青森県産米の新品種「はれわたり」の販売が29日県内で一斉に始まり、 青森市内のスーパーでは開店と同時に買い物客が押し寄せました。 このうち青森市のイオン青森店では午前7時の開店前から「はれわたり」を購入しようと多くの人が訪れ、長い列をつくりました。販売開始の29日は三村知事みずからマイクを握り、買い物客に味や特徴をPR。こちらのお店では500袋を用意したものの。
秋の田園に長毛の奇妙な巨獣 脚は8本?その正体は 兵庫・丹波篠山
神戸新聞NEXT
竹の鼻先が伸びた田んぼの珍獣? ゆっくりと乾燥させた米は食味が向上するという=丹波篠山市栃梨
秋晴れの田園地帯。兵庫県丹波篠山市内で車を走らせていると、稲刈りを終えた田んぼの中に、奇妙な「群れ」を見つけた。まるで長毛種の不思議な巨獣の一群のよう…。脚は6本? 8本? 金属製で真っすぐだ。 【写真】6本足?巨大な珍獣
正体はもちろん、天日干しのため、刈り取った稲をずらりと掛けた「稲木」。
昔は各地の農村で広く見られた「秋の風物詩」だったが、機械乾燥が主流となって、丹波地方でも数少ない情景となっている。
目にした農地の稲架は、稲が2段、3段重ね。顔の部分だけは1段掛けだ。束ねられ、乾いた稲わらはモフモフした、毛むくじゃらの動物にも似て見える。
長さ4、5メートル。象よりも大きそうだ? 「陸の王者」ともいえる巨体と風格。稲木を「牛」や「稲牛」と呼ぶ地方もあるそうで、のしのしと歩き出しそうな、
まさに「巨牛」。陽光をたっぷりと浴びて、背中の米は、味も香りも文句なし?
新米の季節、モォ~たまらん!?(堀井正純)
田んぼに現れたモンスター!? 稲を自然乾燥させる「稲架掛け」の様子がおもしろい
この時期限定で田んぼに現れる者たち。 pic.twitter.com/9QY4BRgiTD
— 道民の人@九州ティアD07 新刊・ひなび旅館特集本 (@North_ern2) September 25, 2022
画像にある束ねた稲は、刈り取ったあと棒などに架けて2週間ほど天日と自然風によって乾燥させている最中のもの。この自然乾燥は「稲架掛け」(はさがけ)などと呼ばれ、地方によって稲掛(いねかけ)、稲架(とうか)など、さまざまな呼称があります。
田んぼから刈り取った稲を干しておくことを「稲架かけ(はせかけ)」といい、物干し竿のようなものを田んぼにかける。だが、庄内地方のように風が強い土地では横に並べず縦に干す。これを「杭かけ」というそうだが、藁蓑を着た妖怪みたいで恐ろしくも可愛い。 pic.twitter.com/QxcAOJRl76
— 道民の人@九州ティアD07 新刊・ひなび旅館特集本 (@North_ern2) September 24, 2022
「稲架掛け」は長期保存には籾の水分量が多すぎる収穫直後のコメを乾燥させる昔ながらの方法。メリットとしては、ゆっくり乾燥するので割れ粒発生や味の低下が少なく、穂の形が残ったままで乾燥するので刈り取ったあとでも熟成が進むといったことがあげられます。
最近はコンバインで刈り取り、乾燥機で乾かすのが主流。しかし、アミノ酸などの栄養素が増えることや、逆さに干すことによってうま味が実へと下りてくるといった考えから、こうした伝統的な干し方を採用するところもまだあるそうです。
投稿の画像はモンスターの大群にも見え、リプライ蘭には「退化したモリゾーみたい」などの声も。今にもわさわさと動き出しそうな稲わらがTwitterユーザーを引きつけています。
画像提供:道民の人@新刊・ひなび旅館特集本(@North_ern2)さん。
小学生が昔の脱穀を体験 道具の進化を学ぶ 群馬・桐生市
群馬テレビ
群馬県桐生市の梅田南小学校で米作りの体験授業が行われ、昔の道具を使って自分たちで育てたもち米を脱穀しました。 桐生市の梅田南小学校で行われた脱穀の体験授業には、4年生19人が参加しました。授業には、地域の人も協力し子どもたちに脱穀のやり方を指導しました。
校庭には、江戸時代からある「千歯こき」や大正時代からの足踏み式脱穀機などが並べられ、子どたちは、順番に昔ながらの脱穀に挑戦しました。 梅田南小では、米や野菜、お茶などの地域の農業を体験する郷土学習に力を入れています。
4年生は、毎年、もち米作りを学び、田植えはもちろん、その後の水の管理や稲刈りなど一連の米作りを体験します。 子どもたちは、学校の南隣にある田んぼでコンバインを使った脱穀も体験し、農業の近代化についても学びました。
脱穀したもち米は、今後、精米され、来年1月には、もちつきも予定されています。
射水市 子どもたちが地域の産業に向き合う
射水市の学校に通う子どもたちがコメ作りを体験し、富山の名産品の商品デザインにも挑戦して、地域の産業に向き合いました。梅本記者のリポートです。
「せーのーでー」 子どもたちが運んでいるのは、5月にバケツに植えた富山県のブランド米「富富富」です。 「実ったのは感動」 「ものを育てて、それをじっくり観察できて、楽しかった」 片山学園初等科の4年生が、ことし農業や金融と教育を連動させたプロジェクトに取り組みました。それは、バケツで育てた米でます寿司を作ること。先月下旬、バケツで育ててきた富富富を刈り取りました。
記者 刈れましたか? 「刈れましたー。難しかったです」 「切りにくかった。食べてみたい、自分で作ったから、食べてみたい」 田植えから4か月。日記をつけたり水管理をしたりと、生育を見守ってきました。
農林中央金庫富山支店 系統プロモート班 中田圭亮さん
「今の時代は、実際に自分たちで育てたことがなくても、動画とかいろんなインターネットで見て、学ぶことができると思うんですけども。自分自身が、自分で育ててみたこと、触れ合ってみたことのほうが、将来忘れないかなというふうに思いますので」 子どもたちが収穫した富富富も使った、酢めしが炊き上がりました。
ますのすしミュージアム 松原弘治館長 「みなさんが作った富富富でーす」
「わーい、こんないっぱい、コメうまそう」 そして、抗菌作用があるとされる笹の葉を敷いて、330グラムの酢めしを詰めていきます。
松原館長 「すぐ食べたいという人が多いと思いますが、最低2時間、我慢してください。なじむまでちょっと時間がほしいんです」 このすし作りを通して、食べ物に対する子どもたちの関心が高まりました。 「苦労して育てたイネを、食べる時は、なんか、ちょっと、気持ちを込めて食べる」
もう一つ、子どもたちが向き合ったのは産業と地域との関わりです。商品販売に欠かせないパッケージデザインを考えました。
審査員 源 佐々木浩晃取締役営業副本部長 「きときと空港を描かれた理由ってなぜか、教えてもらっていいですか 「お土産として買って、心に残ったので描きました」 その中から一つのデザインが選ばれました。表面に採用されたデザインは、
一目で商品が飛び込んでくるようなインパクトがあり、立体感があって、色あいがきれいな点が評価されました。このデザインを使った商品は、実際に店頭に並びます。 表面に採用された 仙石瑠理花さん 「アドバイスが、みんなの助け合いが無かったら、今、この私の絵が(パッケージになって)発売できなかったなと」
片山学園初等科4年生 学年主任 安田朋弘教諭 「どう社会のなかに、どう人に喜んでもらえるかっていうところを、体験していくという、まさに、社会に出てから、
この子たちが体験していくことの、縮小版を、経験させてもらっているということで」 子どもたちにとってこの体験は、食生活の成り立ちや社会とのつながりを知る貴重な機会となりました。
このデザインの商品は、来月末まで、実際に源の県内と石川県の店舗で販売されるということです。パッケージには、富山を思う子どもたちの気持ちが詰まっています。
大バケツ一つ分の稲で、寿司の一人前くらいのお米が採れるのかな?
バイオマス発電で自然保護活動を支援
配信
沖縄ニュースQAB
沖縄ガスは11日、バイオマス発電を活用し自然環境を守る活動をしている団体を支援する県内初のプラン開始を発表しました。 沖縄ガスニューパワーは2021年7月、ヤシ殻や木材などを燃料とした中城バイオマス発電を稼働させ、50キロワット以上で高圧の電気利用している事務所や病院などに供給しています。 これについては一般の家庭での利用についても要望があり、家庭の毎月の電気料金の0.5%をサンゴ保全団体へ寄付する県内初の仕組みを作りました。初年度の契約は300世帯と見込んでいて最大で11万世帯になる見通しです。
どうせゴミは出るし、燃やさないといけないのだから、その熱エネルギーを
発電に使うのが、もっとも理にかなってる。
廃材だってどうせ野焼きしていたのだし、その熱で発電するのと、蓄電するのがうまく行けば、日本のどこでだって電気は賄える・・はずなんだけど。
家庭菜園で取れたものは、形やら大きさを問題にしない。
何でも新鮮だから、普通に利用する。
それだと単品野菜の出荷をしている農業者が困るだろうとは
いつも、思う。
柚子の木が一本あれば、毎年使う量はごくわずか。
大部分はそのまま放ってある。必要な時に一個か二個くらい取るだけで
季節外れに必要なら、絞った製品を買えばいいし。
こんなの、みんなたいして使わない。
貰い過ぎても迷惑なだけで、傷んだら捨てる。
隣のレモンの木、実を一個くらい貰ってみたけど、そんなに大量に
貰うと困るしね。
ほとんどはそのまま放置の柑橘系。
冬に赤い実のなる植物は、鳥が食べるのか、すぐに丸坊主になるけど、
レモンなんか鳥も食べないんじゃないか?知らんが。
余りものは知らないうちに動物だの鳥だのとシェアしていたはず。
そんなに食品ロスと騒がないでもいいと思うんだが。
本当の食品ロスって、スーパーやコンビニの売れ残りのことだろ?
お弁当が売れきれずに、賞味期限が過ぎてしまったもの。
開けて食べるだけに用意された料理。
それが本当の食品ロスではと思うんだけれど、
どんな調べ方とか、統計の取り方をしてるんだろう?
ただ、大量に集めて製品化する食品工場では、同じ材質のものを集めているので、
そのまま利用しやすいんだろう。
ブルーベリーの皮だけでなく、つゆくさや朝顔やらで色染めってことは
昔から遊びであったけど、工場で大量に出る生ごみはブルーベリーの搾りカス。
一定品質のものが大量に集まってるから、再利用資源になるのかな?
染料として一定量が確保できるから、ブルーベリーで染めたという布やらスニーカーになるのだ。
》参加者のほとんどは、竹林の所有者ということで、「竹やぶをどうするか、毎年掘るのが大変だったので、これ(メンマ用)だと楽かなと」と話します。
竹は成長が早く、春の一時期だけしか、タケノコとして食べられません。収穫期をすぎた竹は利用価値がないうえ、放置すると広範囲に広がってしまうため、管理の難しさが問題となっています。
ワカヤマファーム 若山太郎社長 「伸びてしまった不要なタケノコをメンマにして、ぜひラーメンの上にのせて、みんなに楽しんでほしい。地産地消で食べていただけるように広めていきたい」
地域の自然、植物、動物などの有機物循環に関わるものは全て
第一次産業と呼ばれる。
それはずっと、近隣エリアで循環していた。
そんなに多くを遠くまで運べる手段は、人間は持っていなかったからだ。
そうやって里山の自然も出来上がっていた。
有機物循環に関わる産業は、グローバリズムであちこちに持ち出してはいけない。
生態圏バランスが崩れる。
地域に栄養素が無くなってしまうから。
植物は栄養素を吸い上げて形にする装置みたいな生き物。
水があれば光合成もできるから、植物が先で
動物がそれを利用して、食物連鎖が積みあがっている。
アイデアとデザインでよみがえる「廃棄されたもの」 人気のアウトドアやマスクの必需品も
配信
毎年大量に捨てられる農家にとって厄介なモノを再利用
熊本放送
独特な模様をしているこちらの薪(まき)。 これは熊本県御船町にある自宅の工房で村山 聖(むらやま さとる)さんが製造、販売を行なっている特殊な薪です。
(ムラサン 村山さん) 「これなんですけど、もみ殻でできた薪なんです」
もみ殻は、稲の実を包んでいる一番外側の皮。 使い道が難しくそのほとんどは廃棄されています。 (村山さん) 「熊本で毎年約1万4000トンのもみ殻が出る。廃棄に困っている農家さんが多い。もみ殻は畑にまいても分解されるのに5年ぐらいかかる」
村山さんが農業機器メーカーで働いていた頃、農家からもみ殻の廃棄に関しての相談を受け「むらさんの薪」を作ることに。 この薪は、もみ殻100%。特殊な機械を使って、製造しています。
(村山さん) 「結構硬くて重いんですけど、衝撃には弱くて簡単に折れるので」 薪割りに道具が不要。他にもさまざまな利点が。 今年4月から「むらさんの薪」の販売を始めた、熊本市東区江津にあるアウトドアショップ「YARD(ヤード)」では・・・ (コムハウス 緒方 隆史さん) 「火力も安定するので料理にも使いやすいし、火の粉もほとんど飛ばず、においも少ない」 (村山さん) 「(購入者は)結構、ファミリーキャンパーさんが多い。火の粉が飛ばない分、子どもが近くでたき火にあたっても安全な薪ってことで喜んでもらっている」 また、「むらさんの薪」から作った「むらさんの炭」は、 一般的な薪の炭よりもおよそ4倍火持ちがよく、料理におすすめだとか。 (村山さん) 「特に魚のおいしさがわかりやすい。(炭自体からの煙が少ないので)肉や魚から出た油が煙となって素材をいぶし、おいしさがより強くなる理由に」
【写真を見る】アイデアとデザインでよみがえる「廃棄されたもの」 人気のアウトドアやマスクの必需品も
現在、全国に展開するアウトドアのお店でも試験的な販売が始まっています。
村山さんの目標は「もみ殻が農作業でうまく消費できる循環を作ること」です。
(村山さん) 「もみ殻を燃やしたあとの灰は、畑にまいたらいい肥料にも」
村山さんは今後もさまざまなもみ殻の再利用に挑戦していくということです。
廃棄するものがデザインで商品としてよみがえる
熊本市北区の障害者支援施設。 こちらでも捨てられるはずのあるものが蘇っています。 (NPO法人クローバーアート 甲斐 浩二さん) 「捨てられる点字用紙を使って、マスクケースや封筒に」 点字用紙は厚みがあり丈夫なため、廃棄されるものを何かに使えないかとデザイナーの甲斐浩二(かい こうじ)さんが考案しました。
(甲斐さん) 「点字って存在は知っているけど実際触らないじゃないですか。街中で困っている、目が見えなくて杖を突いている方に『あの時、点字の封筒かったよね』と手助けのきっかけになれば」 素材となる点字用紙は、打ち損じや印刷テストで使用した廃棄されるもの。 点字印刷機器の製造、販売を行う会社から提供してもらっています。 (日本テレソフト 藤本 修三さん) 「1台で大体100枚前後テストに使う。(テストした後の紙は)使い道がないんですよ」 また、マスクケースや封筒を作っているのは施設の利用者たち。 ここにも甲斐さんのこだわりが・・・ (甲斐さん) 「施設のみなさんにできれば頼みたいというのがあって」
(社会福祉法人わくわく 石本 寛自さん) 「コロナ禍で販売先やイベントも減っている中、作業の確保が一番。こうやって新しい仕事をいただいてありがたいと思います」 (日本テレソフト 藤本 修三さん) 「障害者の方の作品としてまた世に出回るのは素晴らしいことだと思います」 甲斐さんがデザインを通じて目指すのは、障害者と社会が循環していく世の中です。
(甲斐さん) 「素材段階で障害のある方が作業として関わって、それを欲しくなるようなデザインにして、販売した利益を障碍者の活動資金に還元していく。そういう【優しさ】の循環ができたらいいなと」
熊本放送
薪ストーブにいかが! 河川敷などで伐採した樹木の無償提供開始
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厄介ものの樹木を有効活用しようという取り組みです。 富山河川国道事務所は12日から河川敷などで伐採した樹木の無償提供を始めました。
【写真を見る】薪ストーブにいかが! 河川敷などで伐採した樹木の無償提供開始
常願川の河川敷に車の行列、そのお目当てはー伐採された木、およそ1500本です。 富山河川国道事務所では、河川の管理に支障が出る樹木を伐採していて、処分費用の削減と資源の有効活用を目的に無償で提供しています。 12日から提供されるのは去年1年間に立山町の常願寺川沿いで伐採したヤナギやニセアカシアなどです。 12日は午前9時の提供開始から大勢の人が訪れ、チェーンソーで丸太を小さくしたりそのまま軽トラックに積み込んだりして持ち帰っていました。
持ち帰る人 「これだけ並んでいるとありがたいです。(何に使われる?)薪ストーブです。」「これだけで大体2週間分。年間10トンほど使います。」
「主に河川敷の無償配布の木材で、薪に関しては一銭も払ってないです。」
用途は燃料や園芸など様々ですが、河川国道事務所によりますと販売目的での引き取りは禁止されているということです。 伐採木の提供は来月20日ごろまで行われる予定ですがなくなり次第終了します。
中には、提供開始の1時間半前から並んでいた人もいて、樹木の種類にもよりますが、軽トラック1台分の薪を購入すると4万円から5万円するそうです。
チューリップテレビ
愛らしい稲わらウサギ登場 西予・宇和の水田(愛媛)
住民が手作りしたウサギの稲わらアート作品。奥にはトラ、ウシなどが並ぶ
来年のえと「卯」にちなんだウサギが水田に―。愛媛県西予市宇和町窪の水田に、稲わらでできたウサギが現れた。隣には今年のえと「寅」にちなむトラなども飾られ、市民らを和ませている。
「田之筋地区地域づくり協議会」が地域を盛り上げようと、2018年から毎年、翌年のえとをテーマに稲わらで動物アートを制作。今年は15人ほどが高さ約1・5メートルのウサギを手がけ、ニンジンを手に持った愛らしい仕上がりになっている。
作業は8月ごろに始め、工事用パイプを骨組みに稲わら約30キロを使用。
ウシやイノシシなど歴代作品の衣替えも含め、11月末に仕上げた。
わら製品、わらじ。縄。
しかし、今は稲刈り機の普及で、縄になるほどの稲の茎が手に入りにくい。
初夏に植えたお米
麦茶だけじゃない大麦、ストローや装飾品に 一大産地で茎活用へ プラ製品の代替も期待
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神戸新聞NEXT
兵庫県東播磨地域が一大生産地となっている大麦の生産過程で廃棄される茎を原料にしたストローや装飾品が注目されている。JA兵庫南(本店・加古川市)が2020年度に立ち上げたプロジェクトで、麦わらをプラスチックストローの代替品としたり、北欧の伝統工芸品の材料にしたり。持続可能な開発目標(SDGs)にかなう取り組みとして、教育現場での活用も期待されている。(増井哲夫)
そもそもなぜ東播磨で大麦が生産されるようになったのか? 話は20年以上前にさかのぼる。東播磨7JAが合併して兵庫南となった1999年、それまで育てていた小麦を大麦に切り替える話が持ち上がった。 東播磨は冬に雨が少ないことから麦栽培には向いていたが、小麦は刈り取り時期が梅雨にかかってしまい、多湿で繁殖するカビの被害に遭いやすい。また、田植えとも重なってしまう。「もう少し早く収穫可能な物にできないか」と、5月下旬に刈り取れる大麦に白羽の矢が立った。
当初は約100ヘクタールの作付けで500トンに満たない収穫量だったが、大麦への移行が進み、2020年度は稲美町や加古川市の435ヘクタールで1750トンを収穫。麦茶を中心に商品展開し、ペットボトル茶の販路は全国に広がった。
■ 一方、そこで問題になったのが、収穫後に出る大量の茎の処分だった。
19年夏、20カ国・地域首脳会議(G20大阪サミット)で海洋プラスチック問題が議題になり、プラスチック製品削減の機運が盛り上がった。同JA内では、プラスチックストローの代替素材として麦わらを使えないかとの検討が始まった。
「20年東京五輪ではきっと環境に配慮した製品が使われる。そこで大麦ストローを採用してもらえたら。これはチャンスだと思った」。同JAの野村隆幸専務(61)は振り返る。
しかし20年春、新型コロナウイルスの感染拡大で五輪は延期になり、淡い期待はあえなくついえた。しかし今度は福祉作業所に製造を依頼し、農福連携事業として製品化を目指すことになり、21年2月に「大麦ストロープロジェクト」と題して再起動した。 ところが…。当初は簡単に作れると思われたが、いざやってみると思いの外、手間がかかることが分かった。コンバインで収穫すると茎がつぶれてしまうので、刈り取りも手作業。ストローにする作業も、一度に切断すると茎が裂けてしまうため一本一本切る必要があった。 さらにストローに使えるのは節と節の間18~22センチの茎のみ。製品にできるのは収穫量の1割程度だった。「もはやここまでか」。野村専務が諦めかけていた4月、本店に異動してきたばかりの高見香織さん(ふれあい広報課)が声を上げた。「あの、ヒンメリを作ってみたいんですが」。
聞き慣れない言葉で、野村専務は高見さんの説明に耳を傾けた。
■北欧の装飾品「ヒンメリ」体験講座人気 ヒンメリとは、麦わらに糸を通して多面体を作ってつなぎ合わせ、天井や壁などにつるして飾る北欧フィンランドの伝統装飾品。同国ではライ麦を使う。
高見さんはかつて美術学校で立体造形を専攻。ヒンメリの材料セットを取り寄せたことがあり、当時は輸入品でとても高価だったことを覚えていた。「大量の麦わらがあるのなら使いたい」との一心で、ヒンメリをアピール。パッケージデザインをおしゃれにすれば絶対人気になると思ったという。また同じ頃、趣味でヒンメリを作っていた稲美町の女性からも要望が届いていた。 長さの足らない茎などストローには向かない物でも、ヒンメリ用の材料として有効活用できるというメリットもあった。「おもしろそうだ」と感じた野村専務。高見さんが中心となり、5月から早速パッケージの改良に取りかかった。 8月、同JAが材料を提供して稲美町で開かれたヒンメリのワークショップは上々の人気だった。「いける」。高見さんは確信した。11月上旬、稲美町六分一の直売所「にじいろふぁ~みん」でお披露目の展示会を開催。ヒンメリ材料やストローの販売開始にこぎ着けた。
両商品は狙い通り話題となり、ヒンメリはその後も量販店などでワークショップを開催。今年3月下旬には、奈良市の雑貨カフェ「くるみの木」で扱ってもらえることになった。同JAが直接商品を卸すのは初めてだった。 地元産品を使った環境に優しい取り組みとあって、小学校が体験活動に取り入れているほか、教材として検討している高校もある。
「商品としてだけでなく、幅広く活用され、いつか、たわわに実った大麦畑が古里の景観として認識される日が来てくれたら」。関係者の期待は膨らむ。
幼い頃の風景が懐かしくて、あるいは無くなっていくのがさみしくて
アルバムを作るように、なんか写真を集めたりしてまう。
感傷・・。
無駄に廃棄される食料をポップに「アップサイクル」して収益化するビジネスモデル
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「ループ・ミッション」創設者のジュリー・ポイトラス・ソルニエとダヴィッド・コテPhoto: Courtesy of Loop Mission
日本は世界でもトップクラスの「食品ロス」大国だ。どうしたら無駄な食料廃棄は減らせるのか? カナダのある企業のビジネスモデルがひとつのヒントになるかもしれない。米経済誌「ブルームバーグ・ビジネスウィーク」が取材した。
【動画】「ループ」の工場に運び込まれた大量のオレンジ カナダのスタートアップ企業「ループ・ミッション」は、型破りなやり方でスナックを作り、それで稼いでもいる。 同社は廃棄されてしまう農産物を買い上げ、ジュースや炭酸飲料、ビール、石鹸、クッキーとして生まれ変わらせ、できるだけ安く値付けして、販売を加速させ、在庫を動かしている。これは地球を助けつつ利益を生み出すよう設計されたやり方だ。 同社は、余ってしまう果物や野菜のための市場を作りながら、消費者のあいだで高まる持続可能性の精神にも働きかけて、気候変動に大きく荷担する食品廃棄の問題に取り組んでいる。 循環型経済を意識して名づけられた「ループ」の製品はカナダ中の大手スーパーや酒店で販売されており、隣国のアメリカにも進出しようとしている。共同創設者のダヴィッド・コテ(39)はケベック州のモントリオールにあるループ本社で言う。 「世界を救おうとするただのヒッピーではいられません。世の中の大企業を変えるには実業界にいる必要がある」
廃棄される食料をアップサイクル
国連食糧農業機関(FAO)が2021年に出した報告によれば、食料不足が蔓延している一方で、世界中で収穫される食料の14%は食べられていない。 その大半が廃棄され、莫大な量のメタンガスを発生させている。国連環境計画(UNEP)によれば、毎年発生する温室効果ガスの8~10%が埋め立てられた食料から出ている。 この食料のほとんどは腐っていない。食料品店は棚を空にしたくないし、消費者は傷のある農産物を嫌がる。だから小売店は過剰に注文するのだ。 一方で、食料の流通網にはまったくゆとりがない。出荷された農産物が予定より数日でも遅れて倉庫に到着すれば、腐ってしまうかもしれない。 「トラックに満載の食料を何とかしてくれという電話が毎日かかってきます」とコテは言う。ループが商品に生まれ変わらせた余剰食料は5年間で8000トン以上にもなるという。 廃棄される食料のアップサイクルに注力する企業は少数ながらも増えており、同社もそのうちのひとつだ。 ビールの醸造粕をパスタ用の小麦粉に変身させる企業もあれば、アラビカコーヒーの樹の葉から粉末茶を作ったり、見栄えの悪いフルーツを乾燥させたスナックに作り変えたり、ジュース製造でできた残り水を浄化し瓶詰めしたりする企業もある。
Danielle Bochove
花王が値上げで売り場追放…「小売りの安売り体質」を許した“犯人”は誰か
配信
ダイヤモンド・オンライン
日用品大手・花王の一部製品が首都圏地盤のスーパーマーケット・オーケーの店頭から、「仕入れ価格値上げの申し入れ」を理由に撤去された。原材料価格やエネルギー価格などが高騰し、インフレ懸念がある今日でも、「小売りの安売り体質」は変わらない。この体質を許した“犯人”は一体誰なのか。(流通ジャーナリスト 森山真二)
● オーケーが花王製品を売り場追放 両者のバトルに冷ややかな声も?
「花王、花王グループカスタマーマーケティングより、大幅な仕入れ価格値上げの申し入れがありました。これに伴い、1月31日(月)より以下の対応を取らせていただきます」 肌寒い2月上旬、首都圏にあるスーパーマーケット・オーケー店舗の日用品売り場には、こうした告知文が掲げられ、続けて「花王の製品145品目を販売中止する」という趣旨の記載があった。
つまり、オーケーは値上げ要求をしてきた花王の一部製品を、“売り場追放”すると宣言。業界関係者の間では話題となった。
目下、世の中では「値上げ」の大合唱だ。原材料価格やエネルギー価格の高騰、ロシアによるウクライナ侵攻、そして円安。メーカーによる値上げの理由は一言で片づけられるものではない。
また、近年は小売りの再編が進み、バイイングパワー(仕入れ力)が強まったことで、メーカーにとって値上げを行いにくい環境でもあった。それゆえ、「今がチャンス」とばかりに各社値上げへと動いている。 オーケー店頭からの花王製品の撤去は、消費者にどのように映ったのか。安売り反対派は「メーカー(花王)がかわいそうだ」というし、安売り賛成派は「よくぞオーケーは花王に物申した」と称賛する。 同時に、「オーケーは撤去という強硬策までしなくてもよかったのではないか」「花王はオーケーに妥協案を提案すべきではなかったのか」など、両者の争いを冷ややかな目で見る者もいるだろう。 なぜ、両者はここまでして意地のぶつかり合いを繰り広げたのか。
● 「価格決定権」のバトル かつてはダイエーvs松下も それは、譲れない「価格決定権」の奪い合いだからだ。 スーパー業界3団体がまとめた「統計・データでみるスーパーマーケット」によれば、21年末時点の全国のスーパーの店舗数は2万2762店であるが、オーケーの店舗数は首都圏を中心に約130店。オーケーで花王製品が販売中止されたとしても、オーケーの店舗数はスーパー全体の1%に満たず、足元の花王の売り上げにはそれほど影響を与えないだろう。オーケーにとっても大した額ではないし、花王以外のメーカーを扱えば良いだけである。 つまり、花王にしてみれば、他の流通業に示しがつかないと判断したし、オーケーからしても花王の例を認めれば、他のメーカーに示しがつかないと判断したとみていい。 こうした価格決定権を巡るバトルはかつてもあり、例えば、ダイエーと松下電器産業(現パナソニック)の争いが約30年も尾を引いたのは有名な話だ。ダイエーvs松下電器、オーケーvs花王のように、売る側と買う側の価格決定権争いはなくならないだろう。 ここで、一つの疑問が浮かんでくる。一体、小売りの“安売り体質”を許した犯人は誰なのか――。
● 小売業は霞が関で後回し? 出店も放置され、過度な競争に陥った そもそも日本全国の小売業がメーカーの値上げを許容し、消費者に適切に転嫁すれば、こうしたバトルは起きないはずだ。 この疑問をひもとくヒントが、ある役人の言葉から浮かんでくる。「我々にとって、小売・流通業は優先順位が最後。さほど重要なポジションではない」(経済産業省OB)。 霞が関内でのこうした意識もあってか、流通小売業は野放図となった。そして、過度な出店も放置された。 かつて流通は大規模小売店舗法(大店法)に守られ一度、出店してしまえばライバルの小売店が出てくるまで時間があった。それどころか、出られない状態が長いこと続いた。最初に出店した企業は、大店法に守られ、その間にガッチリと客をつかんで、後は安泰という図式を作り上げた。 今や全く逆の構図。今日の街中の光景を思い出してほしい。なんと流通業が多いことか。コンビニは下手すると道路を挟んで、向かい合わせになっている。ドラッグストアも間隔を置かずにあるケースも少なくない。もちろん、スーパーも至近距離にある。
小売りの安売り体質の根底にあるのは、出店を野放図にし、業界を過度な競争へと陥れた役所にほかならないのではないか。
ウクライナ侵攻や円安ばかりに注目が集まるが、小売りの安売り体質を改善するには、行政による小売業界への“テコ入れ”も必要なのだろう。
森山真二