※仲介人とは...二者の間を取り持って関係を円滑にし、話を取りまとめる役割の人のこと

 

 

 

 

***

 

 



自室の壁に凭れ乍ら、
開け放たれた窓からぼんやりと外を見ていた

外は先程から雨が降ったり止んだりを繰り返している


「まるでお前のようだな、"シウ"」


ぼつりと呟いた声は、思いの外に大きかった
静まり返る自室とは違い、戸の向こうでは今日も賑やかに花達が香る


そう、花は………いつかは散る運命

楼主として分かっていたつもりだった

過去に何人も、何人も、同様の運命を辿るのを見てきたのだ
 

なのに、何故か胸の内に憂戚の想いが膨らんでいく


我が儘で、生意気で、いつも反抗的で憎たらしい、
だけどふとした時に遠くを見つめる顔が何処か儚げだった


「お前はずっと満たされなかったのか?だから"あの男"を追って………?」


その問いに答える者はもう居ないのだ

 

 

「楼主」


戸の向こうから自分を呼ぶ下男の声がした


「…………何だ?」
「実は、如何してもお会いしたいと仰る方がいらしておりますが...」
「入れ」


戸が開き一人の女人が入って来た
小柄な体躯に不釣り合いな真っ黒な二本の三日月刀がやけに目につく
女人は楼主に向かって深々と頭を下げた


「お久しぶりですね………チュンゲイン(仲介人)」












始まりました。また暫く宜しくお願いします_(._.)_





新しいバーナーにしたのですが、

このサイズと色味のせいか〇〇に見えるという失態。汗

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