受験ブームの功罪 | 日仏ガビガビ家の愉快な生活

受験ブームの功罪

ここ10数年,日本中といっても都会のみですが,
小学生も中学生も,はたまた幼稚園も受験受験受験。
(鳥取ではどこ吹く風・・子どもたちは楽しく
外で遊んでます)
 
ニッポン(しつこいですが都会の)子どもたちは
洗脳されているかのように受験勉強させられています。
 
そしてその功罪が少しずつ現れてきています。
 
ずっと受験勉強させられてそのまま
大学に入った学生たち及び就職した新入社員。
 
足りないもの: 熱意,目的意識,解決能力,クリエイティビティ
 
不十分なもの:コミュニケーション能力,他者への共感能力,危機管理能力
 
全員が全員ではなく,もちろん受験を繰り返してきた人たちの中にも
こうした財産を兼ね備えたひとたちもいます。
 
しかしそうした人たちが目減りしているのです。
 
これやりたいんだ!! やらせてよ!!と親を困らせる子どもたちが
 
近年少なくなっています。 
 
親の言うことを聞くおりこうさんな子どもたちばかり。
 
もっと言うと,もう2歳からその問題の萌芽は現れており,
 
2016年度第27巻発達心理学研究という学会誌に
2歳児の反抗期の推移を10年単位で追った
研究が報告されていたのですが,
 
10年前に比較し,自己主張する,反抗する子どもが
激減していました。
 
一昨年の発達心理学会のシンポジウムでも,
近年幼児の体力・運動能力が低下していることが
報告されています。
 
じゃ,体育教室に通わせればいいじゃん?
 
スイミング,リトミックをやらせればいいじゃんと
 
そんな安直な話でもなく。
 
子どもが自分の意志の赴くがままに
 
思い切って駆け回り,のぼってみて,転がってみて,
 
自分の体の限界を知る。 心の動きを知る。
 
こうした経験が乏しいんです。
 
うちは受験させるつもりはないと思っても,
 
周りがしていれば,私も・僕も塾行きたい・・・と思うのが自然。
 
あぁだから思うのです。 日本から受験ブームなくなってしまえーー。
 
本格的な勉強なんて中学からでいい。
 
幼稚園は,ただ思いっきり遊んで体いっぱい動かして
自分の体を感じてほしい。
 
小学校時代は,必要最低限の宿題のみを出して,
学校から帰ったらまずランドセルを置いて公園に
行き,親に怒られるまで遊んでほしい。 
 
時々親に小突かれながら
宿題をやってほしい。 そして,家族といっぱい笑って疲れて,
明日はどんなに楽しい日だろうなと思いを馳せながら
ぐっすりたっぷりと寝てほしい。 親が心配するまで
深夜1時まで塾の宿題なんかしないで・・・
 
 
幼児期・児童期が失われつつあります。
 
この時期にしか得られないかけがえのない財産。
 
もっと大事にしたい。
 
子どもが子ども時代を全うできる社会になってほしい。
 
社会を支えているのは世のお母さん方が子どもに入ってほしいと
目指している一流企業,学者,医者などではない。
 
何十万種類とあるありとあらゆる仕事。
 
中には給与が安い仕事もあるでしょう。
 
給与が安い=不幸せ
 
ではない。
 
アメリカの研究では,高収入・資産ほど,精神疾患(うつなど)の
罹患率が高いという結果も出ているくらい。
 
子どもが寿司職人になると言ったら,とことん
やれ!と背中を押したい
 
学校の用務員さん! 素晴らしいではないか!!
 
子どもの将来の選択肢の幅を広げてあげたい・・・
 
それは賛成。 でも,私の中ではイコール受験勉強ではないですけどね!
 
受験ブームはビジネスです。丸。 
 
~余談~
私は課長に言います。
 
「おりこうさんすぎるよ~,もっと悪い子ちゃんになれぇ~♪」
 
「算数,半分しか点取れなかったんだ。 ま,いいよ。
ママも大っ嫌いだったし,0点とかしょっちゅうだったし,
大の苦手だったから。 だから,そこそこ頑張れ。」