[蔵元訪問]山口玲子キルト展2017 | Takeblog ~たけぶろ~

[蔵元訪問]山口玲子キルト展2017

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久留米市/北野町に蔵を構える山口酒造場を訪問した折 丁度年一の“蔵開き”中で母屋始め敷地内で現当主の母/10代目女将の手による『山口玲子氏キルト展』が開催されてました 

 

当主/山口社長ご案内のもと 蔵の沿革と併せ壮大な展示数の美しいキルト達を観覧させて頂きました 
 

 
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山口怜子氏は江戸天保三年から300余年続く山口酒造場の十代目女将ですが 幾つもの草鞋を持っています 温泉地熱を利用した食品づくりなど“食のプロデユーサー”としての顔を持つ一方 海外でも高く評価されている日本のパイオニア“パッチワークキルト作家”でもあります 
 

「パッチワーク」とは布と布を縫いつなげ一枚の布にする技法で 布地有効利用のため余った布や端布を紡いでつくったのが始まりです 布地に綿をはさんで縫いあわせたものをパッチワークキルトといい 17世紀アメリカで西部開拓の移動によって全米に広がり 世界各地で盛んに行われています 
 

山口玲子氏がパッチワークを始めたのは53年年前 尺貫法を使った日本キルトというパターンを開発したのがきっかけでした 

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1982年にはアメリカのナショナルキルト連盟に招待され渡米 歴史あるアメリカンキルト発祥の地で日本ならでは古裂を素材にした独創的な“刺し子風キルト”は驚きをもって受け入れられたそうです 

  
全米の著名なキルト作家達が出展する作品が集まる中で玲子氏の受賞作品は9点 そのうち最高賞であるブルーリボン賞は3点にのぼり その作品は首都/ワシントンD.C.にて公開されたそうです 
 

これをきっかけに山口玲子氏のキルトは世界中で注目され 各国大使から招待されるようになりました 

  
山口キルト004   山口玲子氏のこだわりは家庭の古布を使う事 

  
「デザインを考えるのは私だけど 生徒さんにお家にある布を持ってきてもらう その布にはひとつひとつに物語がある そこからデザインが生まれる それをもとに一緒につくっているんです」 

 

それぞれの思い出を縫いつなげていくキルトは「日本の家族を綴るキルト」と言われています 

 
海外から注目される事で日本の新聞社/雑誌社が注目するようになり 東京をはじめ日本国内の巡回展や米国.中国への出展など 現在の活動フィールドは多岐に亘っています 

 
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2009年 キルト作家として『福岡県文化賞・創造部門』を受賞されました 

 
その多岐にわたる活動は全て「衣」「食」「住」へと繋がっています 
 
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実際これだけのキルトを展示するのは久しぶりだそうで そのために蔵内の掃除/移動に前後各1週間かかったそうです 沢山の援助があってこそのキルト展 地元の良き繋がりを体感できました