ユア・ソング〜君の歌は僕の歌〜6 | GIN@V6〜since20xx〜

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You've got the best choice!!


イカツイおっさんが立ってるイカツイ門

その前で一旦車を止める

 
「坊っちゃん、お疲れ様です」

ドスの効いた声


…『坊っちゃん』はやめろってば
俺いくつだと思ってんだよ
 
ホントいつまでも抜けないよね、そうゆうとこ
 
まあ、その髪型もスーツも今更変えろったって無理だろうし、もう染み付いちゃってるんだもんな

…しょうがないか


 
ガレージの前まで行って、また車を止めた
 
「お疲れ様です」
 
寄ってきた若い奴が、運転席のドアを開けて
俺は車から降りる

 
「中にゴミあるから捨てといて。あと、洗い物も頼む」
 
「ハイッ」
 
差し出された手に車の鍵を落とした

 

 
ふぇー…疲れた

初日から幸先いいのは嬉しいけど
思ったより忙しかったな
 
さて、風呂入ろーっと


家の中に入りかけた俺に、背後から待ったがかかる
 
 

「大層な身分だな?え?坊っちゃん」
 

……ちぇっ、嫌な奴に見つかっちゃった


「…うるさい」
 


振り返ると、ダークスーツに身を包んだ長身の男が、馬鹿にしたような顔して俺を見てる
 

「フッ…坊ちゃんじゃねーの?……あぁ、支店長だっけ。コイツのこと雇ったのか?」


俺が鍵を渡した若い奴をアゴで指した


「給料はずんでやってくれよ?もちろん、支店長のポケットマネーで」


「別に…ちょっと手伝い頼んだだけで…雇ってねーし


いいじゃん
ちょっとぐらい、手伝わせたって


「そうなのか?何なら、俺が片付け手伝ってやってもいいぞ。その代わり…」

 
「分かった。分かったから。自分でやるって」



踵を返してガレージに戻った

鍵を受け取って車に乗り込む

 
苦手なんだよな、車庫入れ
それに、この車デカイし
やっぱ軽ワゴンにしときゃよかった

 
なんとか車庫入れを終えて、洗い物片して、ゴミ捨てて…あ、掃除もか



…ふぅ、終わった

疲れた…


1人でやるとは言ったけどさ
可愛い弟に容赦なくね?

クソ兄貴…いや、代表


 
兄とはいえ腹違いだから名字は違ってて
筋から言えば、俺が直系

昔流儀で跡目を継がせるとしたら、俺になるんだろうけど
 
ずっとおじいちゃんの片腕で仕事してきたんだし、修羅場もくぐり抜けてきたって聞いてる

ジャックナイフの2つ名はその時ついたモノだって誰かが教えてくれた



人望も厚いし…まあちょっとヘタレなトコはあるんだけど、そこは周りがカバーしてくれる


どう考えても兄貴の方が適役


それにさ、俺なんかが睨んだところで誰も言うこと聞きゃしないだろ?
今だに坊ちゃん扱いだぜ




 
このご時世だから、今は代表って呼ぶことにしてるけど

兄貴は平たく言えば四代目組長



そう、ウチはカタギじゃない