実山椒(ミザンショウ) | 侘寂伝文(わさびやブログ)

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実山椒01  

山椒 (サンショウ Zanthoxylum piperitum)和歌山県龍神山産-龍神山椒 

ミカン科サンショウ属の落葉低木 若葉は食材でもお馴染み“木の芽”と呼ばれ日本では古くから親しまれてきました “椒”は(芳しい)を意味し 「山の薫り高い実」である事から“山椒”の由来になったと考えられています

 
実山椒02  

落葉樹林に自生する落葉低木 雌雄異株 なので先ず雄株が4~5月初旬に開花し(花山椒) 雄株から受粉した雌株が5月中旬ごろに直径5㍉程の実を結実します これが実山椒と呼ばれるものです 因みにこのまま夏を越えると9~10月頃には赤く熟し 裂開して中の黒い種子が出てきます(黒山椒) 

 

実山椒は雌株からのみ結実し 様々な料理の香辛料に用いられる事で重宝されています 

 
実山椒03  

実山椒の下処理-アク抜き 

実山椒は採取後 時間が経つと変色し香りが損なわれるので 手早い下処理が必要です 

 

1.さっと水洗いし 軸部を取り除く(写真参照) 

2.実山椒が充分浸かる位の湯を沸かし 沸いた状態で10分程茹で 冷水に落とす→丘揚げする(長く茹でても大丈夫ですが この後焚く事を考慮して軽くアク止めする程度に湯搔きます 湯する事で青い色は褪せてしまいますが 品質上は何ら問題ありません) 
 
実山椒04  

焚く (“焚く”と言っても 通常の味を素材に染み込ませる“焚く”の意味と違い 実山椒のアク止めとふっくら柔らかくする目的の“焚く”加熱ですのでご了承下さい) 
 

1.掃除した実山椒がひたひたに漬かる位の酒と醤油を鍋に合せ 実山椒を入れ火にかける 

2.時折木べらで混ぜながら 煮汁が殆ど無くなるまで強火で詰め上げていく 

3.煮あがったら火を止め ざるに丘揚げし(煮汁は捨てる) 完全に冷ます 
4.冷めた実山椒は小分けにして冷凍保存するなど 使い方に応じて保管する 
 

和食料理屋では掃除から焚くまでがセットの仕事です ボイルまでだと 各料理に用いる時 若干のえぐみや辛味が調理の仇になるため 酒と醤油で下焚きする事でえぐみを緩和出来ます 
 

また 軸部を取り除く掃除をした後 その手で顔や目に触れるととんでもない事になります(涙) 

山椒を掃除された日はくれぐれも手をしっかり洗って貰います様 重ねてお願い致します