年の瀬に、都心のタワーマンションから、郊外の丘の上の戸建に引っ越した。
冬休みにはいってすぐに荷造りをし、ぎりぎりのタイムラインで引越し。
正月休みは荷解きや新居での部屋作りに明け暮れた。

年寄りと一緒に暮らすことになったので、なにかと家の雑務も増えた。年寄りの世話ができるのは、娘としては光栄なことなのだけれども、なんにしても閉口しているのがここの寒さ。暖房は、かなり頑張って買い換えたので万全なのだけれども、古い家なので床暖などなく、床が殺人的に冷たい。靴下を何枚はいても、足がうっ血して気持ち悪くなるだけで、足が暖かくなることはない。スリッパを変えても効果なし。...
 水も氷水のように冷たい。マンションの水は、いつもぬるかったので、水でも余裕で洗い物ができた。それが、ここでは湯を使わないと、手が固まって作業ができない。

引っ越して3週間。手はあかぎれ、足は30年ぶりにしもやけだらけになった。

思い起こせば小学生のころ、この家で、冬になるとあかぎれとしもやけに悩まされていた。体が元気で、いつもぽかぽかしていた10代20代のころは、ひとえに体のパワーのおかげで、寒さに体が音をあげることなどはなかった。

40代も終わりかけの今、どうも形勢は寒さに有利なようだ。
くしくも、肉体の静かなる老化にきづかされ、こころまですこしたそがれてしまった。