妊娠判定日にhCGが低い場合、子宮外妊娠に注意を | 両角 和人(生殖医療専門医)のブログ

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妊娠判定日にhCGが低く5しかありませんでした。

妊娠継続の可能性は低く、そのため次の生理まで様子を見ることにしました。

ただ生理がなかなか来なくて不正出血をしてきたため心配で受診したところ子宮外妊娠の可能性があると言われました。どうしてこのようなことが起きるのでしょうか?

 

このような質問がありましたのでお答えします。

 

移植して判定日の妊娠反応が低くその後じわじわと上がるケースがあります。これは遅延着床が考えられます。

 

特に子宮外妊娠が気をつけるべき点で、判定日のhCGの値が1〜7位とかなり低くてもその後じわじわと上がり卵管に妊娠しているケースがあります。稀ですがhCGが0.1からでも上がることがあります。

 

通常このように低い場合には化学流産と判断され、医師からは少し生理が遅れますが1週間程度で生理が来ますと説明を受けます。

 

気をつけるべき点として、生理のような出血がある為生理かと思い放置してしまうことがあります。ただそれは生理ではなく子宮外妊娠による不正出血になります。

 

だらだらと続く不正出血がある場合には異常妊娠が疑われるため自己判断せず受診して診察を受け血液中のhCGの値を測定する方が良いと思います。

 

また妊娠判定を尿検査で受ける場合にも注意が必要です。尿検査はhCGがある程度高くならないと検出しないため判定日のhCGの値が1〜7位とかなり低い場合には陰性と判断されます。ただ実際には遅延着床でその後上がり同様のケースが起きてきます。

 

いずれにしても移植をしてhCGの値が低くてもこのようなケースもあり得るため、最初の生理がいつもと違う場合には医師に確認をしhCGが下がっている事を確認すべきだと思います。