久しぶりに卒業生と飲みました!


だいぶ暑くなって来ましたネェ。いよいよ梅雨明けでしょうか?

今日は久しぶりに休日でしたが、ある学校の『保護者意識啓発事業』の講演会を聞きに行ってきました。この事業は私の持っている事業の一つで、就職を希望している保護者を中心に、企業に対する認識や、今の現状をちゃんと理解してもらうために、企業の人事担当者や、学識経験者に講演をしてもらうものです。


何で、今回の講演会に参加したかと言うと、講師が高校の時のクラブの後輩だったからです。しかし、その後輩も、ある有名なスーパーマーケットチェーンの本部人材開発部長を務めており、すっかりと見違えていました。


興味半分で参加した講演会でしたが、なかなか内容も、企画自体もいいものでした。この学校では32名の就職希望者がいるそうですが、今日はそのうちの30名の保護者が参加していました。なかなかこういう企画には参加してくれないのが悩みなのですが、進路部の先生方の切実な呼びかけもあったのでしょう。

参加した保護者も、講演を熱心に聴き、求人票を真剣に見たりして、いよいよ就職戦線が始まるんだなぁという実感がありました。


また、後輩の人事開発部長の話もなかなかよく、すごく勉強になりました。明日は(今日かな?)はある学校でスキルアップ講師をしなければなりません。そのためのねたがたくさんできました。企業も、いろいろ大変なんだなぁという話や、どういう人を求めているかという企業の人事部の生きた話は本当に迫力がありました。

すごく勉強になったのは、企業は人を求めています。という話は何度もしてきたのですが「決して人手を求めているわけではない」という話です。「人手」というのは、指示をされたことをこなしていく労働力のことを言うようで、(言い方が悪いですが・・・・)誰でも代わりができる仕事。ところが企業が今求めているのは「人材」という話です。そういえば確かに「人材不足」という話を聞いたことはありますが、「人手不足」という話はあまり聞きません。


「人材」というのは、将来的に企業に利益をもたらしてくれうる期待をさせる人らしいです。人事はそういう人物を本当に数分で見抜けると言っておりました。


それと、企業を選ぶときのポイント言うか、長く企業に勤めるためのポイントは「企業との価値観の一致」だそうです。企業理念とか、どういうことに重点を置いているのか、何を目的に利益追従をしているのか。ということなどがぽんとになるようです。その後輩も、バブル全盛期にとある都市銀行に就職をしていたそうです。仕事は本当に面白く、朝から夜中まで仕事に没頭していたようですが、なにか心のどこかで「何かが違う」と想い続けていたそうです。それはなんだったかというと「お客様との接点」だったそうです。


バブル期ですので、彼のお得意さんはお金持ちの人ばかり、定期預金1億2億なんていうのは当たり前の世界だったようです。ところが、窓口に来た「住宅ローン」の相談の人に1時間ほど相手をすると、上司から「あんな客に1時間も時間を空けるな!もっとやることがあるだろう!」と叱られたり、年金が入ったのだけれど、銀行に預けるために持っていけないお年寄りの所に集金に行ってきたら「そんな時間があるなら、もっと大口のお得様を回れ」と激を飛ばされたりしていたそうで、それが彼には非常に苦痛というかキャリアアンカーが違っていたのだということです。


結局彼は、高額な給料も、地位も名誉も投げ捨ててその会社を退社します。自分の生き方としてこの会社のやり方がどうしてもあわなかったそうです。そして、今の会社「スーパーマーケット」に再就職をしました。そこで彼は「お年よりも、お子さんも、お金持ちも、そうでない人もみんな同じお客様」ということを見つけます。それが彼の一番やりたかったことのようです。今は給料も下がり、生活は苦しくなったけれど、それには帰られない幸せがあるといっていました。


だから、子どもには「自分をもっと知って欲しい」とも言っていました。何に喜びを感じるのか、何が一番許せないのか、どういうときに嬉しいのか・・・・・など、仕事を続けていく上においては本当に大事なことになるようです。

それも、明日の話では子ども達に伝えられるのではないかと思います。いい話を聞かせてもらいました。なんだか「この会には行ってみよう~」って思う時は必ずなにか、ヒットするものがあります。これも引き寄せられているのでしょうか。本当に不思議です。また、彼を今後もなにかの会で講師をして欲しいと依頼をしましたところ、「ぜひ何でもやらせてください」との快諾!こうしてまた連携が一つ増えました。ありがたいことです。


さてさて、夕べは久しぶりに卒業生達と飲んでいました。

この前卒業したとおもったのですが、もう23歳。いろいろな人生を背負っています。結婚寸前で男が逃げたものや、子どもが産まれた途端に離婚を迫られたもの、いまだに彼がいなくて「コンパ」を企画して欲しいと懇願するもの・・・・それぞれの人生が始まっていますね。

でも、こうやって卒業した後も、何かあるにつけて集まってくれてその輪の中に私を入れてくれる優しい生徒達が本当に私の自慢です。ある先生にきくと、卒業後は一度も会ったことがないと言う先生もいますから、私は本当に幸せ者だと思います。

私は、23年間の教員生活(まだまだ続きますが)でまだ5回しか、3年生の主任をさせてもらっていません。毎日毎日、苦労して、やっと卒業するときには自分の体の一部を持っていかれるようで、毎回泣かずにはいられません。しかし、その子ども達は卒業後もちゃんと付き合ってくれるし、一番最初に卒業した子どもたちは、もうすでに37歳くらいになっていますが、いまだにちゃんとお付き合いしくれます。


こうして、私たちは「人間」を創っているという仕事に携わることができ、世に送り出した後もちゃんとフィードバックしてくれて、いろいろな相談をしてくれたり、一緒に酒を飲んでくれたり、一緒に悩んだり、喜んだりと一生お付き合いをしていくのだと思います。

本当にこの仕事をしてよかったなぁ・・・・ってつくづく思います。他の仕事では味あえないことですものね。


昨日も生徒に言われました。


「私の子どもをちゃんと主任してくれなければ困るので、元気でいてよ!」

「そーだなぁ・・・・」なんて、にんまりしていたら、そう!だめなんですねぇ。いまから生まれたとしても、高校に入るのは15年後・・・・・・・。丁度私は退職しているのですね。そういう夢はついえたわけです。なんだか、年をとることが急に寂しくなりました。


実は、来週も今度は違う年代の卒業生と飲む約束をしています。そのこたちとは一番頻繁に飲んでいるのですが「今回が一様最終回だから!」というので、何があったのかと思ったら、5人の仲間のうち母になる予定が4人!!つまり、向こう2年か、3年は飲み会ができるような状況ではないというのですね。だから、ちょっと小休止だそうです。なんだか、そんな話を聞きながらニコニコしてしまいます。


来週はどんな話が聞けるのでしょう?


私の本当にささやかな自慢は、こういう本当に素敵な生徒達とめぐり合えたことです。もちろん、頻繁には会えない生徒もいます。でも、そいつらともなんとなくつながっている気がします。ある生徒は、県外のホテルのかなり重職についているようです。そうとは知らずに、数年ぶりに「部屋取れる?」と聞いたところ、すごい部屋に、すごい料理が出てきて驚いたことがありました。「先生にできる恩返しはこれくらいしかないから」と言われた時に、本当に泣きながら夕食を食べたことを思い出します。


そういうことばかりを期待しているわけではないし、偉くなることだけがすべてではありません。でも、幸せになって欲しい。その想いはいつまでも消えることはありません。


ある生徒は、小学校の時から引っ込み思案で、自分に自信がなく、常に人の後ろにいた子どもでした。私のいた学校の来たのも、いくつも高校を滑ってなんとか、受かったという状況でした。でも、彼から見た私たちは「輝いていた」そうです。かれは、高校3年間で「こんな素敵な仕事がしたい!」と教師になることを決意し、大学に進学しました。そしていま、高校の教壇に立っています。私と同じ「商業」の教師です。まだまだ、これからですが、彼の第一歩は相当に大きな第一歩であったに違いありません。


こんな素晴らしい子ども達に合えるのはやはり『学校現場』なのです。学校現場で生徒と泣き、笑い、裏切られ、期待し、一緒にはしゃぎ、感動し、教え、教えられ、人間と人間の付き合いができるのが「学校」だと私は考えています。学校は生徒だけではなく「教師」も成長していく場所だと思うのです。

そんな、素敵な学校に早く帰りたい。もう、教育委員会という伏魔殿での仕事もそろそろお役ゴメンでしょう。


やっぱ、私には現場で泣き笑いしている教師が似合っていると自分でも思います。

それが私のキャリアアンカーなのかも知れません。