胚移植に際して排卵日が不安です | 両角 和人(生殖医療専門医)のブログ

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来月移植を予定しています。生理が時々不順で乱れます。移植には排卵日を正確に特定する事が大切と聞きました。具体的にはどの様にするのでしょうか?
また、胚盤胞は排卵日から何日目に戻すのでしょうか?

 この様なご質問がありましたのでお答えします。

自然周期で移植する場合、排卵日を正確に特定する事はとても大切です。
胚と子宮内膜を同期させる事が妊娠にはマストです。
5日間培養した胚盤胞の場合、排卵日をゼロとして5日後に移植します。
具体的には、1月1日が排卵日の場合5日後の1月6日に胚盤胞を移植します。

排卵日の特定の方法ですが、エコーで卵巣の卵胞のサイズと子宮の内膜厚さと内膜の形状を計測します。
また、ホルモン採血でE2,LH,P4の3項目を測定します。

普段の生理周期を元に、これらエコー所見とホルモン採血の結果を総合的に判断して、いつ排卵するかを正確に計算します。

排卵を自然に待つか、人工的に排卵を起こすかに関してですが、勿論自然の排卵を待つことも可能ですが、ある程度計算をした方が仕事などのスケジュールを立てやすいため、スプレキュアでトリガーをかけてあらかじめ排卵日を決める方法の方が調節しやすく好ましいと思います。

一般的にはスプレキュアをすると36時間前後で排卵します。具体的には12/30 22:00にスプレキュアをすると、1/1 10:00前後に排卵します。そうすると、1/6に胚盤胞を移植することになります。
排卵したか不安がある、黄体ホルモンの値が不安等という場合には、移植する日の朝のエコー所見、ホルモン値を確認してから胚を融解するやり方がお勧めです。