗浄しなくてはならないのですが、

手で洗ったのでは人間の手の雑菌が残ります。」(西澤氏)

この課題に対して西澤氏が提示したのは、食品加工の常識を越えた手段でした。

230度の蒸気で器具を滅菌洗浄する医療用の器具を積み込んだのです。

ジビエカーに搭載された医療用の高圧蒸気滅菌器

 

食品加工に医療用器具を使うのはオーバースペックですが、限られたスペースで確実な滅菌処理を行えるのは間違いありません。これには役所の担当者も、文句のつけようがなかったと西澤氏は振り返ります。

「害獣駆除からジビエ化の流れが、ローカル線から新幹線に変わったように進んで行きます。解体処理施設にタイヤをつけてくださいという無茶な願いをカタチにしてくれた長野トヨタさんの努力に応えるため、日本ジビエ振興協会としても啓蒙活動にさらに力を入れていきます。」(鮎澤氏)

川上には消費者の要望を伝えつつ、川下には狩猟現場の現状をきちんと伝えていきたいと、鮎澤氏は語ります。精肉コーナーでも鹿肉を扱っている大手スーパーがあるほど、ジビエに親しんでいる長野から、新しい取り組みが全国に広がりつつあるのです。

▼長野トヨタ自動車株式会社
https://www.nagano-toyota.jp/
▼一般社団法人日本ジビエ振興協会
http://www.gibier.or.jp/

(取材・文・写真:重森大 編集:木谷宗義+ノオト)

 

「ジビエカー」で解体処理 シカ肉を動物園に配達

捕獲した有害鳥獣を処理する「ジビエカー」と呼ばれる特殊な車両で解体されたシカの肉を肉食動物のエサにしようと、岡山市の動物園に初めて届けられました。

岡山県真庭市では、有害鳥獣として捕獲されるシカなどの野生動物を捕獲場所の近くで食肉に処理できる「ジビエカー」をおととし、導入しましたが、食用として適さない若いシカの肉の利用方法が課題となっていました。
そこで、真庭市と関係が深い岡山市の池田動物園で、食用にできなかったシカの肉を肉食動物のエサとして活用することになりました。
29日は、「ジビエカー」でシカ肉が池田動物園に初めて届けられ、真庭市の吉永忠洋副市長が「この10年間で鳥獣害対策の予算はおよそ10倍増えた。ジビエカーは生き物の命を役立てる地域循環の仕組みで、これからも積極的に取り組んでいきたい」とあいさつしました。
このあと、飼育員から3月に8歳になったばかりのホワイトタイガーの「サン」やハイエナにシカ肉が与えられ、「サン」は無我夢中で平らげていました。
7歳の女の子は、「エサをもらったときの『サン』は迫力があり、食べる力がすごかったです」と話していました。
池田動物園の忠政智登士副園長は「動物たちも喜んでいました。新型コロナウイルスの影響で訪れる客も減少しており、安い値段でよいエサが手に入るのは助かります」と話していました。

 

 

 

 

 

ジビエはペットフードにも最適!例えば鹿肉は牛肉と比較して脂質が1/6、

カロリーは半分以下なのに鉄分は2倍!
低脂肪、高タンパクだからペットにとっても、ヘルシーなんです。
さらにジビエを余すところなく活用するという観点から、SDGsの
取り組みとしても注目を集めています。

 

(Adobe PDF)

www.maff.go.jp/j/nousin/gibier/attach/.../petfood-5.pdf

ジビエペットフードをめぐる情勢 - 農林水産省

ジビエペットフードシンポジウムの発表資料 ..

. 〇 ジビエ利用のうちペットフード 向けは、年々増加しており、平成30年度の利用量は374t. (19%)。 ..

. 〇 ジビエ の処理加工施設では、食肉加工で発生する端肉や内臓等をペットフード原料と.

 

令和元年10月21日(月) ジビエペットフードシンポジウムの発表資料

見やすい資料だけど、コピペができない。

しかし、ペットフード利用はとても有望なよう。

 

ただし、これ。

狂牛病が発生してしまった理由は、羊の肉骨粉を牛に与えていたか、その逆だったか忘れたが、通常自然の捕食行為では絶対に口にしないような餌を、人間が与えてしまったためだ。

その結果、プリオン蛋白という、恐ろしいとしか言いようのない物質が発生してしまった。

あるから、という理由だけで、むやみに利用はしないように。

規制には規制されただけの、根拠があるので。

なので、動物園の肉食獣の餌になるのは、安全性が高そう。

 

● ジビエでペットフードを製造する場合は、ペットフード安全法に則り、届出、帳簿の備付け、表示の基準、成分規格等を遵守する必要があります。

 

● ペットフード安全法以外で注意すべき点として、BSEの発生を防止する観点から、牛、豚、シカ、イノシシなどの動物の骨や肉を粉状にしたもの(肉骨粉、肉粉、血粉、皮粉など)をペットフードとして製造、販売することは、原則として禁止されています。

 

● ただし、一定の要件を満たす場合に限り製造が認められていますので、以下をご参照ください。

 

(1) ジビエでペットフード用の肉骨粉や肉粉を製造し、他のペットフード製造事業者へ出荷する方は、こちらを参照してください。

  なお、シカで肉骨粉等を製造し、他のペットフード製造事業者へ出荷することはできません。

 

(2) ジビエでジャーキーや総合栄養食などのペットフードの製造を検討されている方は、製造上守っていただきたい事項をご案内しますので、製造工程等の資料をご準備の上、

事前にこちらまでご相談ください。

 

● 野生獣肉を使ってペットフードを製造する際には、ペットフード安全法を守りましょう。
 製造等に関しては
こちら(外部リンク)をご覧ください。

 

 

 

明治、国産乳製品100%使用のミルクアイス「ディアミルク」発売…砂糖や卵なしで深いコク

読売新聞オンライン

明治が3月27日に発売するアイスクリーム「明治 ディアミルク」

 明治は22日、北海道で製造された国産乳製品を100%使用したミルクアイス「明治 ディアミルク」を27日から関東を中心に発売すると発表した。

 原材料には、独自製法のクリームやコンデンスミルクを使用。

通常、アイスクリームに入っている砂糖や卵などを使っていないものの、長年の知見や技術を生かし、濃厚で深いコクと、後味がすっきりとしたミルク感を実現した。

 原材料が国産乳製品のみというアイスクリームは珍しく

明治は「アイス市場の活性化と、乳製品の消費拡大に貢献したい」としている。

 税込みの希望小売価格は216円。

 

 

うちでは牛乳は、そのまま飲むことはほとんどなく、何か他の味と混ざってる。

まぜるだけカスタードが優秀だった。

 

NIPPNさんから手軽で美味しいカスタードクリームミックスの ...

 

 

ニップン スイーツつくろ!カスタードクリームミックス|商品 ...

 

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りんごカスタード

余ったリンゴ+砂糖+バター+シナモンでレンチン。量はテキトー。

そのリンゴジャムもどきをカスタードに混ぜる。

 

お好きなパンやパンケーキに。

 

粉タイプのカスタードは、その時に欲しい量だけ作れるのが便利。

 

カスタード&ホイップもいいし、

小豆&ホイップも捨てがたい。

ふわふわパンに挟みたい。

余ったフルーツを利用できるし、ホイップクリームは欠かせない。

しかし、絞るだけホイップは、植物油脂中心だった。

あまり、牛乳の消費には繋がらないらしい。

美しい断面にうっとり♪華やかフルーツサンド – めいらく調査隊 ...

 

d8ac487805ffe7e5e5baf4e661dcb6 ...

 

フレンチトースト。

砂糖を混ぜた牛乳をパンにしみこませる。

あまった牛乳に卵を溶いて、パンに絡ませる。

バターなどお好みのモノでプライパンで焼く。

簡単♩絶品『ふわふわフレンチトースト』 | レシピサイトNadia

 

 

 

10 分

簡単!ふわふわしみしみな基本のフレンチトーストです♩

トッピングはシロップやシナモンなどお好みで追加してみて下さいね!!

材料人数:2人分

  • 食パン(5枚切り) 2枚
  • 卵 2個
  • 砂糖 大さじ1
  • 牛乳 150ml
  • バター 10g

 

シリアルを忘れてた。うちではあまり食べないから。

しかし、手間は無い。

フルグラを牛乳以外で美味しく食べる方法10選! – シュフーズ

 

ケロッグ on Twitter: "/ 今日は #牛乳の日 シリアル残り牛乳 ...

 

シリアルに牛乳以外をかけてみない?簡単アレンジやホットも ...

まあ・・夏場なら・・?

お米のポン菓子でも似たような食べ方できそう。

 

無糖】ポン菓子(プレーン) | ポン菓子専門店 大徳

楽天市場】【吉川商店】ポン菓子 お米どす130g(10袋入 ...

 

こめポン - ポン菓子の通販・ギフトをお探しの方におすすめ ...

 

飲むほうが簡単

 

AGF®ラウンジ 「ブレンディ®」スティック 冷たい牛乳で飲む ...

 

楽天市場】ブレンディ 冷たい牛乳で飲む スティック 全種類 24本 ...

アスクル】 味の素AGF 「ブレンディ」 スティック 冷たい牛乳で ...

 

 

牛乳で割るだけ!お店味のラテが作れる「ボス ラテベース」 -- 1 ...

 

ロイドコーヒーオンラインショップ / 牛乳で飲むエスプレッソ ...

100均アイスバッグを使って濃厚カフェオレを作るライフハックが話題

よろず~ニュース

この発想はなかったかも!?

100均アイスバッグでカフェオレ用の氷を作るライフハックがSNS上で注目を浴びている。 【写真】丁寧なイラストでの説明 

「100均で買ったアイスバッグ(使い捨て24枚入り)に無糖アイスコーヒーを入れて凍らせておけば、この先…暑い日に牛乳を注いだグラスにコレを入れてガムシロップを入れれば濃厚なカフェオレが飲めるよ!!なお牛乳めちゃくちゃ消費するから酪農家さんもカフェオレ好きさんもニッコリ(* ´ ▽ ` *)」と投稿したのは海花さん(@nise_kaika)。 

 

― 海花(かいか) (@nise_kaika) March 8, 2023 このコーヒー氷をあらかじめ作っておけばカフェオレが飲みたい時にミルク、ガムシロップを加えるだけで濃厚カフェオレが完成する。冷たいカフェオレを作る際は温かいカフェオレに水で作った氷を入れて作るのが一般的な作り方だが、これならより濃厚で純粋なカフェオレを作ることができる。 SNSユーザー達からは今回の投稿に対し 

「マジか∑(๑ºдº๑)!!便利すぎ」「大好きな氷コーヒーが飲めるから真似したい」

「これは良いですね~☕簡単に手軽で美味しそうですね😍今度やってみようと思います👍」と関心の声が多く寄せられている。

 海花さんにお話を聞いた。

 近藤理菜(以下「近藤」):どのような経緯でカフェオレアイスを発明されたのでしょうか? 

海花:もともとコーヒーを凍らせてミルクに入れる飲み方は知っていましたが製氷器で作ると「型から外しにくい、固まる前にこぼしたりする」

「沢山作るには洗って使わないといけない」

「作った氷をタッパなど容器に入れて置く手間」などデメリットが多かったのですがこの商品で作ったら製氷器を洗う手間もなく重ねて保管出来て楽チンでした。

 近藤:アイスバッグの失敗や使い方の共有で気を付けたことなどございましたらお聞かせください。

海花:思いの外、使ってみたい!って人が沢山居たので、商品の裏の説明文だと分かりにくい所もあるかもしれないから図にしてみようかな。くらいの気持ちで絵を書きました。私も初見で弁が閉じなくてコーヒーを溢すという失敗をしたのでせっかく興味もってくれた人が同じ失敗したら申し訳ないな!という気持ちから注意点なども書きました。 近藤:これまでの反響やコメントについてご感想をお聞かせください。

 海花:バズる。という経験がなかったので「なんで!?」とびっくりしました(笑)お出汁とかのストックにも使える!ってコメントなども頂いて、わ~逆に勉強になる~~!って思いました(笑)こうやって情報交換が出来るのがSNSの楽しい所ですね! ◇◇ 図にはレシピから注意事項まで記載されているので、アイスバッグさえあれば誰でも濃厚カフェオレを作ることができる。現在、日本では牛乳が需要過多になっており、廃棄しないといけない状況。海花さんは「酪農家さん達を応援したい!」という気持ちもあって、このレシピを公開したそう。

ぜひ読者のみなさんにも海花さんのアイデアを実践していただきたい。 

(よろず~ニュース特約・近藤 理菜)

 

 

カルピスは、乳製品なのかどうか、良くわからないが、あまり使ってなさそう。

「カルピス・成分表示」で検索。

価格.com - 『原材料一覧です。』アサヒ飲料 カルピスソーダ ...

 

アサヒ カルピス 巨峰 業務用 L-PACK 原液 希釈用1000ml×6本入り ...

 

楽天市場】カルピス L-PACK 1000ml(常温) 業務用 : 業務用製菓 ...

 

春マックで瀬戸内レモンタルタルのベーコンてりたま

佐藤錦さくらんぼのマックフィズのキャンペーンをやっていた。

直接関係ないんだが、写真貼っときたくて。

マクドナルド“てりたま”2023年新作「瀬戸内レモンタルタル ...

 

瀬戸内レモンタルタルベーコンてりたまを食べた感想 ...

 

マクドナルド】春の風物詩“てりたま”シリーズが本日(3/8)より ...

 

 

再掲フルーチェ

まぜるだけシリーズは強い。(うちでは)

 

 

 

あのフルーチェが和風になった「わふーちぇ」が期間限定で登場 ...

 

 

 

 

フルーチェがサンドイッチに! ファミリーマートで“フルーチェ ...

 

 

フルーチェが変身!しましまカラーのふんわりムース 作り方 ...

 

ご当地フルーチェの素なんかできたら楽しいかも?

フルーチェ | ブランドサイト | ハウス食品

フルーチェの夏仕様! 凍らせて食べる「シャリーチェ」の ...

 

Amazon.co.jp: 【セット品】ハウス フルーチェ 5種セット ...

 

フルーチェで一番おいしいのはどれ?】15種類食べ比べとおすすめ ...

 

業務用もあった。

ハウス食品 フルーチェ 業務用 イチゴ 1kg|業務用食品・食材の ...

 

みんなせっせと食べたり飲んだりしてると思いますよ?

なんで余るんでしょうね?

 

植物の“メッセージ”が昆虫に届かない!? 人間が破壊する自然界の“絆”

現代ビジネス

NHKスペシャル「超・進化論 第1集 植物からのメッセージ ~地球を彩る驚異の世界~」は、第64回科学技術映像祭において内閣総理大臣賞(自然・くらし部門)を受賞!  生命誕生から40億年のあいだに出来上がった生き物の隠れたネットワークやスーパーパワーが、最先端科学で次々と解明されている! 

NHKスペシャル シリーズ「超・進化論」では、5年以上の歳月をかけて植物・昆虫・微生物を取材。そこには常識を180度くつがえすような進化の原動力があった。 書籍化された『超・進化論 生命40億年 地球のルールに迫る』で、最初に紹介するのは「植物」。 

私たちの地球で陸上にいる全生物の重さを足し合わせると470ギガトンにのぼる。

そのうち、人間が占めるのはわずか0.01%。対して植物はなんと95%に達する。 

しかし、植物は知性とはほど遠く、人間よりもずっと下等な存在だと考えられてきた。ところが最新の科学によると植物は、植物同士だけでなく、昆虫などの他の生き物と豊かなコミュニケーションをしていることや、地下に共存ネットワークを築いていることがわかった。ところが今、環境破壊がそれらに大きく影響しだしている。

 連載第1回は<「今、私食べられている!」植物にも動物のように“感覚”があった!  可視化された事実が凄すぎた! >はこちら。

 ---------- 【画像】知られざる地下の世界…木は別の木を助けて生きていた

オゾンの増加や温暖化で植物たちのメッセージに異変が

世界各地の森に設置されている観測タワー。木々が放出する揮発性の化学物質を測定している。森が環境のさまざまな変化に応じて、化学物質を放出していることがわかった。(c)NHK

 世界各地の森には、森から放出されるさまざまな化学物質をモニタリングするための観測タワーが設置されている。東フィンランド大学環境・生物科学部教授のジェームス・ブランドさんがフィンランドの森で、タワーの役割を教えてくれた。  

「このタワーでは、木々が放出する揮発性の化学物質を測定しています。樹冠の高さは植物ごとに異なるので、さまざまな高さで化学物質を捉えられるようにタワーに測定器を設置しているのです。研究の結果、環境の変化を感じた植物が、周囲の他の植物に何かを知らせる化学物質を大量に放出していることがわかってきました」(ブランドさん)  ブランドさんによれば、今、オゾン増加や温暖化などによって植物のコミュニケーションに異変が起きているというのだ。排ガスなどからできるオゾンには、植物が放出したメッセージを分解してしまう作用があるという。 

 「オゾンは植物が発するメッセージである揮発性の化学物質と反応し、分解してしまいます。さらに葉の気孔にも影響し、メッセージを受けとる能力を低下させると考えられます」  オゾンによって植物の声が奪われれば、周りの植物への警報が届かなくなるだけでなく、ハチなどの花粉の運び手を呼べなくなる。

  「温度や湿度に応じて、植物は放出する化学物質を変えるので、温暖化も植物と植物、そして植物と昆虫との関係に影響を与える可能性があります」

 

地下のネットワークが逆に悪い方向に作用する

Photo by iStock

 世界中で今、森林が破壊され続けている。幼少期に人里離れた森の中に住み、木々に囲まれてすごしたというジャスティン・カーストさんが心配するのは、森林破壊による地下のネットワークへの甚大な影響だ。これまで恩恵をもたらしていたはずの地下のネットワークが逆に悪い作用を始め、悪循環に陥る危険性があると言う。  

「菌糸ネットワークの働きは、健全な森では有益であったのに、木々がどんどん死んでいく状況ではコストになります。森林が大規模に破壊されると、地下のネットワークが働かなくなって、若い木が育たなくなるでしょう」(カーストさん)  植物たちのコミュニケーションの遮断、地下のネットワークの機能不全。植物に頼って生きる動物に悪影響がないとは考えられない。もちろんわれわれ人類にも。  

「私たちは自然の一部です。自然に悪影響を与えれば、私たちも悪影響を受ける。だからこそ私たちは自然についてもっと学ばなければならないのです」

 

 次回は<NHKスペシャル「超・進化論」ディレクターが見た、人間が見えていない“生き物たちの別世界”>です。3/20公開です。

NHKスペシャル取材班+緑慎也

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

牛乳問題の論点は二つ。

一つは餌が海外産を輸入で買っているか、国産の循環経済で

安く済ませるかという問題。

こっちは切り替えが進めばむしろ好都合。

しかし、食品の個食化とか、そのまま口に入れられるものが求められ、

レンチンだのお湯だけでいいような「料理をしないで良い食品」

「ただそのまま口に運べばいいだけ食品」だのが

どんどん伸びてしまっていることは、

単に、食品産業のみならず、日本人が何も作れなくなるんじゃないかという

怖さも孕んでいる。

しかし、うちでも「ドリアソース」で簡単にドリアを作ったのだけれど、

これはどうも、乳製品のようなつもりで、全然乳製品じゃなさそうなのだ。

こういう食品には、牛乳は一切使われない。

なんとなく「乳製品を取っているつもり」になる食品だらけで

実はその商品に、牛乳は消費されてないらしいのだ

原材料は「植物油脂」主体。

「脱脂粉乳」だの「クリーミングパウダー」だの

「ホエイパウダー」だのが、牛乳由来の原材料らしく見えるが・・・。

 

なぜ最大4万頭の乳牛の殺処分が必要? 元

農水省官僚「農政の失敗。それを国民が負担」【WBS】

テレ東BiZ

生乳が余り、乳牛の殺処分をせざるを得ない事態に

いま、日本の酪農家が経営の危機にあるのをご存知でしょうか。 北海道の酪農家では、牛乳などの原料となる生乳が余り、廃棄処分をせざるを得ない事態が起きているんです。そのため、国は1日から生乳の生産抑制のため、乳牛の殺処分に対し1頭あたり15万円の助成金を出します。なぜ、こうした事態に陥ってしまったのでしょうか。 日本で最も酪農が盛んな北海道。中でも代表的な酪農地帯が十勝地方です。酪農家からは悲痛な声が上がります。「今後が心配だよ。かわいい牛を殺してお金をもらうなんて」。カメラなしを条件に取材に応じた酪農家は悔しさをにじませました。 新型コロナの影響で生乳の需要減少が長期化。収入は得られず、生乳を廃棄しなくてはいけない事態となりました。さらにウクライナ危機による飼料価格などの高騰でコストは膨らみ、経営危機に陥っているのです。 1月30日の衆院予算委で立憲民主党の逢坂誠二議員は「乳を搾らないでくださいと言われている。加えて乳をまだ搾れる牛を減らしてくださいと言われている」と発言。岸田総理は「どういったことが可能なのか。農水省に検討させる」と答えました。 しかし、国は、生産を抑制するために3月以降、乳牛を処分すれば1頭当たり15万円の助成金を出す政策をスタート。22年度の補正予算に50億円分を計上し、年間で最大4万頭の処分を見込んでいます。 

なぜこうした事態に陥ったのでしょうか。

元農林水産省の官僚であるキヤノングローバル戦略研究所の山下一仁氏によれば、問題の発端は10年ほど前にさかのぼると言います。 「酪農業界、政府も含めて乳製品の需給調整に失敗した。2014年にバター不足が起きた。足りなければ自由に輸入するのが普通だが、政府は輸入を制限した」 2014年ごろから起きたバター不足。輸入ではなく国産のバターを作るよう、政府は生乳の生産量を増やすための設備投資などに補助金を出し、後押し。多くの酪農家がこれに応える形で生乳の増産に踏み切ったのです。 山下さんはこの判断が間違いだったと指摘します。 「酪農団体は乳製品の輸入に反対。輸入しすぎると牛乳の供給が増えて価格が下がる。そうすると酪農家が大変となり、農水省は批判を受ける。その批判を受けないようにするために十分なバターを輸入しなかった。(国産バターを増やす政策の結果)生乳が余った、したがって牛を淘汰する、税金を使えばいい、ではない。国民が税金を払って需給調整の失敗を国民が負担している。本当はやってはいけないことだ」 山下さんは酪農業界の変革の必要性を訴えます。 「根本的な政策は酪農業界の体質を強化して、価格やコストを下げて世界と張り合うことができるように競争力ある農業、酪農をつくることだ。今の農政はそんなこと全く頭にない」 

※ワールドビジネスサテライト

 

>そもそも約10年前に国内のバター不足が問題がした時に、酪農家は農水省が輸入増やそうとしたとこに大反対し、農水省はそれに応じる形で増産する農家に助成金を出した。 濡れ手に粟で助成金手にして今まで商売して、供給過多になってきたら助成金で牛処分って、税金なんだと思ってんだ? 農水省はまず自らの過ちを反省しろ。

 牛乳も乳牛も廃棄する前にJAPANブランドとして輸出できるような商品開発しろ。 そんな体たらくだから省庁イチの雑魚省って言われるんだよ。

 

で、今年の牛乳廃棄と赤字酪農家は、

ただ、輸入飼料を使っていて、放牧などしていないので、

輸送費を込めた餌代が高騰しているだけ。

酪農業界でも、国内で生産した飼料やら放牧をしているところは

特に困ってないのはテレビでもよく見る。

 

ただ、それよりも、うちのような「牛乳は飲まないが、乳製品はよく使っている」という場合に、料理やらスイーツ作りに使っていた牛乳(低脂肪乳だが)を消費する機会が減ったことのほうが大きいのではという気がする。

クリームスープやシチュー、グラタンなども、カップだのレトルトだの、

牛乳を使って手作りすることが減った。

個食化とか、個包装だので簡便に使えるようになった分、買って済ませてしまう。

スープを作る際の牛乳は要らなくなり、お湯で溶くだけで済んでしまうようになり、

いよいよお店の棚にも、お湯だけのカップスープしか置かれなくなった。

料理をせず、お湯だけ、レンチンするだけで食べる人、個食化とか長期保存が利く食品などが増えて、プリンなどのスイーツも買って済ませてしまう。

家庭の料理に使われる分の牛乳は、かなり消費が減ったのかも?

 

もとは鍋で煮込む四人分800CCのポタージュスープを作るのに、

牛乳が200CC必要だった。

Amazon | 味の素 クノール スープ ポタージュ 4人分 ×10個 ...

 

しかし、カップスープだとお湯で溶くだけで手間もない。

たいていの売り場の棚には、もうカップスープしか置いてない。

そして牛乳は使われない。

全国の家庭のポタージュで、牛乳が消費されなくなってきた。

 

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クリーム類にはどのような種類がありますか? | 乳と乳製品のQ&A ...

 

フルーツサンドを作るには欠かせないホイップクリームも

なんとなく乳製品だと思っていたら、植物油脂が中心だった。

みんな、甘い物は食べたいが、カロリーは抑えたいからだろう。

コンビニで毎日消費されるフルーツサンドのホイップクリームだけでも

全国では凄い量だろうに。

フルーツサンドのレシピ

 

スカーフード ホイップdeキャラメル 600ml|業務用食品・食材の ...

ディズニー しぼるだけホイップ -イオンのプライベートブランド ...

dショッピング |冷凍 ホイップクリーム 1000ml 1L 5本 VPS 冷凍 ...

 

 

ホイップ&ホイップ(V) 【八面六臂】

 

らくらくホイップ | 商品情報 | TORAKU トーラク株式会社

 

甘さひかえめ らくらくホイップ 250ml | 一般食品,スウィーツ ...

生クリームとホイップクリームの違いは?代用は?使い方や特徴を ...

 

乳製品を使っていない豆乳入りホイップ│スジャータめいらくグループ

 

もちもちシューからあふれ出すクリームにおぼれそうな新感覚の ...

アイスクリームなんか冬でも食べるのが当たり前になったほど、

消費は増えてると思うのに

そこにはどうも牛乳は使われることはないらしい。

 

賢いアイスクリームの選び方 糖尿の人は知っておいてください ...

 

アイスクリーム アイスミルク ラクトアイス違いは?ソフト ...

爽チョコ&バニラ BLACK & WHITE(ラクトアイス)|ロッテ | ぬふふ.com

 

 

こういう国内産の乳製品材料を使っているという表示は滅多にない。

地産地消製品だったら、牧場が作っているアイスなんかは見たことがある。

もちろん高いが。小岩井農場ではソフトクリームを食べた。

ラクトアイスって安物なの? | 田中畜産

 

人気チョコレート菓子 ブラックサンダーがいかに売れているかという特集があった。

全粉乳 脱脂粉乳 ホエイパウダー などが使われていて、その消費量は凄いだろう。

しかし、国内生産の牛乳は、このような大量消費の菓子類の原材料にはなってない。

お菓子の箱には、脱脂粉乳と書いてある物だらけなのに。

チョコ感2倍」となって新生した「ブラックサンダーひとくち ...

 

牛乳だけ作って、それを飲んでくれというよりも、

こういう最終形態の製品、つまり農業でやったような六次化くらい、

酪農もすべきなんだ。

日本の脱脂粉乳(スキムミルク)はあまり売れず高いまま。

高いからなお売れない。

企業に日本の脱脂粉乳を使ってくださいといったところで

安い海外製を使うに決まってる。

牛の餌すら海外産になってるのに。

パンが最近、国産小麦の比率を増やすと発表していたが。

 

子供のおやつで使われる牛乳製品もこのくらいしか・・。

ホットケーキにプリン、そしてフルーチェ。

プリンエルは牛乳400CCを使う。

お母さんが外で働いている場合、そのまま一人分を与えられるほうが、楽なのだ。

プリンなりヨーグルトなり、アイスなり。

 

Amazon.co.jp: ハウス食品 プリンエル 60g : 食品・飲料・お酒

 
プリンエル 60g | オーケーネットスーパー 食料品・日用品が ...

デザート/商品一覧/フルーチェ | 商品カタログトップ | ハウス食品

Amazon | ハウス フルーチェ Sweets マンゴー杏仁 150g×5個 ...

 

オジサンたちも、お昼のデザートに、アイスではなくフルーチェ食べてくれたら、

牛乳の消費量は増えますが?

200CCで4人分として、1リットルパックでは20人分になる。

どこかの事業所のお昼にフルーチェ採用とか、牛乳1リットル用のフルーチェを

ハウス食品に開発してもらうとか、コラボ商品とか。

混ぜるだけだから、個包装フルーチェだってすぐにできそうなのにな。

 

乳牛のエサ代は5割増… 地産地消で解消へ!タッグを組んだのは“稲作農家”「永続的な農業を」【新潟】

物価高騰の中、牛乳の値上がりも家計に重くのしかかっていますが、その背景にあるのが、乳牛の餌の価格上昇です。 こうした中、新潟県新発田市では、酪農家と稲作農家が協力し、餌の地産地消に向け、動き出しています。 

【杉本一機キャスター】 「ウシたちの食事の時間です。食欲旺盛に餌を食べていますが、この餌の値上がりが酪農経営に打撃を与えています」 

【尾田牧場 尾田拓志さん】 Q.どれくらい餌を食べる? 「(1頭あたり)1日に25kg以上は食べる」 新発田市豊浦地区で約70頭の乳牛を飼育する尾田拓志さんの牧場では、去年の餌代が4500万円ほどに上り、以前と比べ、5割近く上がりました。 乳牛の餌は多くを輸入に頼っていて、ロシアによるウクライナ侵攻や円安の影響を大きく受けています。 

【尾田牧場 尾田拓志さん】 「私たち生産者で、11月から牛乳を10円近く上げたが、それでも追いつかない」 経営維持のため、安定した価格で餌を入荷することが急務となる中、尾田さんが手を組んだのが、同じ豊浦地区の稲作農家です。 

【アシスト二十一 木村清隆さん】 「もともと昨年はコメを栽培していた。今年度はトウモロコシを栽培する」 農業法人の代表・木村清隆さんは、主に主食用のコメを作っていますが、酪農家の尾田さんの要望を受け、去年から田んぼの一部を乳牛の餌になるトウモロコシの畑に転換しています。 その背景には、稲作農家の悩みもありました。

 【アシスト二十一 木村清隆さん】 「農業者の高齢化が進んでいて、田んぼの集積が進んでいる。それを同じコメ作りだけになると、忙しい期間が限られている中で、多い面積を作業しなきゃいけないのは、かなり負担になってくる」 こうした中、互いに助け合おうと、尾田さんや木村さんなど、地域で酪農や稲作を営む5つの団体が去年、新たな組織「新発田コントラクター」を発足。 この新組織を中心に、農家側はトウモロコシや飼料用の稲を生産。酪農側はそれを牛の餌に利用する一方、牛のふん尿を堆肥にして農家側に供給します。 酪農側は安定した価格で餌を確保できるほか、費用をかけて処分していたふん尿を有効活用できる一方、農家側は化学肥料に代わる堆肥を安価で入手できるほか、主食用米からの転換により、収穫など時期が集中していた作業の分散を図ることができます。 試験的に生産した餌を牛に与えたところ、乳量の向上が見られるなど、手応えを感じているという新たな取り組み。 

【尾田牧場 尾田拓志さん】 「酪農家が餌高で廃業になってしまえば、誰も牛乳が作れない。協力して、良い餌を確保して、ずっと続けていけるようにやっていきたい」 【アシスト二十一 木村清隆さん】 「次世代に残せるスタイルを確立できれば、農業者全体の若返りも図れるでしょうし、永続的に農業を残していきたい」 厳しい環境に負けない持続可能な農業へ生産者たちが知恵を絞っています。

NST新潟総合テレビ

 

 

「堆肥ペレット」製造販売へ 環境保全資源リサイクル 鹿児島県・奄美初、徳之島町堆肥センター

 

奄美新聞

徳之島町堆肥センターに導入された「堆肥ペレットマシーン」=5日、同町徳和瀬

 【鹿児島県・徳之島】徳之島町は、環境保全型資源リサイクル装置整備事業(町単独事業)で、同町堆肥センター(同町徳和瀬)に「ペレットマシーン」一式を導入。完熟牛ふん堆肥などの有機物を円筒形状に圧縮形成する「ペレット堆肥」の製品化を進める。高騰した化学肥料コストの軽減や積極的な有機物投入による土づくり、生産性、農家所得の向上を目指す。  同町堆肥センター(指定管理者・㈲南国パワー)は、サトウキビのバガス(搾りかす)やハカマ(枯れ葉)、肉用牛生産に伴う牛ふん、焼酎廃液など副産物の有機物を主原料に年間平均約2500㌧の粉末堆肥を製造。町内の農家などに販売供給(一部町助成)を続けている。  一方では、雨天時には粉末の堆肥散布車(マニアスプレッダー)がほ場に入れず管理作業が遅延。そして、化学肥料の価格高騰が農家に大きな打撃を与えている現状にある。 

 環境保全型資源リサイクル装置整備事業としての「堆肥ペレット」商品化は、奄美群島では初の試みという。徳之島町ふるさと思いやり基金(ふるさと納税)財源を活用。町堆肥センター施設内に、堆肥用ペレット製造機器(ペレットマシーン)一式を導入設置した。総事業費は約1500万円。  5日午後、関係者を招いて機器の完成・試運転を披露した。完熟牛ふん堆肥の原料をふるい装置で一次処理し、造粒設備でペレット化(直径約6㍉、長さ約10㍉)する製造工程を公開。町当局によると、従来の耕うん機や小型トラクター装着型、背負い式の施肥機(器)が利用でき、緩効性で施肥効果が長いこともメリット。  今後、成分分析や商標登録を進め、今年秋ごろから小口販売を始め、来年のサトウキビ春植え期からの本格販売を目指すという。価格は1袋(15㌔)当たり「農家負担の少ない千円以内を検討したい」。  高岡秀規町長はあいさつで「非常に上質な堆肥ができると期待。ウクライナ問題などで価格が高騰しているが、世界的に化学肥料を一番使っているのは日本と言われている。リサイクル、カーボンニュートラルも含めて豊かな土を子や孫に残そう」と強調。  県堆肥コンクール・最優秀賞にも輝いている㈲南国パワーの東政宏社長(66)は「一番のメリットは施肥作業がしやすいこと。農作物を適正管理することで農家の所得が向上。化学肥料は約1・5倍に高騰しており、少しでも地場産で供給できたらと思う。雇用促進にもつながる」と話した。

 

汚水処理からバイオガス発電 奄美市 財源負担なく売電収入

南海日日新聞

バイオガス発電事業の調印書に署名した(右から)安田奄美市長と月島機械福岡支店の林支店長=9日、鹿児島県奄美市役所

 鹿児島県奄美市と、上下水道処理など水環境処理関連の事業を展開する月島機械(本社東京都中央区)は9日、同市名瀬の汚水処理場「名瀬浄化センター」で発生する消化ガスを燃料として発電し、売電する「バイオガス発電事業」の契約を締結した。10月までに処理場内に関連施設を整備し、発電を始める計画。市の財源負担はなく、売電に伴い20年間で約5千万円の収入が見込まれる。同日、市役所で調印式があり、安田壮平市長は「捨てるモノから生み出すモノへ」と述べ、官民連携を強調した。  バイオガス発電は、メタン発酵させた排せつ物や汚泥などから発生する「バイオガス」を燃料にした発電手法。月島機械はこの仕組みを活用した施設の設計、建設と運営などを手掛けており、2022年度までに累計25の県や自治体と事業を締結、うち19件がすでに稼働している。  同社との事業締結は、県内自治体では奄美市が初めて。新設する発電施設の整備・管理費用を月島機械が全額負担し、再生エネルギーの固定価格買取制度による売電収入を同社と市で分ける。  名瀬浄化センターは建設から40年が経過。人口減少に伴う収入減や施設の老朽化が進み、維持管理費の財源確保が課題となっている。事業実施で、これまで焼却処分していたガスを有効活用し収入につなげられるほか、地球温暖化対策や再生可能エネルギー普及、地域の環境意識醸成などの効果も期待される。  

調印式には、安田市長と月島機械福岡支店の林伊知郎支店長ら関係者10人余りが出席。安田市長は「厳しい経営状況が続く下水道事業の財源確保に限らず、持続可能な循環型社会の構築に資する事業。より良い生活環境の実現につなげたい」と語った。

 

 

 

 

 

≫同社の主力商品の原料は、酪農家やJAから買い取った「牛の尿」だ。これまで牛飼いにとって産業廃棄物でしかなかった牛の尿は、独自の発酵技術によって無害化され、人にも動物にも環境にも優しい液体に生まれ変わる。 窪之内はこの液体を「善玉活性水」と名付け、消臭液や土壌改良材として製造・販売している。 この液体を排水口や生ゴミ、ペットのトイレなどに吹きかけると、嫌な腐敗臭やアンモニア臭がしなくなる。土にまくと植物の生育がよくなる。

前人未到のアップサイクルだといっていい。

 

 

 

牛乳は捨てるほど余っているのに、なぜ値上げなのか…平均所得1000万円超の「乳牛農家」をめぐる深い闇

プレジデントオンライン

図版=筆者作成

輸入飼料の高騰で「酪農家が苦境にある」との報道が相次いでいる。キヤノングローバル戦略研究所の山下一仁研究主幹は「酪農家の平均所得は2015年から2019年まで1,000万円を超えて推移している。もっとも高かった2017年は1,602万円、100頭以上をもつ乳牛農家は北海道で4,688万円、都府県で5,167万円だった。数年前まで輸入飼料は安く、酪農経営はバブルだった。バブルがはじけたからといって、国民に助けを求めるのはフェアではない」という――。 【図表】飲用牛乳向け乳価の推移 

 

■捨てるほど余っているのに、なぜ値上げなのか  

「酪農家が大変だ」としきりに報道されている。  国際的な穀物相場が高騰してエサ代が上昇しているうえ、乳製品(脱脂粉乳)が過剰になって余った生乳を廃棄したり、減産せざるを得なくなっているというのである。1月23日のNHKクローズアップ現代は、「牛乳ショック、値上げの舞台裏で何が」と題して報道していた。しかし、生乳は捨てるほど余っているのに、なぜ乳価は上がるのだろうか?   供給が多ければ価格が下がるというのが経済学だ。これについて、クローズアップ現代は、何も答えていない。経済の基本原理に反した動きがあるときは、必ず人為的な力が働いている。それを明らかにしなければ、問題の真相に切り込んだことにはならない。

 

 ■牛乳(加工乳)=水+バター+脱脂粉乳  問題の真相を理解するには、まず「牛乳」という商品について知る必要がある。  

牛乳は面白い商品だ。水を取るとバターと脱脂粉乳ができる。できたバターと脱脂粉乳に水を加えると、元の牛乳に戻る。これは“加工乳”と表示されているが、牛乳と成分に違いがあるわけではない。  生乳からバターと脱脂粉乳が同時にできる。これが生乳と乳製品の需給を複雑なものにする。2000年に汚染された脱脂粉乳を使った雪印の集団食中毒事件が発生して以来、脱脂粉乳の需要が減少し、余り始めた。

脱脂粉乳の需要に合わせて生乳を生産すると、バターが足りなくなる。

2014年のバター不足の根っこには、この需給関係がある。

 

■バター不足を招いた農林水産省による輸入制限  

当時、日本ではバターが足りなくなったが、世界では余っていて価格も低迷していた。国内の不足分を輸入しようと思えば、安い価格でいくらでも輸入できた。  

それが輸入されなかったのは、制度的にバター輸入を独占している農林水産省管轄の独立行政法人農畜産業振興機構(ALIC)が、国内の酪農生産(乳価)への影響を心配した農林水産省の指示により、必要な量を輸入しなかったからである。

なぜ農林水産省はALICに輸入させなかったのだろうか?   

バターを間違って過剰に輸入して余らせると、それを国内で余っている脱脂粉乳と合わせて加工乳が作られる。牛乳市場で加工乳を含めた供給が増える。これだけでも価格の下げ要因となる。  さらに、問題を複雑にするのは、農林水産省の制度によって、生乳価格は一物一価ではなく、バターや脱脂粉乳の原料となる「加工原料乳」の価格は「飲用牛乳向け」の価格より33%も安いことだ。このため、もともとは加工原料乳を原料とする加工乳のコスト・価格は飲用牛乳より安くなる。安い加工乳が多く出回ると、飲用牛乳の価格も下げざるをえない。  当然乳業メーカーは乳価の引下げを酪農団体に要求する。そうなると、酪農団体や農林族議員は農林水産省にバターを輸入しすぎたせいだと批判する。かれらの気分を害すると出世できなくなることを恐れて、役人は十分な量のバターを輸入させない。酪農団体も乳製品の輸入に反対し続けてきた。 ALICではなく自由な民間貿易に任せていれば、十分な量が輸入され、バター不足は起きなかった。結果的に多く輸入されても、バターや生乳の価格が下がるだけで消費者は困らない。

 

 ■「生乳廃棄」は酪農団体が自ら招いた問題  

脱脂粉乳の在庫が増大し、生乳を廃棄したり、生乳生産を減少したりしなければならなくなったことを、酪農家は国の場当たり的な政策のせいだと言う。  バター不足の後、農林水産省は、バターの供給が足りなくならないよう、酪農団体に生乳生産増加を指導した。バターの需給が均衡すると、脱脂粉乳が過剰になり在庫が増大した。そこで今度は減産を指導している。  脱脂粉乳が過剰にならないようにすれば、国産ではバター全てを供給できないので、不足分を輸入すればよい。しかし、輸入には酪農団体が反対する。このため、農林水産省がバターを全て国産で供給できるよう生乳生産増加を指示した結果、脱脂粉乳が過剰になったのである。  酪農家なら、乳製品の需給関係も理解すべきである。増産と減産を繰り返したくないなら、一定量のバターの輸入を認めるしかない。自らの政治活動が生乳廃棄、減産を招いたのだ。

 

■生産過剰なのに上がり続ける生乳価格  

生乳価格(飲用向けと加工原料乳を加重平均した総合乳価)は2006年以降大きく上昇している。 さらに2022年11月には、酪農団体と乳業メーカーの交渉で決まる飲用牛乳向けの乳価が1キログラム10円、8.3%引き上げられた。バター用など加工原料乳の価格も10円、12%引き上げられた。加工原料乳への政府補給金も、同年12月4.3円、5.2%引き上げられた。デフレと言われる時代に、乳価は2007年に比べ5割も高い。負担しているのは消費者である。現在、酪農団体はさらなる引き上げを要求している。  過剰なのに価格が上がるというのは、農産物需給についての通常の経済学では説明できない。それなら市場外で何か別の力が働いているはずである。 

 農政は似たようなことを経験している。食管制度時代の米価である。この時、政府は生産者から米を買い入れ、その際の価格を政治的に決めていた。JA農協の大政治運動で米価を上げたので、米の過剰が生じ減反政策を実施せざるを得なくなった。しかし、生産を減少させる減反政策を行いながら、生産を刺激する米価引き上げを同時に行っていたのである。このときは、一定の米価を前提として、それを維持するよう生産を減少・調整した。農産物市場で供給が変化するなら、価格が変動して需給を調整するのに、この場合は価格を固定して数量で調整したのである。

 

 ■価格を維持するために量を調整している  

生乳の価格決定は、乳業メーカーと生産者団体の連合体との交渉で行われる。その舞台裏で、どのような動きがあるのか、部外者にはわからない。しかし、乳業、酪農、農林水産省、農林族議員は、利益共同体である。乳価交渉で、乳業メーカーが政治的な意図を忖度(そんたく)しないとは言えない。かれらは、バター不足の際の農林水産省の行動を理解できたはずだ。  まず乳価水準を決める。乳業メーカーは、生産した脱脂粉乳等の在庫を調整することで、脱脂粉乳等が過剰に供給され、その価格が低下しないようにする。今回も脱脂粉乳は過剰となって在庫が増えているのに、価格は下がっていない。これは極めて重要なポイントである。  

乳業メーカーとしては、過剰在庫による倉庫料の負担を減少しようとするなら、脱脂粉乳の価格を大幅に引き下げて在庫を一掃すればよい。安い脱脂粉乳から無脂肪乳や低脂肪乳などの加工乳が安く作られる。安価な加工乳の需要が増えれば、飲用牛乳の価格も下げざるを得ない。そのときは生乳価格(乳価)を酪農団体と交渉して下げればよい。

 

■酪農・乳業村の利権を「税金」で守る仕組み  

しかし、このような経済合理的な活動を行うと、酪農団体や農林水産省と全面的に対立する。逆に生乳供給が逼迫(ひっぱく)するときに、自分の会社に酪農団体から生乳を回してもらえなくなるかもしれない。特に、全生乳の6割を占めるとともに加工原料乳のほぼ全てを生産している北海道の酪農団体、ホクレンが生乳供給で持つ独占的な力は巨大である。  無理をしなくてもよい。乳価引下げと言わなくても、農林水産省は過剰在庫解消の手段を講じてくれる。今回は、WTO違反の輸出補助金まで検討してくれている。それでもダメな場合は、酪農団体が乳価維持のために生産調整(減産)してくれる。もちろん農林水産省も乳牛淘汰(とうた)などの補助金を交付してくれる。これで、酪農・乳業村すべての関係者の利益を守ることができる。このコストを負担しているのは納税者だが、酪農・乳業村としてはあずかり知らぬことだ。  

価格を維持するために数量で調整するやり方は、食管制度以降の米政策と同じである。こうして、生乳が廃棄されても乳価は上がる。

 

 ■畜産部を畜産局に昇格させた農林族議員  

農林水産省が酪農に牛舎、搾乳施設(搾乳ロボットなど)、農業機械などを補助してきたのは、酪農生産の効率化を図り、コストを下げて消費者に利益を還元するとともに、WTOやTPPなどの関税削減交渉にも対応できるようにするためだった。ところが2007年以降乳価は下がるどころか上昇している。  第1次安倍内閣の2007年には、米政策でも大きな変化が起きた。生産者への減反目標を国が配分するのをやめてJA農協に任せるという改革〔安倍首相(当時)が2014年に減反廃止と言ったのと同じ内容〕を、自民党農林族議員がひっくり返したのだ。これ以降、農林水産省は農林族議員に反抗できなくなった。  

今の農林族議員の中心は畜産族である。彼らは、畜産部を畜産局に昇格させた。畜産族の圧力は陰に陽に乳価交渉に影響する。被害者は、納税者として酪農家に補助金を払いながら、消費者としてより高い牛乳乳製品を買わされる国民である。

 

■日本の酪農はアメリカ産穀物の加工工場  

トウモロコシなど穀物の国際価格が上昇して、それを飼料として使う酪農経営が苦しくなっていると報道されている。多くの人は広い草原で草を食むクリーンな牛をイメージして、酪農家にも親近感や同情の念を持つ。しかし、放牧されている牛は2割に満たない。ほとんどはアメリカ産の輸入穀物を主原料とする配合飼料を食べている。

土地が広い北海道でも配合飼料依存が高まっている。栄養価が高いので乳量が上がるからだ。 

 1961年に農林省は“農業基本法”を作った。狙いの一つは、食生活が洋風化する中で、米から、需要が高まる、野菜、果樹、酪農・畜産へ農業を転換させることだった。もう一つは、農家当たりの規模を拡大してコストを下げ、工場労働者と同じくらいまで、農家の所得を向上させようというものだった。  

基本法に支えられ、酪農は発展した。60年間で生乳生産は200万トンから760万トンに4倍も増加した。酪農家戸数は40万戸から1万3000戸へ30分の1に減少したので、一戸当たりの規模は実に120倍に拡大したことになる。  

しかし、拡大の仕方がイビツだった。規模を拡大するために、草を食べる反芻動物である牛の飼養頭数を増やすなら、草地を増やさなければならない。それが困難な都府県では配合飼料を与えるようになった。  北海道では、草地面積は、1960年の6万3000ヘクタールから1995年に54万ヘクタールに増加した。しかし、その後減少し続け、2020年には50万ヘクタールとなっている。1980年代後半以降、北海道も、配合飼料の使用量を増やすことで、飼養頭数を拡大した。手っ取り早く収益を上げられるからだった。これによって、北海道の酪農収益も、トウモロコシ価格と連動するようになってしまった。  日本の飼料産業は、輸入トウモロコシなどに飼料添加物を加えた“配合飼料”を製造し、畜産とともに大きく発展した。原料のトウモロコシは関税なしで輸入しているのに、なぜか配合飼料価格はアメリカの倍近くもしている。JA全農はアメリカ・ニューオーリンズに巨大な穀物エレべーターを所有し、アメリカ産穀物を大量に日本に輸出している。日本の酪農品や畜産物はアメリカ産穀物の加工品である。本籍はアメリカだ。これがJA農協が広告する“国産国消”の姿である。 

 

■100頭以上の乳牛がいると平均所得は4000万円以上  

乳価が上昇したうえ、北海道の生乳生産量は、バター不足が問題となった2014年の381万トンから2021年は427万トンへ、全国は733万トンから765万トンへ増加している。  乳価も生産量も上昇したのだから、価格に生産量を乗じた売上高は増加した。また、酪農家の副収入であるオス子牛価格は、通常3万~5万円ほどだった。

それが牛肉価格の高騰で、2016年から最近まで10万円から15万円と過去最高水準の高値で推移してきた。  酪農家の平均所得は2015年から2019年まで1000万円を超えて推移している。最も高かった2017年は、酪農家の平均で1602万円である。この年100頭以上の牛の乳を搾っている階層は、北海道で4688万円、都府県で5167万円の所得を上げている(農林水産省「農業経営統計調査」)。つまり、酪農経営は数年間バブルだった。そのバブルが昨年はじけただけなのだ。 穀物の国際価格の上昇もオス子牛価格の低下も、国が招いたものではない。  

輸入飼料依存の経営を選択した酪農家が、輸入穀物が安く平均的な酪農家でも国民の平均所得の3~4倍を稼いでいた時には黙って、穀物が高くなると苦しくなったといって国民(負担するのは納税者)に助けを求めるのは、フェアではない。これに補塡(ほてん)するのは、株式投資で失敗した人に損失補塡するのと同じである。 

 日本の乳価は欧米の3倍、1頭当たりの乳量も世界最高水準だ。それなのに、1年だけの飼料価格上昇で離農者が増加するなら、今の酪農は見直すべきではないのか。輸入穀物依存の酪農は、輸入が途切れる食料危機の際には壊滅する。食料安全保障上、何の意味もない。大量の糞尿を穀物栽培に還元することなく国土に窒素分を蓄積させている。経済学的には保護ではなく課税すべきだ。

 

■日本の酪農は牛にも残酷  

牛に草ではなく穀物を食べさせるために、放牧ではなく舎飼いとなる。規模の小さい酪農家では、牛は「スタンチョン」という首輪やひもで一日中牛舎の狭い場所につながれている。体を固定されてエサを食べさせられているだけである。歩くことさえ許されない。こういう状態の自分を想像できるだろうか?  国際獣疫事務局(OIE)は、つなぎ飼いされている牛は福祉問題のリスクが高いので、十分に運動させるべきだとしているが、日本では放牧地や運動場に牛を放さない経営が多い。  規模の大きな農家では、ある程度のスペースでつながれずにまとめて飼育されるが、コンクリートの上を少し歩けるというだけである。また、コンクリートの上におがくずやもみなどの敷料を薄くまいただけの場所で寝ている。アスファルトの道路の上で、人が寝るようなものである。これが生涯続く。かなりの牛は足を痛め、跛行など歩行が困難となる。起立不能になる牛もいる。  牛も出産しないと乳を出さない。一般には、人工授精して妊娠・出産させる。栄養価に富んだ「初乳」を生まれたばかりの子牛に飲ませるだけで、すぐ子牛を母牛から引き離す。母牛からできる限り多くの生乳を絞るためである。これに対して、肉用牛の場合には、母子分離は早くて産後1カ月経ってからである。  この早すぎる母子分離は、母牛、子牛ともに大きなストレスになる。子牛は母牛の乳首を吸うことができないため、水を入れたバケツの取っ手をなめたり、一頭だけ入れられた狭い囲いの鉄柵をなめたりを繰り返す。引き離された子牛は輸入された安い脱脂粉乳を飲まされる。  

酪農家は、子牛用の脱脂粉乳の輸入には反対しない。母牛が子牛を舌でなめるグルーミングを受けた子牛ほど発育が良い。しかし、生まれてすぐ子牛を母牛から引き離せばグルーミングはできない。これは、アニマルウェルフェアに反している。 

 

■国土に立脚した放牧型酪農に転換せよ  

本来酪農は土地に根差した産業だ。少数だが草地に放牧する酪農が日本にもある。アニマルウェルフェアの要請にもかなっている。草を食べる反芻動物の牛に狭い牛舎で穀物を食べさせることが良いのか?  

出産後すぐに母牛から子牛を引き離すことはアニマルウェルフェアからも好ましくない。 海外の穀物に依存する酪農がいかに危ういものかは、今回よくわかったはずだ。政府が行うべきは、国土に立脚した放牧型酪農への転換である。 

---------- 山下 一仁(やました・かずひと) キヤノングローバル戦略研究所研究主幹 1955年岡山県生まれ。77年東京大学法学部卒業後、農林省入省。82年ミシガン大学にて応用経済学修士、行政学修士。2005年東京大学農学博士。農林水産省ガット室長、欧州連合日本政府代表部参事官、農林水産省地域振興課長、農村振興局整備部長、同局次長などを歴任。08年農林水産省退職。同年経済産業研究所上席研究員、2010年キヤノングローバル戦略研究所研究主幹。著書に『バターが買えない不都合な真実』(幻冬舎新書)、『農協の大罪』(宝島社新書)、『農業ビッグバンの経済学』『国民のための「食と農」の授業』(ともに日本経済新聞出版社)、など多数。近刊に『日本が飢える! 世界食料危機の真実』(幻冬舎新書)がある。 ----------

 

キヤノングローバル戦略研究所研究主幹 山下 一仁

 

 

商品情報 書籍

 

書籍〕 幸せな牛からおいしい牛乳 / 中洞正 コモンズ :70002 ...

なかほら牧場・グラスフェッドバター(100g) | 安心堂 食の ...

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幸せな牛からとれた牛乳で作る濃厚ソフトクリーム - なかほら牧場

岩手県岩泉町にある中洞牧場(なかほら牧場)は130haの広大な山で全国的に希少な通年昼夜放牧し、ジャージー牛を中心に飼育。搾乳時以外は完全自然放牧・完全放牧です。
山に放牧する「山地酪農」はウシたちにとって健康的。
さらに一般的な穀物飼育ではなく希少なグラスフェッド(草飼育)なので、牛乳はグラスフェッドミルクと呼ばれ、有機栽培や自然栽培、オーガニック志向の方から注目されています。

マツコの知らない世界や満天青空レストラン、がっちりマンデーなどで紹介されました。
「アニマルウェルフェア(動物福祉)」の国内認証も受け、ウシたちに優しい牧場として専門家からも脚光を浴びています。

そんななかほら牧場をつくった創設者・中洞 正による、牧場の運営方針をタイトルにした初の著書です。
酪農の実態、自然放牧の素晴らしさで話題になりました。

 

 

>日本の酪農の歴史と現状について(2007年時点ですが)、

とてもわかりやすく書かれています。
この本を読んで初めて知ることばっかりでした!
個人的には、牛乳は濃いほうがいいとも思ったことがなかったので、
当時濃い牛乳でないと売れないという理由で、自然放牧から牛舎での密飼いの形態へかわっていったということは驚きでした。農協の独占のことも知りませんでした。。

普段買っている牛乳のパッケージに描かれた、広々とした牧場にいる
牛からとった牛乳はごく僅かしかないという現実・・。知ってる人はそう多くはないのでは
ないでしょうか。
著者が仰るように、日本の使われていない森林資源と酪農が結びつけば、とても
いいと思います。林業も廃れて、せっかく日本に豊富にある森林資源が使われずに荒れていくのはもったいないです。
日本でも、もっと家畜福祉に関する意識が高まって、こうやって丁寧に牛を大事にして作られる牛乳が高く評価されるようになればいいのになーと思います。
安い牛乳を毎日飲むよりも、多少高くてもこういう牛乳を週に2、3回飲むほうがいい!という気にさせられる本でした。おすすめの1冊です☆

 

>思わずうなってしまうほど素晴らしい本です。

というのも、単に日本の酪農の問題を個別に論じるだけではなく、人間の開発した技術がなぜこの歪んだ社会を作ったのか、その本質を見事に看破しているからです。しかも、著者は自らその歪みに挑戦し、実績を出し、そして今後の日本における酪農の青写真まで提示しているから本当に驚きです。自然農ならぬ自然放牧は、「牛が開く牧場」(斉藤晶、地勇社)が有名ですが、中洞さんは、その実践をさらに発展させています。
 
 人間とはおかしなもので、経済効率至上主義を謳いながら、実はまったく不経済なシステムでエネルギーを無駄にしています。その原因は、人間の勝手な都合から自然の摂理を無視することにあるでしょう。この本を読んでみると、日本の酪農を例にそのことがよくわかります。

 例えば、子牛は生後5‾6日しか母乳を飲まされず、すぐに母牛から引き離され人口乳で育てられます(これに肉骨粉が含まれていた)。そして、人間に危害を加えるという理由から、生後1‾2ヶ月で角を切られ、傷口を電気ごてや薬品で焼かれます。また、狭い牛舎に過密状態で生活をさせられ、乳量と脂肪分を上げるため高たんぱく高カロリーの濃厚飼料が与えられます。しかも、発情させるためのホルモン剤の注射や人工授精で常に妊娠させられて搾乳を強いられるのです。そのため僅か5‾6年(本来は20年程度)で廃牛となるそうです。牛固有の生理・習性無視した、経済効率至上主義のこの飼育方法が、牛たちに過剰なストレスと酷い苦痛を与えているのですね。その結果、病気、異常行動、異常出産などが頻発します。不自然なことをすれば不自然な結果が現れるわけです。

不自然な飼育に必要なのが、海外に依存した配合飼料、飼料添加剤、各種栄養剤、大量の医薬品、高度な治療技術、人工授精師、受精卵移植、糞尿処理機などです。つまり、反自然的な行為の結果を取り繕うために、お金とエネルギーと技術が必要になるわけです。しかも、これだけ多くのお金とエネルギーを使って生産した牛乳が、水やお茶よりも安いのです(牛乳1000mlで200円、お茶500mlで200円、水500mlで250円)。この上、飼料の高騰では、まったく酪農家はやってられませんね。加えて、牛をこのように虐待して得た牛乳が本当に人間にとって体に良く栄養になるのだろうか、という疑問も出てきます。

この日本の酪農に対して、著者の答えは明快です。「田畑にできない山地を生かして牛を自然放牧させ、人が食べられない草を餌に乳を出す。これが日本に適した酪農だ」と。実際、著者は、岩手県の山間部にある牧場で、1年中牛を放牧させて酪農を営んでいます。この結果、餌の調合と給餌作業、糞尿処理などの過重な牛舎作業とそれに伴う費用から解放されました。当然、牛自身も健康になり獣医の世話になることもほとんどなく、その上、自然交配・自然出産で、人工受精も助産の必要もなくなったと言います。自然放牧は何と経済的なのでしょう!

 しかし、実際は自然放牧すれば問題が片付というわけにはいきませんでした。なぜなら、農協への一元出荷体制と大手乳業メーカーを中心とした現在の流通システムの壁があるからです。ここでは、乳脂肪分が高ければおいしい牛乳だと考えられ、それだけが価値基準となっています。このため、自然放牧を行ない安全な牛乳を生産する酪農家は生き残る術がほとんどないのです。実際、著者の牛乳は買い叩かれ、一般の価格の半値になることもあったといいます。この後、著者は直販に挑み、やがて食の安全性を最優先したその商品に顧客は全国に広がりました。今では生産から販売まで手がける中、日本の酪農のあり方を変えるために放牧酪農家の支援を行なっています。

「牛が幸せであれば、幸せな牛乳が作れる。そして、幸せな牛乳はおいしい牛乳だ」、この言葉に著者の考え方と生き方が込められています。真の経済性と豊かさは、いのちを尊ぶ心から生まれてくるのですね。これは私たちが21世紀を生きていくうえでの羅針盤ではないでしょうか。

なお、この本と合わせて「自然農・栽培の手引き 」(鏡山悦子著 、 南方新社)

「自然農の野菜づくり」(高橋 浩昭著 、創森社)「これならできる!自然菜園―耕さず草を生やして共育ち」(竹内孝功著、農山漁村文化協会)、

「百姓が地球を救う」(木村 秋則著、東邦出版)「週末の手植え稲つくり―5畝の田んぼで自給生活を楽しむ」(横田不二子、農文協) も同じくとても良い本ですので参考にしてください。

 

しあわせの牛乳|ポプラ社ノンフィクション|児童読み物(国内 ...