胚盤胞の直径とグレードどちらを優先すべきか? | 両角 和人(生殖医療専門医)のブログ

両角 和人(生殖医療専門医)のブログ

生殖医療専門医の立場から不妊治療、体外受精、腹腔鏡手術について説明します。また最新の生殖医療の話題や情報を、文献を元に提供します。銀座のレストランやハワイ情報も書いてます。

5日目で2つの胚盤胞が凍結できました。

1つはグレード4ABで胚盤胞の直径は少し小さ目との事でした。もう一つはグレード4BCで胚盤胞の直径は大きく良い胚との事でした。胚盤胞の直径が大きい方が妊娠しやすいと聞いた事がありましたのでどちらを先に移植すべきか迷っています。
 
この様なご質問がありましたのでお答えします。
 
胚盤胞の直径が大きい方が妊娠率が高いことは学会で発表されています。
特に近年の学会ではこの胚盤胞の直径に注目した発表が多くなっていて、多くの施設が胚盤胞の直径を判断の基準に入れてきつつあります。
 
その一方で、グレードが良い胚盤胞の方が妊娠率が良い事は過去の多数の論文で報告されています。
 
ご質問のどちらが良い胚盤胞かですが、これは判断する基準が異なるため難しく一概には言えませんが、ご質問のケースでは4ABが良いのではないかと思います。
 
あとはこの両者の胚をタイムラプスで観察しているのであれば、受精のところ、第一卵割、多核などを見返してどちらがより妊娠しやすいのかを判断することも良いかと思います。
 
なお、同じグレードであれば直径が大きいほうが好ましいかと思います。