碧いラフレシアの花 その885 | 連載性春小説  碧いラフレシアの花

連載性春小説  碧いラフレシアの花

好きじゃない人と天国へ行くよりは


好きな人と地獄に行きたい


ある女の子の80年代


真帆の目から涙がこぼれた。

今となっては何の涙かは分からなかった。


KENちゃんと不倫をしていたときの真帆は命がけだった。


世間は真帆を必要としていたが


KENちゃんはもう真帆を必要としていなかった。



TAKAとの離婚もとん挫している状態で


やたら自伝レディースコミック漫画だけがうけていた。


赤坂のクラブの裏売春でお弁当と呼ばれて配達されながら

TAKAに貢いだ日々。

きょうだいで2人でかかってきた客。


ダークな思い出がすべて売り上げに結び付いた。


それが恥ずかしくて本当に愛したKENちゃんは

一切漫画に描けなかった。



KENちゃんと同棲した頃

KENちゃんがメジャーデビューした頃

真帆が漫画家になったころ。



若い頃は何もなかった。

でも一生懸命な

愛がいっぱいあった。