実はこの想起術、
インスピレーションが来る数年前に、
こんな体験がありました。


この体験がなければ、
想起術のインスピレーションも軽く受け流していたと思います。


29歳の独立当初、
ある彼女と付き合ってました。

(※実は今の奥さん)


デートでドライブするにしても、
社用車のバンでは格好が付きません。


そこで、普通の若者のように、
一度、乗用車で夕陽を見ながらデレデレしたかったのです(笑)。


でも、独立したてで、
そんな車など買える余裕はありません。


そこで夜の10時半頃、
布団の上で座禅を組みながら
「車が欲しい・・・車が欲しい、できればこんな形の、4ドアで大きい乗用車・・・」
と具体的にイメージしてました。


ところが途中でいろんな雑念が浮かび、
全然別なことを考えてしまいます。


ホントは欲しくなかったのかも知れません。


イメージしている時、
頭のはるか上に障害物のような、
《壁》のようなものが立ちはだかっていて、
そのバリアのような壁に私の念が当るたび、
雑念が浮かぶことが分りました。


「この壁さえ抜ければ思いは叶うのになぁ・・・」


その時は自分の見栄だけで、
「彼女とドライブ・・・」といった欲の気持ちだけでした。


「一体、この壁はなんだろう?」と思った瞬間、
《ゼンガ!》と心に響きました。


「ぜんが?・・・なんだそれ?」


私は禅を組んでいましたから、
《禅》のことを言っているのかなぁ、
この組み方が違うのかなぁ・・・


それとも、
《銭》って言ってるのかも知れないから、
お金に関する思いじゃいけないのかなぁ・・・


などと、ボーと思っていました。


いつの間にか、彼女とのドライブの妄想は消え、
会社の仕事に、
その車を使っているイメージが心を占めていました。


それが自分にとっては自然なイメージでした。


その時です、その壁は消え、
いきなり僕の思いが、
天に吸い込まれていく感覚を覚えました。


「あれっ?」と思いました。


なんとその瞬間、
目の前にその車があるではありませんか!


あくまでもイメージの中で見えたのですが、
眠かったせいもあるのでしょう、
「欲しい、欲しい」と思った車がはっきりと目の前に現れたのです。


色も形も、凹んだ箇所も分ります。


一目で中古車ということは分りましたが、
明らかに自分の所有物だという確信があります。


「なーんだ、既に俺はこの車を持っていたんだ・・・」
と、うつろながら思いました。


「さっき、車のキー、抜いたっけ?」


まるでずっと前から通勤で使っていたかのように、
車のキーの掛け忘れまで心配しています。


ぼーっとして、
寝てるんだか起きているんだか分かりません。


「まっ、明日でもいいか…」


その後に眠気が襲ってきて、
あまりにも心地良さで、
すぐに布団をかぶってその日はそのまま眠ってしまいました。


・・・その翌日の朝7時半頃、
いきなり枕元の電話が鳴りました。


「本井、お前、今度結婚するんだってな?
もし良かったら、俺の車、
ポンコツだけどお前に上げようか?結婚祝いだ!」


「!!!」


新入社員で就職した会社の先輩、露久保氏からでした。


そして私は思いが叶ったことを確信しました。


それも、即…


早速、週末に千葉までその車を見に行ってまたビックリ!


駐車場に止めてあった数十台の車の内、
私は先輩の前を足早に歩いて、
「先輩!この車でしょ?」と聞きました。


先輩は、
「あれ?お前にこの車は見せたことがないはずだぞ?何で分かった?」
と不思議がっていました。


明らかに昨晩イメージで浮かんだ車と同じ車両が置いてあったのです。


マークⅡの中古車で、
イメージと同じドアのところに凹みがありました。


私は本当に、
イメージを浮かべただけで車を手に入れてしまったのです。

(※これも物質化現象?)


明らかに予知ではないことが分かりました。


露久保さんは、
前々からその車を下取りに出して、
新しい車に買い替えることを考えてました。


ところが、僕がイメージを浮かべている丁度同じ時間に、
別な先輩、奥貫氏から僕が結婚する話を聞いたそうです。


「そうか、本井は結婚するのか…」


そして翌朝一番に、
僕に電話を掛けてきたという訳です。


奥貫先輩にも後で聞いたところ、
やはりその夜の、同じ時間に急に起きてしまったそうです。

(※起こされてしまった?)


「寝てたのに、急に目が覚めて、露久保さんに電話しなきゃ…」と。


もう布団に入っていたのに、
わざわざ起き出して、夜の11時頃に電話したんだそうです。


先輩二人とも家庭を持っていますから、
普通ならそんな時間には電話しないと思います。



さて、聞こえてきた《ゼンガ》ですが、
その後、速読術を企画していたので、
参考図書を探しに、新宿紀伊国屋に行きました。


目指す本がなくて、店内をウロチョロしてました。


いろんな所を回っていたのですが、
なぜかいつも、
精神世界コーナーに行き着いてしまいます。


その一角の本棚には、本の入れ替えでしょうか、
数冊が置かれているだけでした。


ある一冊を手に取った瞬間、
どこからか、
《アラワセ!》…という声が聞こえました。


アラワセ???


周りには誰もいません。


変だなぁ…と思いながらも、
手に取ったその本をパラパラめくりました。


時代遅れのシンキ臭いイラストが書いてあり、
恋愛小説のようでもあり、宗教書のようでもあり…


「関係ないか…」と思い、また店内をウロチョロ。


するとまた、
いつの間にか同じコーナーに戻ってしまいました。


それが3回も、手に取っては戻し…。


いつの間にか、レジに並んでいる自分がいました。


タイトルは、『愛は憎しみを越えて』。


会社に戻る電車の中で読んでいました。


最初、ぱらぱらとめくっていたところ、
ある文字に引き付けられました。


「善我」と書かれていた文字でした。


「そうか!あの“ゼンガ”は、このことだったんだ!」


余りにも出き過ぎた話にビックリしました。



自分に嘘の付けない、


正しく素直な思いが念となり、


それがイメージとして動き出し、


はっきりとした画像で浮かび上がると、


現実なものとなる・・・



要約すればそんなことが書いてありました。


まさしく僕が体験したことです。


欲で念じていた思いは、
自分の中の「善我」という壁に遮られていたのです。


どうも、
見栄や単なる欲の願望だけでは、
物質化現象は起きないように思います。


そしてこの《壁》は、思い浮かべる願望に対して、
自分の中で罪悪感を感じていたり、
現実的でないと思ったり、
「まず無理だろうなぁ…」と思ったりしていると、
かなり取り払うことが難しくなることも分かりました。


だから、前に述べた『21日間陰膳』と同じで、
宝くじは絶対に当たりません(笑)。
(※試したのかよ~?)


想起術講座の終盤に、
この願望実現法を組み込みました。


毎晩、眠る前に、
特殊な呼吸法を取り入れ、生徒に毎晩座禅を組ませたのです。


そうしたら予想していた通り、
全ての生徒に《壁》が現れましたが、
最終的には僕と同じように、その壁を取り払うことに成功したのです。


11月には、全員が合格を確信しました。


無理に《思い込み》で確信したのではなく、
『合格しないことがおかしい』…くらいに皆が思ったのです。


周りが奇跡に思う難易度の受験であっても、
本人は「合格したのは当たり前」…っていう感じです。

(※未来が過去になる)


そしていざ合格すると、
我に返ったように大喜びしました。


まるでプラトンの『イデア論』です。


「ウィデオ」が「ヴィジョン」になり、現実化する…


つまり、

『目に見えないものを目に見えるものとしてアラワス』。。。


目に見えない世界は、
現実社会でシンクロするんだなぁ…


と、つくづくそう思った次第です。