住宅街で焼き鳥店を経営していたことがあります。
夜8時を過ぎるとほとんど誰も歩いていない暗い場所です。
自宅から徒歩1分、大家さん家の1階がテナントになっています。
近所つき合いのある大家さんだったので、家賃だけでいいからやってみない?と言われ、とりあえず店の中を見てみることにしました。
カウンター7席・テーブル席2席、15人で満席のお店です。
家賃は6万円・・・
全く興味がない店でした。
仕事仲間に相談しても、やめとけ、やめとけ!と言われるだけ・・・
私も、全くやる気はなかったのですが、良く見るとこの地域には、何年も営業していない空き店舗がたくさんあったのです。
人が集まる所でしか商売をしたことのない私には未知の世界。
もし、自分の考え方が正しいなら、赤字になるはずがない!と考えたんです。
その答えが知りたくて、結局そのお店で焼き鳥店をやってみることにしました。
はじめは、全国から銘柄鶏を仕入れ、商品力で勝負してみました。
焼き鳥の他に地鶏の単品料理や鍋、鶏の刺身やたたき、この辺ででは絶対に食べることのできない納得できるメニュー構成にしました。
いろんな人に試食をお願いし、接客や店内の作りも多くの意見を取り入れ、さほどお金をかけず完璧な店に仕上げたんです。
自分たちでポスティングをし、当日は新聞折り込み、住宅街ではやり過ぎなくらい宣伝をしました。
おかげさまで、オープン後は連日満席!週末は最高4回転で来客数60名で、よし大丈夫だ!と少し安心してたんです・・
ところが・・・開店から1ヶ月でピタリとお客様の入りが止まってしまったんです。
開店後の混んでいたときの事を思い出しても思い当たることはありません・・
・味も価格も満足してくれた・・
・店内は盛り上がっていた・・
・店員も接客が慣れていて問題ないはずだ・・
なぜだ、なぜだ、、、
商品力で完全に差別化をしたはずだ・・
でも客が来ない・・
客は何を求めているんだ・・
そして開店から6ヶ月後とうとう赤字を出してしまったのです。
色々分析していくうちにあることに気が付きました。
普通の焼き鳥店に比べて、メイン商品である焼き鳥単価が高いにも関わらず、お会計の1人単価はそれほど高くなかったのです。
もっと詳しく調べるとビールなどのアルコール類の販売数が少なすぎることに気が付きました。
料理はおいしいが、ゆっくり酒を飲める店ではなかったのです。
それが本当なら大問題だ!
早速、ミーティングを開き、解決策を考えます。
そのまえに、お客さんの滞在時間をもっと詳しく調べてみようという事になり、全てのお客様の滞在時間をチェック!
結果、平均滞在時間70分・・・
開店当初の満席の状況と回転数を見て気が付いていればこんなことにはならなかったんです。
諦めの悪い私は、原因がわかったのなら改善策はある!
絶対この地域でNo1の店にしてやる!
と心に決め、次の新しい戦略でチャレンジしたのです。
私自身が経営した小規模飲食店でのお話です。
時間がある方は読んでみてください!
●住宅街の10坪焼き鳥店物語:最終回
●番外編【お店の売り文句】
お客様の気持ちを想像することの積み重ね・・・本当に大切なことです。