☆テツコの部屋☆~映画評論館~ -174ページ目

クローズZERO Ⅱ

77点
大ヒット不良映画の続編。主要キャストはほぼ続投。今回は鈴蘭高校と鳳仙学園の抗争をメインとしたストーリー。
本作ではコミカルな描写はほとんど省かれ全体的に深刻な雰囲気。しかしそのわりに中盤は会話シーンが多く、なかなかケンカが始らない。133分という尺もあってか、中だるみはかなり長い印象。
ただしクライマックスの乱闘は前作よりも上。新キャラに魅力があるため緊張感も増している。
ダントツに一番強いはずのリンダマンの出番が少ないのは不満だが、全体的には前作に勝るとも劣らないクオリティ。

監督:三池崇史
出演:小栗旬、山田孝之、金子ノブアキ、高岡蒼甫、上地雄輔、桐谷健太、三浦春馬
2009年  133分

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ブーリン家の姉妹

30点
16世紀、イングランド王室での後継者をめぐる話。王の愛を得ようとしたブーリン姉妹の物語。
当然ながら思想や文化が全く違うため、なかなか感情移入は難しい。刺激的描写は少ないため安心して見れるが、その分退屈な部分も長い。
姉妹役ナタリー・ポートマン&スカーレット・ヨハンソンの美しさはさすがだが、正直言ってこの2人に新鮮味はないなぁ。
史実の再現という意味では完成度は高いが、映画としては残念ながら面白くない。

監督:ジャスティン・チャドウィック
出演:ナタリー・ポートマン、スカーレット・ヨハンソン、エリック・バナ
2008年 115分
原題:THE OTHER BOLEYN GIRL

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グラン・トリノ

56点
『ミリオンダラー・ベイビー』『硫黄島からの手紙』『チェンジリング』でおなじみクリント・イーストウッド監督作品。今回はクリントが主演、他の出演者は全て無名のキャスト陣が演じている。
昔気質の頑固な老人の隣家にアジア系の一家が引っ越してくる物語。
偏屈すぎる老人と気弱な少年との交流を描いた展開。しかしアジア系登場人物に個性が感じられず、映画に華がない。
ストーリーは単純。どこかコミカルに進む構成はアットホームな雰囲気。しかしやはりというかなんというか、終盤はクリントお得意の暗~い締めが待っている。
正直、無理してこんな後味の悪いクライマックスにしなくてもよかったのに、と思う。結局はクリントがおいしい部分をさらっただけという印象。
クリント得意の人間ドラマで世間一般の評価は高いようだが、個人的にはこのラストからは何のメッセージも伝わってこなかった。

監督:クリント・イーストウッド
出演:クリント・イーストウッド、ビー・バン
2008年 117分

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ファニーゲームU.S.A

81点
鬼才ミヒャエル・ハネケ監督が97年に製作したオーストリア映画『ファニーゲーム』を、ハネケ自らハリウッド用にリメイクした作品。あまりに衝撃作だったオリジナルを、ほとんどそのまま焼きなおしている。
別荘地を舞台に、若者の理不尽な暴力を描いたサスペンス系物語。
主人公一家と偶然知り合ったイケメン青年2人が、突然暴漢へと変身するさまが実にうまく表現されている。暴力の直接描写は意外に少なく、グロい映像もないが不快指数は最高。良識ある人はラストまで見れないかもしれない。
ただサスペンス映画を見慣れている人であれば、このハネケ監督が仕掛けた「ゲーム」に思わず引き込まれてしまうはず。
見終わった後は間違いなく不愉快になるであろう本作。しかしこの悪意、実は誰の心にも潜んでいるものだとしたら怖い。

監督:ミヒャエル・ハネケ
出演:ナオミ・ワッツ、ティム・ロス、マイケル・ピット、ブラディ・コーベット
2007年 111分
原題:FUNNY GAMES U.S.

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トワイライト~初恋~

47点
ベストセラー小説の映画化。よくある高校生同士の恋愛、しかし彼氏が実はヴァンパイアだったという展開。
全米でNO.1を記録したという本作の魅力は、クリステン・スチュワートとロバート・パティンソン2人の主演による部分が大きい。吸血鬼という題材や他の出演者などはあくまで2人の恋愛を引き立てる役目にしかすぎない。しかし映画としてはその辺物足りなさを多分に感じる。家族や友人、あるいは吸血鬼の背景をもっと深く見たかった。
演出は地味で、ヴァンパイア一家の能力はどちらかと言えば控えめ。映像と音楽は美しいがやはり2人のファン以外には厳しい内容。

監督:キャサリン・ハードウィック
出演:クリステン・スチュワート、ロバート・パティンソン、テイラー・ロートナー
2008年  122分
原題:TWILIGHT

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ザ・クリーナー 消された殺人

51点
殺人や事故などの死体で汚れた部屋を後片付けする「特殊清掃人」の男が犯罪に巻き込まれる物語。
設定は面白いが、ストーリーが微妙に複雑。誰が誰を殺して黒幕は誰なのかがわかりずらく、また主人公にも非があるため敵味方の区別もあいまい。
目的意識も希薄で、誰が何をどうしたいのかもうまく伝わってこない。警察側の不正も描いているが、これも最近ありきたりだし。
「ラスト6分41秒、この罠は見抜けない!」がキャッチコピーだが、罠はともかく非常に後味の悪いラストはいただけない。

監督:レニー・ハーリン
出演:サミュエル・L・ジャクソン、エバ・メンデス、エド・ハリス
2007年 90分
原題:CLEANER

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ハッピーフライト

80点
『スウィングガールズ』の矢口史靖監督作品。空港を舞台にした物語。とあるホノルル行きの便をめぐったコメディ映画。
主人公はおらず、管制塔、パイロット、スチュワーデス、整備士などスタッフ全般が交互に登場する構成。新人もいればベテランもいて、その人間関係がメインに描かれている。
次々起こるトラブルは多少オーバーに感じられるもののストーリーはしっかりしており、ただのドタバタ作品にはなっていない。なるほど矢口監督らしい面白いストーリー。
しかし話が駆け足で、各エピソードも薄い表現でしかない。それぞれの人物をもっと深く描いてもよかった。
いい意味で物足りなさが残る作品。

監督:矢口史靖
出演:田辺誠一、時任三郎、綾瀬はるか、寺島しのぶ、吹石一恵、田畑智子
2008年  103分

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ヘアスプレー

41点
1987年に映画化され、2002年に舞台化もされた作品のリメイク。
60年代初頭、まだ人種差別が残るアメリカ・ボルティモアでの話、差別や偏見を歌とダンスで笑い飛ばす展開。
全編能天気な構成は確かに楽しいが、ミュージカルなのでストーリーは薄く、努力や苦労の過程が全く描かれていないため感情移入は難しい。
1000人以上の候補から選ばれたという主演のおデブちゃん女の子に特に魅力を感じる事はできなければ、正直途中で飽きる。曲は好き嫌いがあるからね。60年代のボルティモアを背景にした曲なんて、埼玉人の俺がわかるわけなかろう(笑)

監督:アダム・シャンクマン
出演:ニッキー・ブロンスキー、ジョン・トラボルタ、ミシェル・ファイファー、クリストファー・ウォーケン、ザック・エフロン
2007年 117分
原題:HAIRSPRAY

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マンマ・ミーア!

82点
有名ミュージカルの映画化。イギリスでは『タイタニック』を破る興収No.1記録を打ち立てた大ヒット作。
舞台は絶景のエーゲ海に浮かぶ孤島。結婚式を翌日に控えた母子家庭の物語。娘が母の日記を頼りに、会ったことのない父親と思われる3人の男性に招待状を送る展開。
全編、ABBAのヒット曲を網羅している。肝心なセリフはほとんど曲で、突然歌いだす演出に慣れてないと正直驚く(笑)
ABBAの曲はどれもが名曲ばかりで、ここまでクオリティの高い曲が並ぶ構成は凄いの一言。歌やダンスははっきり言ってお粗末だが、素人臭く歌い踊る姿は逆に楽しく身近に感じられ、思わず仲間に入りたくなる気分にさせられる。
ここ日本では層がかなり限定されてきそうな映画だが、ABBA世代でなくとも充分楽しめる作品。

監督:フィリダ・ロイド
出演:メリル・ストリープ、アマンダ・セイフライド、ピアーズ・ブロスナン、コリン・ファース
2008年 108分
原題:MAMMA MIA!

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ヤッターマン

78点
『スキヤキ・ウエスタン・ジャンゴ』『クローズZERO』でお馴染み三池崇監督が手がけた人気アニメの実写化。
とは言っても、人物以外はほとんどフルCG。
内容は、歌や決めセリフなどアニメの要素をそのまま持ち込んだ部分が多い。ストーリーもはっきり言ってバカバカしいが、CG映像の完成度が非常に高いため見ごたえはたっぷり。
キャストも魅力的で、娯楽性の高い構成は大人が見ても充分楽しい。
ただやはり心に残るタイプの映画ではないので、続編が出るとなるとちょっとうんざり気分だが(笑)

監督:三池崇史
出演:櫻井翔、福田沙紀、深田恭子、岡本杏里、生瀬勝久、ケンドーコバヤシ、阿部サダヲ
2009年 111分

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