排卵しやすい体質です。どうしたらよいでしょうか? | 両角 和人(生殖医療専門医)のブログ

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生殖医療専門医の立場から不妊治療、体外受精、腹腔鏡手術について説明します。また最新の生殖医療の話題や情報を、文献を元に提供します。銀座のレストランやハワイ情報も書いてます。

採卵の際に度々排卵しており、担当医からは排卵しやすい体質といわれています。
何か対策は無いのでしょうか?


この様なご質問がありましたのでお答えします。

この様な体質の方がいることは事実です。
特に年齢が上がるとホルモンバラスが乱れ、小さい卵胞でも排卵してしまうこともあります。

排卵を防ぐにはいくつか方法があります。

①クロミッドを用いる
クロミッドは強力な排卵抑制の作用があります。卵胞が28mm位になるまで排卵を抑えることが可能になります。特に一日2回内服することでその効果はより高くなります。

②アンタゴニストを用いる
アンタゴニストは注射で、効き目がとても強く一度注射すると36時間くらいLHサージを止めることができます。アンタゴニストを36時間ごとに用いると3~5日くらいは排卵させずに卵胞を育てることができます。これにより複数の卵胞を育てることが可能になります。

③ボルタレン座薬
ボルタレン座薬は排卵を抑制できる薬剤です。
特に採卵前日の昼と夜に用いることで翌日の採卵に向けて排卵の予防になります。

これらの薬剤をしっかりと用いることで排卵しやすい体質の方でもかなりの確率で排卵のリスクを下げることができます。