灼華&ウンス編↓

快いほど甘美な...(Cantarella)

 

ヨン編↓

導く者~唯そばに居たいと...全28話

 

 

 

最後の最後で更新時間の変更、ホントに申し訳ありません。

 

 

 

 

 



「隊長...此処は私に任せて貰っても?」
「あゝ、構わぬ」

チェ・ヨンが頷くと無朔は口元に笑みを浮かべながら
嬉々として殺気を放つ近衛隊へと向かって行った

それを見つめながら灼華は首を傾げチェ・ヨンを見る

『人形って何のことだ?』
「あれだ見てくれ、あの顔」
『顔?.........表情がない?』
「あゝ王の命を忠実に遂行する為に心を壊されたんだ」
『壊された...ね』

 

その言葉に灼華は顔を顰めた

 

『......私には理解出来ないな』

「だろうな....だが、此れが現実だ」

チェ・ヨンは無朔と戦う近衛の隊員達を見る

一切の感情が見られない彼等の表情は死ぬ間際でさえ変わることはない


「彼奴等は人ではない

王の為に動く傀儡(くぐつ)、そう作られたんだ

その敬うべき筈の王は私欲を尽くしこの国を、臣下を、民を、食い散らかして.....

この国はあの王のせいで腐ってしまったんだ」

 

チェ・ヨンは吐き捨てるようにそう言った

 

灼華はそれを聞いて大きく溜め息をつくと頭を振る

ユ・ウンスとして生きてきたから少しはこの国の実情を理解しているつもりだった

だが本当の意味での真実をこの国の闇を、理解していなかったのだ

 

眉を顰め、苦悶の表情を浮かべ俯く灼華をチェ・ヨンは暫く見つめる

 

――こんな顔をさせたいわけじゃない

寧ろ灼華にはこれからも今までのように自由に生きて欲しいだけだ

 

 

チェ・ヨンは「そんなことより...」と言って徐に灼華の肩を抱き寄せた

 

「その、何だ、、、、いい加減名を呼んで欲しい.....のだが」


チェ・ヨンは肩に回した手に力を込める更に引き寄せる

 

『お前の名を?』

「あゝ俺はもう”迷い子”じゃない、”チェ・ヨン”だ」

『ふっ、分かってる』

 

唇が触れる程の距離に灼華の美しい瞳を隠す睫毛が揺れている

そこにそっと口付けを落とすと、綺麗な顎を指で掬い上げた

 

二人の視線が交わると灼華がぽつりと言った

 

『お前の瞳は美しいな』

「?」

『この瞳は私しか映さないから』

 

微笑みながら灼華はチェ・ヨンの瞳を撫でる

その手を取るとチェ・ヨンは指先に何度も口付けた

 

「俺にはあんただけだ

なのにあんたのこの瞳は俺以外も映す

この瞳が俺しか映さなければいいのに、、、」

 

そう言いながら灼華の瞼を自身の指の腹で撫でた

チェ・ヨンはその瞳に仄暗い色を纏わせながら灼華の瞳を見つめる

 

「いっそ、潰してしまおうか

そうすれば永遠に誰も見ることは出来ないだろ?」

『お前はそれでいいのか?』

「......................嫌だ」

『ふふ、我儘だな.......”ヨンァ”』

 

チェ・ヨンの瞳が大きく見開かれた

鼓動が高鳴り、心が歓喜で震えだす

 

そのまま灼華の腕を引き寄せると、強く抱き締めた

 

「俺は元来、我儘なんだ」

『分かってる』

 

その背をぽんぽんと灼華が笑い乍ら叩いた

 

 

暫くそのまま抱き合っていたが「あのーー...」という声が聞こえて二人は思わず顔を上げた

 

「こんな時にいちゃいちゃするの、止めてもらえます?」

 

見ると無朔があきれ顔で立っていた
 

「終わりましたよ」

 

その言葉に辺りを見渡すと、其処には死屍累々な現状が広がっていた

 

「『あゝ...............すまない』」

 

二人は苦笑いしながら謝ると、無朔は更に溜め息をついた

 

 

然し改めて辺りを見渡しながら、チェ・ヨンも灼華も思った

 

――末恐ろしい

 

こんな人数をたった一人で片づけながら息も切らさず、寧ろ今にもスキップでもしそうな様子だ

然も元気が有り余っているようで「これから王宮に攻め込みません?」なんて凄いいい笑顔で言ってくる

思いっきり引いている二人を余所にべらべらと楽しそうに喋っていた無朔だったが

突然、「あっ!しまった!」と声を上げると灼華の前に跪いた

 

「あの...すっかり忘れていたのですが、貴女にお願いしたいことがあるのです」

『お願いしたいこと?』

「はい、貴女にしか出来ないことです」

 

無朔が続けた願いを聞いた灼華は『またお前は...』と

一瞬憤怒の表情をチェ・ヨンに向けたものの直ぐ様駆けだした

後に無朔と、大きなため息を吐くチェ・ヨンが続く

 

 

 

三人の向かう先で、チェ・ヨン以上のため息が聞こえてきた

 

 

”忘れるなよ、まったく.............”

 

 

 

 

 

 

 


 

「忘れるな」一体誰の言葉なのでしょうかね。

(25)←私、この時、一言も死んだとは言っておりませぬ故

察しのいい方はお気付きでしょう、きっと(;¬∀¬)ハハハ…

 

 

思ったよりも長くなってしまいましたが、最後まで読んで下さりありがとうございました。

結末も内容も、快いより変わってしまいましたね(;^_^Aすみません...

 

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これをやらないとガンガン通知が来てうるさくなってしまうと思うので。(;゚Д゚)

(話数で言うと28回通知が来ることになってしまいます)

 

 

 

次回は来月になるでしょうか。

正直未定ですが、それまでもう少しお待ち頂ければと思います。

よろしくお願いいたします。

 

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