読み始めてからしばらくして、「あぁ…こういうタイプかぁ…」と思ったのだが、こういう、昔で言う灰谷健次郎的本は好きではない。説教くさく感じるからである。

認知症は治らないし引きこもりが捨てられたらますます引きこもる。

そういう場面しか見てこなかったので、本当にこんな例があるのかもしれないとは思いつつも、まさか孫の名前も分からなくなっている人が最終的にはまともに人の名前を識別できるようになるなど、現実を生きている人たちには救いようのない話ではないか。

こういうフィクションが大嫌いなのである。

 

 

しかし…

そうは言っても「良作」とされているものだからとにかく最後まで読んだ。その上、どこかでは冷めた目で見ながらうっかり涙する場面もある。大体において私の涙は安い。

そして、タイトルのことを考えたのである。

登場人物のうち若い人たちは、とにかく3ハウスがまずい。だから4ハウスが揺らぐ。

3ハウスは割と軽視されがちというか、「ふーん」的扱いを受けやすいハウスのように思うが、当然何かを意思表示する場面なのだから必要不可欠なのだ。そして、家族というのはある意味では幻なのだから、その幻を現実として自分の土台に据えるためには絶対に必要で、それを据えるさらに土台になるのがコミュニケーション、3ハウスということになる。

 

太陽が3ハウスにある人には鑑定でどう言えば良いのか?とよく聞かれるが、3ハウスというのは言ってみればパッチワークの世界だと思っている。寄せ集めと言ってしまえばそれまでなのだが、この寄せ集めによって壮大な作品が出来上がる。出来上がった作品は圧巻で、そしてそのパーツの一つ一つを見るごとに「あっ、これはあれだ!」などという発見があるのが面白い。コラージュなんかも同じで、よくよく見るとその中には独立した何かの造形や写真があって、その相互作用を両方楽しめるのがいわば3ハウスである。

 

人間関係を円滑にするためにまず必要な場面が3ハウスであり、いろいろな人ととにかく関わっていくこと、その範囲は決して広くはないけれど___つまりパッチワークにすると言っているのだから布以外のものはダメだというルールがあるので___それぞれの人を尊重してそれぞれの人とうまく付き合って行って、それが将来(11ハウス)の自分(1ハウス)を作るのである。 

3ハウス自体には「兄弟」という意味もあるが、そういう点ではやはり自身と似ている側面を持つ人が3ハウスであるということがより分かりやすいのではないだろうか。つまり3ハウスで知り合う人というのはある種類友で、それを引っ提げて7ハウスでは何の接点もなかった人たちと関わることになるのだが、結局ここでは3ハウスの抽出としての7ハウスが発現するだけだから、やはり人間関係は類友なのである。ということが分かるし、ついでに言えば人は鏡(本来は「鑑」)だと言える。

 

 

この中で起きる問題の全ては、3ハウスマターで起きている。学校でのいじめにしても、おばあちゃんが認知症になることにしても、引きこもって何を考えているのか分からないようにしていることも、そして要らん事言ってむっとさせる純平も。ただでさえ3ハウスは狭いのに、その狭さに拍車をかけながら横目にチラ見して「でも、自分のことは好きでいてくれるよね?」という視線を投げかけるのだ。そんなに世の中甘くない。さすがのお母さんだってプッツンしちゃうのだ。その結果捨てられるという最悪なことが起こってしまうわけだが、しかしその最悪なことによって自分の4ハウスについてもう一度思い起こす、ということになった。すなわちおばあちゃんのところへいくという、自分のルーツを訪ねることになったわけだ。

 

 

 

個人的なことを言えば、4ハウスの「ルーツ」「祖先」という解釈が好きではない。それを自分の人生の中に持ち込んでどうするというのだ、という気持ちが少なからずあって、そんなどうしようもないことを言われても…と困惑するのだ。しかし、最近戸籍を辿れるだけ辿ってみたらなかなかどうして面白いことがあって、やはりこういう感情が出てきたというのが、若さをなくしてきたということだろうかと考えたりもした。3ハウスでは満足できなくなるのが9ハウスだとしたら、「過去」という意味においては4ハウス=先祖ではあるかもしれないが、自分ではどうしようもないことというのもまた、9ハウス的なのかもしれないと考える。もしかしたら9ハウスの「意志」が息づいているとしたら、これこそが12ハウスなのではないか。そこを貯蔵庫にして、一応は自分というものを形作っているように見える1ハウスで表現していくのかもしれない。

 

 

引きこもりの全員がそうなのではないが、少なくともこの本の中での引きこもりの青年は、自分は一人でも生きていけるという傲りがどこかにあって、それは甘えでもあるし怠惰でもあるし、世界が自分中心に回っていると勘違いしているのである。そんなわけはもちろんないのだが、だからまともにコミュニケーションを取ろうとしないしせっかく作ってもらったものに対して文句を言うし、ということができるのである。これが傲りでなくて何だろうか。

相手のことを知ろうとするその姿勢からすでにコミュニケーションは始まっており、それが間違っていようが正しかろうがそんなことはどうでも良いのが3ハウスだから、とにかく発言をしなければならない。黙りこくっていてはいくら家族であっても分からないのだ。赤ちゃんの泣き声で今何を求めているのかが母親には分かるというものの、それも初めからそうだったわけではないだろう。こうした繰り返しによるコミュニケーションの試行錯誤でもって円滑に生活ができるようになっているのだから、大人になってから急に「分かるだろ」というのは子供以下なのである。赤ちゃんと同レベルと言っても良いかもしれない。たまにそういうオヤジがいて、店員に向かって商品名のみを述べるという場面に出くわすことがあるが、要するにあれはむさくるしいナリの、中身は赤ん坊なのだ。

 

通常、3ハウスのことは生活の中で当たり前にやっている。だからこそ、「さぁ、3ハウスの意味を考えましょう」となると急に「えっと…教育?コミュニケーション…」と自信なさげになるのだろう。2ハウスよりも4ハウスよりも、圧倒的に3ハウスのことの方が自然に身についているはずである。社会活動における6ハウスは3ハウスにあたるので、つまり仕事をしたり誰かと何かをやる時には必ず3ハウスが必要になる。それを「すり合わせ」「打ち合わせ」と言うではないか。

こうした「作業」が安心感となって本人の4ハウスになっていく。もともとは確かに与えられたものとしての側面が大きいかもしれないが、4ハウスはある程度の年齢になれば自分で構築していかなければならないし、そのやり方を教えてくれるのが3ハウスにいる人たちなのではないか。

 

 

 

 

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