初鰹(ハツガツヲ) | 侘寂伝文(わさびやブログ)

侘寂伝文(わさびやブログ)

樂菜わさびや公式HP http://wa-sabiya.jp/ 
Facebook公式ページ https://www.facebook.com/rakusaiwasabiya

初鰹300501  

鰹/松魚/堅魚 (カツヲ Katsuwonus pelamis)和歌山県周参見町 

大和朝廷時代 鰹の干物(堅魚)など加工品の献納を課していた文献記録がある程 古くより日本では重要な水産物として扱われてきたカツオ 語源は身が堅いという意で堅魚(かたうお)に由来しています 

 
初カツオ300505  

私達日本料理の世界では欠かせない鰹節は 古く室町末期~戦国時代より“勝男武士”の縁起物として特に重宝され 織田信長や豊臣秀吉など著名な大名の戦功褒美として欠かせない産物でした 

 
初鰹300502  

江戸期に入ると 初夏に水揚げされる初鰹を珍重する趣きが広まり 山口素堂の俳句に代表される「目には青葉 山時鳥(ほととぎす)初松魚(かつお)」など鰹に関わる有名な川柳が沢山生まれました 

 

初夏には“初鰹” 仲秋には“戻り鰹”が長らく日本の魚産文化に馴染んでいますが 実際平成後期は黒潮の流れが大きく変わり 前述の旬期は変わりつつあります 初鰹はもうすぐ幻になるかも? 

 
初鰹300503  

その失われつつある初鰹を代表する漁法“けんけん漁法”ですが 何故和歌山の周参見町が発祥なのか 

カメハメハ大王期のハワイと紀州和歌山の意外な繋がりとご縁が 今も脈絡と受け継がれています 

 
初鰹300504  

鰹の旨味源でもある脂身は 実は熱分に弱く加熱する事で身質がパサパサに劣化し旨味が失活します 

その意味でわさびやでは 基本“タタキ”はせず 皮を添えた状態で割鮮を愉しんで頂いています 

 

鰹の食文化は西日本と東日本で大きく違いますが 旨いものは間違いなく旨い 実に簡潔明瞭です