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※QOL(Quality of Life)は「人生の質」「生活の質」などと訳され、私たちが生きる上での満足度をあらわす指標のひとつです。

歯を大切にする人は「最高の人生」を手に入れる 80代患者「本当によかった」 歯科医が伝えたいこと



「歯科の治療は1回で終わらないのは、お金をもうけるため?」「なぜ次の予約は翌日ではダメなのか?(早く診てもらいたいのだが、不可能なのか?)」「治療の途中で歯科衛生士に代わるのはなぜなのか?」……。

 例えば、歯科治療が1回で終わらない大きな理由は、お金もうけのためではなく、腫(は)れたり、痛みが出ている歯を一度に治療すると、患者さんのからだに負担がかかるからです。これを話すと、編集部からは、「えっ?そうなんですか?」とびっくりされる……。

 私たち歯医者が思っているよりも、患者さんには歯科の情報が正しく伝わっていないこと。それどころか、誤解されていることが多い現実を知り驚きましたし、反省もしました。

歯を守ることがいかに大切か、ということです。「そんなことわかっているよ」と思うかもしれませんが、今一度、その理由を知ってください。命に関わる病気と違い、歯の病気は軽視されがちです。しかし、その認識は違います。

 どんな動物も歯がなくなると、獲物を捕れなくなり、えさを食べられなくなるので死んでしまいます。人間はそうはなりませんが、歯がなくなると、野菜や硬い肉、魚などはかめなくなり、栄養が偏ります。

 最近は高齢になってから、がんの手術をする人もたくさんいます。大きな手術をした後は体力の回復のためにも、しっかり栄養補給をすることが大事ですが、歯がないと十分に食事が取れません。歯がない人はかめないので、脳に血流が行きにくくなり、認知症のリスクが高まるという報告もあります。

 さらに、「食べる楽しみが損なわれる」ことも忘れてはいけません。クリスマスに家族でおいしくチキンをほおばったり、新年、おせち料理を食べたりできるのは、健康な歯があるからです。きちんとかめる歯があれば、高齢になってもお孫さんと連れ立って、話題のお店に繰り出すこともできます。

 歯がなくなると顔貌(がんぼう)が変わりますが、健康な歯がそろっている人は、口元が若々しく、年齢を感じさせない人が多いですね。つまり、歯を大切にする人は最高の人生を手に入れることができるのです。


「歯がなくなったらインプラントにすればいい」という人も多いですが、インプラントは高額(1本30万円前後)です。また、おいしさを感じることに関与する歯根膜も、インプラントにすると失われてしまいます。喫煙者や持病があるとインプラントの手術が難しいなど、手術を受けたくてもできない場合もあります。もっといえば、健康な歯はインプラントよりもずっと硬く、じょうぶです。



 歯を守るために大事なことの一つは、歯を失う最も多い原因であり、日本人の約7割が罹患(りかん)する歯周病を早期発見し、悪化させないようにすることです。

 歯周病の原因は食べかすに細菌が集まってできる「プラーク(歯垢、しこう)」です。プラークは歯と歯の間や、歯ぐきと歯の境目などにたまりやすく、歯石になると除去できなくなります。

 プラークは歯みがきで取り除くことができますが、どんなにていねいにみがいても、みがき残しがでるものです。このため、歯医者に定期的に通って、専用の器具でプラークを取り除く「メインテナンス」という処置が欠かせません。歯科で歯周病やむし歯などの治療が終わっても、「来月、クリーニングに来てくださいね」などと言われるのは、このためです。

 進行した歯周病があると糖尿病が悪化したり、アルツハイマー病のリスクが高くなったりするほか、動脈硬化やある種の肝臓病、腎臓病やリウマチ、がんなど、全身の病気の引き金になることが明らかになってきています。また、歯周病があると誤嚥(ごえん)性肺炎になりやすいことから、がんの手術前には口の中を歯科医がきれいにすることが当たり前になりました。テレビでも報道されましたが、能登半島地震の避難所では誤嚥性肺炎予防の観点から、高齢者に口腔ケアの指導がおこなわれています。

歯の大切さは年をとって実感するものです。

「若いときは、正直、歯の大切さがまるでわかっていませんでした。メインテナンスも先生に言われるまま、なんとなく通い続けていたのです。今は周りに歯で苦労している友人がたくさんいます。私は孫と一緒にステーキはもちろん、何でも食べることができる。歯を大切にしてきて、本当によかったと思います」

歯科医の役割は私が歯医者になったころから大きく変わりました。歯医者はすでに歯の健康だけを守る役割ではなく、歯を通じて全身の健康を守る役割を担う時代に入ってきています。医師も歯について学び、歯科医師もからだについて学ぶ必要があります。だからこそ、医学部と歯学部がもっと密接に関わってほしいとも思います。

 読者の皆さんには、からだのことまで考えてくれる勉強熱心な、かかりつけ歯科医を探してほしい。さらに、お子さんがいらっしゃる人には、子どもを歯周病にさせないために、早い時期から、こうした歯科医のもとで予防に取り組んでほしいと思います。








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