胚を3日目までにタイムラプスで評価することと、従来通り胚盤胞まで培養して形態的に評価することのどちらが妊娠率が上昇するかを検討している演題が今年のESHREにありましたので紹介します。
培養期間が長くなると児へリスクをもたらすという報告があります。3日目で妊娠する可能性が高い胚を選別することでできれば胚盤胞まで培養することを避けられます。
今回タイムラプスを用いて様々なマーカーを指標として良好胚を選別しました。
一方従来通りの方法で形態で良好胚盤胞を評価しました。
2015-2016にかけて前方視的無作為対象試験を行いました。
3日目群は167名、5日目群も167名でした。
結果
臨床的妊娠率は3日目群で66%、5日目群で72.9%
継続妊娠率は3日目群で64.6%、5日目群で72.1%
それぞれにおいて有意差は認められませんでした。
流産率は4.17%と5.17%、双胎の妊娠率は2.1%と1.4%で有意差は認められませんでした。
まとめ
タイムラプスで選別した3日目胚は5日目胚盤胞と同等の妊娠率を示しました。
この結果から言えること
タイムラプスを用いて胚の選別をすることで、長期培養を避けて良好胚を選別することが可能になります。これにより長期培養による胚へのリスクを減らすことが可能になります。
O-225 Single embryo transfer on cleavage-stage(D3) using Time- lapse selection VS on blastocyst(D5) using traditional morphological selection in patients with good prognosis: a prospective randomized controlled trial.
33rd Annual Meeting of ESHRE, Geneva, Switzerland 2 to 5 July 2017