古典芸能が元気だ。現代のツールを駆使しつつも、古典の味わいを日常に近く楽しむ試みが次々と試されている。
補助金で生きながらえるよりも、現代のエンタテイメントとしての楽しみ方も選択肢としてあったら、
かえって古典演出は、演出そのものを見たいという売り物になるかもしれない。
実は、見たくてうずうずしている。東京ばかりに舞台が集中しているよりも、面白い試みが地方であれば、それを見に人も移動する。各種バスツアーも観劇用ツアーが色々出てくるようになってきた。
(チケットとりや宿泊まで用意するのは、やはり大変)
古くは香川のこんぴら歌舞伎や、熊本の八千代座といった、江戸時代の芝居小屋を現代に生かして、その時代空間ごと楽しむ歌舞伎もあった。農村歌舞伎などでは、野外で見る、町の能舞台を持っている市町村もあった。
秋の祭りの季節。文化祭の季節。各種音楽や趣味の発表会も、数多い。
どれを観に行こうかと迷うくらいの贅沢はない。

秋の夜の文楽、天守閣臨み歌舞伎…
野外に“出張”関西の伝統芸能 
ファン層拡大へアイデア

ワインや日本酒片手に…

 見上げると夜空に浮かぶ月。日本酒やワインを飲みながら文楽を楽しむ。こんな珍しい文楽公演「にっぽん文楽」が今月17~20日、大阪市中央区の難波宮跡公園の組み立て式舞台で行われた。

 大阪市による補助金削減に揺れる文楽を支援しようと「日本財団」が企画・主催。総額1億円のヒノキ造りの舞台を作り、3月に東京・六本木で初演。今回は、文楽が生まれた大阪で初の公演が実現した。

 通常、文楽上演中はできない飲食が、「にっぽん文楽」では自由。持ち込みの酒やおつまみを手に楽しむ人も多かった。

 「文楽を見るのが初めての人は?」。幕間に技芸員が観客に呼びかけると、約300人のうち半数近くが手をあげた。京都市の40代の公務員男性は「一度見てみたいと思っていたが、機会がなかった。野外で上演すると聞いておもしろそうだと思った。次はぜひ劇場で」と日本酒片手に舞台に見入っていた。

 「にっぽん文楽」の入場料は2千円で、通常の文楽公演(1等席6千円)より安い。上演時間も約1時間半と、約4時間に及ぶ本公演に比べて短い。その一方で人形遣いの体験や人形との写真撮影もあり、親しみやすさをアピール。観客は4日間で約2800人にのぼった。

江戸時代にタイムスリップ

 文楽だけではない。今月25日からは、大阪城西の丸庭園(大阪市中央区)の移動式仮設劇場で歌舞伎公演「平成中村座」が行われる。

 故十八世中村勘三郎さんの「江戸時代の芝居小屋を復活させたい」という思いから始まり、大阪では平成14年と22年に実施。24年に勘三郎さんが死去してからは初の大阪公演となる。

 観客同士の肩が触れ合いながら見る桟敷席など、江戸時代にタイムスリップしたような雰囲気が魅力。上演中に舞台後方が開くと大阪城の天守閣が見えるなど、エンターテインメント性もたっぷりだ。

 このほか、9月には、大阪城天守閣の正面に建てられた移動式能舞台で「大阪城本丸薪能」を実施。
歌舞伎発祥の地とされる京都では今月24日には、市内の鴨川沿いの特設舞台で、歌舞伎俳優の市川海老蔵さんの舞踊公演も行われるなど、
野外や仮設劇場での公演が相次いでいる。

 演劇評論家の廓(かまえ)正子さんは「古典芸能は、初めての人にはなじみにくい部分もある。野外公演や平成中村座のような仮設劇場は、開放的で本来のエンターテインメントの原点に戻ったような雰囲気。新しい観客を呼び込むにはいい試みだと思う」と話している。


市川染五郎、次代の歌舞伎を語る

歌舞伎俳優・市川染五郎が10月20日、京都市内で行われたラスベガス歌舞伎公演凱旋記念のイベント『Wonder Kabuki Theater』に登場。これからの歌舞伎について語った。

ラスベガスを象徴する[ベラージオの噴水]。今年の8月、その水の中に設置された特設舞台で市川染五郎主演の歌舞伎が上演された。この海外公演のオファーに「劇場じゃないし、水の中だし・・・。でもどうなるかわからないことに魅力を感じました」と当時を振り返った。公演では、幅300mある噴水のウォータースクリーンにプロジェクションマッピングを投影し、迫力ある演出で海外の観客を魅了した。
(しかし、劇場内で本水を使うと大変。舞台で使う水を毎回運び込み、使った分は回収して、お客さんはビニールで水をよけて・・・。かえってもとから水がある噴水施設を利用するほうが、自由な演出ができそう)
「変わっていくことが歌舞伎」という染五郎。新しいことにチャレンジし、次の歌舞伎を生み出そうと
10年ぐらい言ってるんですけど、“歌舞伎 オン アイス“。アイススケートを履いて歌舞伎をする。
走るより、端から端まで滑れば」とスタジアム規模の大舞台での上演も意欲的だ
。2020年東京五輪の開会式で披露するのはどうか?との質問には、「オリンピックの開会式・・・やりますか。歌舞伎は、日本オリジナルのものですので、堂々と見せることが日本らしさだと思う」と語った。

これまでは、そこにある環境下で何が出来るかを考えて舞台を作ってきたという染五郎。
アメリカ公演で新しい技術を使ったことで「何がしたいのか、自由な発想が大事なんだとすごい感じた」という。
これからの歌舞伎の未来がどう創られていくのか期待したい



中村勘九郎「死んでいるとすぐ伝わる」

2015年7月31日

江戸時代の芝居小屋を模した仮設劇場で、様々な歌舞伎を上演する「平成中村座」。人気役者だった故・中村勘三郎が立ち上げたこの催しを、今年になって息子の中村勘九郎&七之助兄弟が父の遺志を継いで復活させた。この秋には、5年ぶりに大阪に帰ってくる! ということで、勘九郎が大阪で記者会見を行った。
「父は"自分は大阪に育てられた"と言ってましたし、(4月に)東京でやって、その年のうちに大阪に戻ってこられるのが幸せです」と勘九郎。今回は会場が大阪城内なのに加え、大阪夏の陣400年記念ということで、豊臣秀吉に縁のある2作品を上演。しかもその両方で、勘九郎が秀吉役を勤める。「(昼の部の『三升猿曲舞』で)僕は初めて此下兵吉(秀吉がモデル)をやります。秀吉は父がドラマで演じたこともあって、子どもの頃から大好きだったので、昼夜ともやれるのがうれしいです」

まるで江戸時代の芝居小屋に迷い込んだような、テーマパーク的な雰囲気も魅力の中村座。しかし一方で、役者にとっては非常に怖い場所でもある。「少しでもここ(胸を叩く)が死んでいると、すぐ(客席に)伝わっちゃう。お客様がほかの劇場とは違うテンションになっているので、そのテンションの倍で行かないといけないから疲れるけど、やはり楽しいですね」
「今回は平安、戦国、江戸といろんな時代の話をやりますし、より異次元の世界に迷いこんだ気分になっていただけたらと思います」と、舞台機構を柔軟に使える仮設劇場+地の利を活かして、大阪城を借景にした壮観な演出を昼・夜公演ともに盛り込んだそう。舞台上も客席も、江戸時代の歌舞伎の熱気を丸ごと再現するような空間は、特に歌舞伎を観たことがない人にとっては最高の初体験となるはずだ。
吉永美和子


願わくば、日本の国民が、たまのチケット代くらい払える収入を得られて、見に行く休みくらい取れる余裕ができますように。
しかし、現実は、見に行くためでなく転売の利ざやを稼ぐために、チケットを買うものが多い国になってしまった。
人気チケットは、まず転売するものというありさまだ。これが、日本人ではない、日本語はできるけれど・・・・というグループが参入しているのではないかと勘ぐっている。iPhoneから珊瑚、象牙と、転売して利ザヤを稼ぐために欲しがる中国人あたりが、チケットで利ざやを稼いでいても、不思議はないと思うし。
日本人が利ざや稼ぎに明け暮れざるをえないのなら、もう本当に貧困化が進んでいると考えるしかない。
それとも外国人が増えるにつれ、汚染されてしまったか。

<USJ>不正転売チケットは無効に 11月から

毎日新聞10月16日(金)

大阪市のテーマパーク、ユニバーサル・スタジオ・ジャパン(USJ)の運営会社は、11月から不正転売されたチケットを無効にすると発表した。インターネット上のオークションでは、USJの人気アトラクションの待ち時間を短縮できる「エクスプレス・パス」などが高値で売買されており、運営会社は監視チームを作り、転売の撲滅を目指す。

 運営会社によると、エクスプレス・パスやパレードなどを特別席で鑑賞できるチケットの転売は、昨年7月に「ハリー・ポッター」エリアがオープンしたころから増加。規定で転売は禁止されているが、年約10億円分のチケットが転売されており、正規価格の7倍で取引された例もあったという。

 転売を目的にインターネットで購入されたチケットは、同一人物が販売開始直後に数百枚を買うなど不審な点がある。チケットには番号が付けられていることから特定も可能。監視チームが購入履歴やインターネット・オークションなどをチェックし、転売を確認できたチケットは使えないようにする。

 監視チームは数十人規模。予算は2億~3億円を見込む。森岡毅・執行役員は「大量の不正転売のために一般の人が買えない例もある。徹底的に対策を進める」と語った。【小坂剛志】


ネットダフ屋撲滅に本腰、人気のチケットは4割転売の現実 
産経WEST

大阪市のテーマパーク「ユニバーサル・スタジオ・ジャパン(USJ)」の運営会社が11月から、インターネットなどで不正に転売されたチケットをすべて無効にするという方策を打ち出した。夏休みや祝日などは人気のショーの鑑賞チケットが、販売開始直後に売り切れることもあるが、転売業者によって3~4割が買い占められるケースもあるという。チケットの無効化は、これまで取り締まれなかった不正転売にメスを入れる新たな策と期待されるが、現場では混乱も予想される。(阿部佐知子)

■転売業者が荒稼ぎ

 「(転売チケットを)買った人が使えないことは、しのびないと思い悩んだが、なんとか撲滅したい、最終手段だ」と運営会社ユー・エス・ジェイの森岡毅執行役員は打ち明ける。

 USJでは、遠方からの来場者ら確実にアトラクションやショーを楽しめるようにと、並ばずに優先的にアトラクションを利用できる「ユニバーサル・エクスプレス・パス」や、ショーを間近で鑑賞できる「チェックイン・パス」などを事前にウェブサイトで販売している。

 転売が多くみられるのは、人気の高い期間限定のショーなどで、インターネットオークションサイトでは正規価格が4千~5千円のチケットが3~4万円で販売されていた。特に今年夏に初めて開催された期間限定アトラクション「妖怪ウォッチ・ザ・リアル」や人気漫画「ONE PIECE(ワンピース)」のショーなどでは、3~4割のチケットが転売されていた例もあるという。
昨年夏に米人気映画「ハリー・ポッター」をテーマにしたエリアがオープンするなどの効果で、USJの入場者数は平成27年上半期(4~9月)は過去最高を記録。「来場者から『どうやったらチケットを買うことができるのか』という悲痛な声が届き、なんとかしたいと思った」(森岡執行役員)と話す。

■転売行為を取り締まりたい

 チケット転売をめぐっては、今年4月に警視庁が、「三鷹の森ジブリ美術館」(三鷹市)の入場引換券をインターネットオークションで転売するために購入したとして、東京都迷惑防止条例違反(ダフ屋行為)容疑で取り締まった例があるが、なかなか検挙に至らないのが実情だ。

 今回USJは、転売チケットでは入場できないことを、改めて把握している転売業者などに通知をはじめた。今後、業者が入場できないことをわかってチケットを転売すれば、詐欺罪に問われる可能性が出てくるといい、転売行為の抑止を期待している。

 一方で、現場では混乱も予想される。そもそも、転売でチケットを手に入れるのは、遠方からの観光客など、どうしても入場したい来場者で、高い値段を支払っているケースが多いとみられる。

同社は「このままいけば数百人ではすまないと思うが、事情は一切考慮せずにお断りする」と、厳しい態度で臨む考えだ。一方で、詐欺の被害者でもあるチケット購入者に対しては、転売業者への返金や、集団訴訟や刑事訴追手続きの支援をするという。

 今回、対策として専門のチームに人員を配置するなど、数億円の予算をかけて対応する。転売が明らかになったチケットと同じ人が購入した者はすべて無効にするなどし、転売チケットの8割は無効化ができるとみている。「チケットを無効化しない限り、転売は防げない。撲滅するまでやる」と徹底抗戦の構えだ。



観艦式無料券、ネットで高値に・・・海自が削除要請
読売新聞10/16金

海上自衛隊が18日に行う観艦式の無料観覧券が、インターネットのオークションサイトで、高値で取引されていることが分かった。
海自はげ^撫養アニメなどの影響で自衛隊の人気が高まっているようだが、希望者に無料で見てほしいとしており、サイト運営者に出品の削除を要請している。
観艦式は3年に一度、護衛艦などの艦艇や潜水艦、航空機などを集め、首相らに訓練の成果をみせるため、実施される。
海自では12.15日の事前公開もあわせて約一万人を募集した。
これに対し、応募は前回の二倍で、過去最多となる役16万通(一人で最大4人)に上った。
ところが、9月中旬から観覧券を送付したところ、その後、yahooなど複数のオークションサイトで出品されていることが判明。
少なくとも45件が確認された。
一枚数千円から数万円の値がつけられ、、中には8万円ほどまで高騰したものもあったという。


書き込みから

>イベントやってる人としてはっきり言うけど、プレイガイドを扱う公演は主催がプレイガイドに手数料を支払っています。なのでお客さんからは手数料取らないで欲しい。発券手数料、システム利用料、先行なんたらとか、年々なんか手数料が増えてませんか。これじゃチケットを買う気が失せる。


宝塚歌劇〝ベルばら〟チケット転売 
ダフ屋行為容疑でファンの女を書類送検 兵庫・宝塚署

産経WEST 2013.5.17 
転売目的で宝塚歌劇のチケットを購入したとして、兵庫県警宝塚署は17日、県迷惑防止条例違反(ダフ屋行為)容疑で同県三田市の無職の女(55)を伊丹区検に書類送検した。容疑を認めている。同署によると、宝塚歌劇チケットのダフ屋行為で摘発するのは珍しいという。

 送検容疑は3月16日、大阪市北区のJR大阪駅で宝塚歌劇「ベルサイユのばら-フェルゼン編-」のチケット3枚を転売目的で購入したとしている。

 女は歌劇ファンで、約7年前に人気公演のチケットを宝塚市の宝塚大劇場前でダフ屋から購入したことをきっかけに転売を始めた。定価に2千~4千円を上乗せし、月1~2万円を稼いでいたという。昨年12月ごろ「堂々とチケットを売っている人がいる」と住民から同署に相談があり、捜査していた。

転売防止には、定価かそれ以下でないと扱わないチケット交換所もある。
また、需要と供給のバランスが崩れているから、高値で買うものも出てくるんだろう。
チケット取りで疲れ果ててしまったら、公演そのものもテンションが下がる。
骨董品でもない、現在のチケットは、定価以下でないと業者に取り扱わせないようにすれば、一発解決するだろうに。