「クラミジア抗体が陽性の場合は体外受精が良いでしょうか?」
この様なご質問がありましたのでお答えします。
クラミジア抗体が陽性の場合、過去にクラミジアに感染 した事を意味しております。
抗体検査なので採血をして結果を判断します。
詳細はこちら 参考にして下さい。
なお内診で検査をする方法は抗原検査と言い、現在感染しているかどうかを見るものです。抗原がマイナスだとしても抗体が陽性であれば過去に感染した事があるため、お腹の中に癒着が出来ている可能性があります。
そのため不妊症のスクリーニングの検査方法としては抗体検査をすべきだと言えます。
クラミジア抗体が陽性の場合、約半数に癒着が見られます。
抗体価が高い方が癒着の度合いが激しくなりますが、抗体価が低くても癒着の程度が激しいものもあります。抗体価のみでは癒着の程度を完全に予測する事は難しいと言えます。
また過去に治療歴があるとしてもあくまでクラミジアを治療しただけの話であり、癒着自体は内服薬では治療できていません。癒着は手術で取り除く以外は治療する方法がありません。
クラミジアがどうして不妊になるかと言うと、クラミジアによる癒着が卵管の周囲や卵巣の周囲に出来てしまうと、せっかく卵子が排卵されてもピックアップがうまくいかずに卵子と精子が出会えなくなります。
ただ片方の卵管にクラミジアによる癒着があったとしても、もう片方の卵管はきれいなケースもあります。
その場合はきれいな卵管がある卵巣から排卵された場合にはピックアップも問題無くされて妊娠が可能になります。
それではクラミジア抗体が陽性の場合、どのようにしたら良いかですが、
年齢、治療歴、不妊期間、精液検査、AMH、卵管造影の結果等から総合的に判断します。
治療方針としては以下の二つがあげられます。
①腹腔鏡 で癒着剥離
②体外受精
この辺りは主治医の先生とじっくりと相談すべきところです。
一般的には年齢により治療方法を選択する事が多いかと思います。
体外受精は癒着はそのままにしてあくまで妊娠を優先にしていく方法です。
癒着があっても妊娠すればそれでOKと言うのが不妊治療の特殊な所です。
自然妊娠を希望される場合は腹腔鏡にて癒着をきちんと剥離して、その後自然妊娠をトライする事が出来ます。