馴れた | 秘密の35年☆赤い糸の行方

秘密の35年☆赤い糸の行方

何度別れても、切れることのなかったふたりの糸。二股だったときも、彼が「あの人」と結婚してしまったときも、わたしが海外で暮らし始めたときも。音信不通6年、14年ぶりの再会から、再び動き始めた恋。国境を越えた超遠距離・婚外恋愛。

<「彼らしさ」の続きです。>

帰国まで残すところ、あと二週間。

帰る直前にもう一度
ユウさんと逢うことは決まっていたけど、
それ以外は約束していなかった。

ダメ元でお昼に逢えるかどうか
聞いてみようかな。



◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇
差出人: ゆりな

水曜日って空いてる?

またランチに一緒に行きたいな。
◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇



すぐに返事は来なかった。

24時間後に返信が届く。



◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇
差出人: 勇一

ごめん、このメール見落としてたよ。

電話くれればよかったのに。

代わりに木曜日はどう?

あ、水曜日は明日か。
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一緒の時間を過ごすことを
彼も快く思っていることが
伝ってくる文面。

思い切って聞いてみてよかった。



◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇
差出人: ゆりな

明日の朝、確認の電話入れるね。
◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇



彼に電話をかけるのは少し慣れた。

前ほど緊張することなく
話すことが出来た。



今度の待ち合わせは
彼の勤務先ではなく、駅前。

歩かずにすむので助かった。

わたしより10分ほど遅れて
彼が現れる。

「どこへ行くの?」

「イタリアン」

「こんなところにイタリアンの
お店なんてあるの?」

「結構多いんだよ」

路地を少し入ると、彼の言った通り、
あっちにもこっちにも
イタリアンレストランがあった。

但し夜から営業というお店が多い。

一軒目は開いていなかった。

二軒目でランチをやっているお店が
見つかる。

広めの席に通され、
向かい合わせに坐る。

話をしていて、彼の声が
おかしいことに気づいた。

「風邪ひいた?」

「うん、喉が痛くてさ」

明日はテレビの仕事が
入っているのに、大丈夫かな。

(続く)

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