シャルロット・イゾアールちゃんの発音についての考察 | かくかくのブログ
りゅうおうのおしごと! に登場する
シャルロット・イゾアールちゃんの発音について考えていきます。

ちなみにドラマCDでは、小倉唯ちゃんが担当しています。


りゅうおうのおしごと!1巻、2巻で書かれているシャルちゃんの

セリフ部分を実際に発音して参考にしました。


シャルちゃんの発音には4つ(おおまかに2つ)の規則が確認されました。
以下、その4つの発音規則について見ていきます。

その前にかんたんに発音を表す記号の説明をしておきます。

基本的にローマ字通りですが、
/ja ju jo/ は「やゆよ」
/ʃa ʃi ʃu ʃe ʃo/ は「「しゃししゅしぇしょ」
/tʃa tʃi tʃu tʃe tʃo/ は「ちゃちちゅちぇちょ」
/tsu/ は「つ」
の4つは見慣れないので注意が必要です。


①流音の消失/半母音化

「しゃうおっとぃずぁーうだよ」

という自己紹介からも分かるように、
「らりるれろ」が上手く言えないようです。

ただし、/ra ru re ro/ → /a u e o/の変化はあったものの

/ri/ はきちんと発音できているようです(2巻11ページ)。


また、半母音化、すなわち「やゆよ」への変化は、

/ra ru/ → /ja ju/ のみ確認され、

今後、ほかの母音(「いえお」)で半母音化が確認された場合、

この論が正しい可能性が高まります。


②半母音の消失

「やゆよ」が「あうお」になる規則です。

/ja jo/ →/a o/ が確認され /ju/ → /u/ は出てきていません。

これも①同様、今後確認されればおそらく規則として確立するでしょう。

ただし、この規則には条件がつきます。

前後の母音が /a e o/ のいずれかに囲まれた時のみ規則が適用されます。

かっこよく音韻論的に言えば、 「j → ø / [-high]_[-high]」 です。
(参考 http://culture.cc.hirosaki-u.ac.jp/english/utsumi/phonology/phonology_c2_ja.html)


③歯茎摩擦音・後部歯茎摩擦音・歯茎破擦音・後部歯茎破擦音・歯茎破擦音の遷移

ここは変化の仕方が複雑です。

/s/ → /ʃ tʃ t/,  /s ʃ tʃ/ → /t/, /s/ → /t/, /ts/ → /tʃ/

有声音(濁点)のときも同様です。

ただまとめ上げただけなので規則とは呼びがたいかもしれません。



④破裂音の消失

「く」や「ど」が「う」や「お」になったのを無理やり規則化しました。

サンプルが少なすぎるので今後に期待です。





以上、4つの規則を挙げましたが、まともに規則と成り立ちうるのは

①と②くらいでしょう。

3巻以降でのシャルちゃんのセリフ次第で③、④が改めて定式化できるか決まります。

また、①、②の検証も可能になります。




ちなみに、おおまかに2つの規則と最初に言ったのは、こういうことではなくて、

消失するタイプの規則が今のところ、②の最後に挙げた条件を課すと

1つに統合されるからです。

ただ、これらをまとめてしまっていいのかはわかりません。



とりあえず、りゅうおうのおしごと!の今後に期待ですね。