原因不明はどうすれば良いか? | 両角 和人(生殖医療専門医)のブログ

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生殖医療専門医の立場から不妊治療、体外受精、腹腔鏡手術について説明します。また最新の生殖医療の話題や情報を、文献を元に提供します。銀座のレストランやハワイ情報も書いてます。

30歳で結婚して3年が経ちますが全く妊娠しません。毎月生理は順調で、夫の精液検査も正常でした。夫婦生活も問題なくできています。どうすれば良いでしょうか?

 

このようなご質問がありましたのでお答えします。

 

結論として、原因不明不妊には腹腔鏡検査をお勧めします。

 

様々なスクリーニング検査を行っても原因が分からない原因不明不妊 のかなりの症例がピックアップ障害になっています。

ピックアップ障害の根本的な解決策としては、腹腔鏡手術で卵管周囲癒着、卵巣周囲癒着、卵巣表面の膜状の覆い等をしっかりと剥離して、卵管と卵巣の解剖学的な異常を修復する事が最善、最短と言えます。

これにより排卵した卵子はスムーズに卵管に入り、卵管で精子と出会い受精し、あとは自然に妊娠します。

子宮内膜症の卵巣嚢腫があり嚢腫摘出及び卵巣周囲の癒着剥離も非常に有効です。

 

もちろん体外受精を選択する事も正解となります。

 

体外受精と腹腔鏡手術のどちらが好ましいのか?、についてですが、、、

手術、痛み、傷、コスト、年齢、価値観、過去の治療等個人個人により状況は違うので、この人には絶対これという事はありません。

医療サイドとしては、どちらか一方の治療に偏ることなく、症例毎に最善の治療を十分に検討して、ご夫婦にメリットデメリットを説明し、二人の希望に沿いどちらでも行えるというスタンスが最も好ましいのではないかと思います。

 

原因不明不妊にはラパロを

 

原因不明不妊には腹腔鏡を行うと妊娠率が上昇する

 

体外受精 vs 腹腔鏡手術