断乳せずに移植することはどうでしょうか? | 両角 和人(生殖医療専門医)のブログ

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生殖医療専門医の立場から不妊治療、体外受精、腹腔鏡手術について説明します。また最新の生殖医療の話題や情報を、文献を元に提供します。銀座のレストランやハワイ情報も書いてます。

1人目は体外受精で出産しました。年齢が上がりそろそろ2人目を…と考えていますが、断乳できていません。やはり授乳しながらの移植はやめた方が良いでしょうか? 

 
この様なご質問が有りましたのでお答えします。
 
移植には自然周期とホルモン補充周期の2種類があり、自然周期の場合には薬剤を用いないため授乳を通して子供への薬剤の影響は避けることができます。
ただ授乳により子宮の収縮がどうしても起きやすくなります。
またプロラクチンが高くなり黄体機能が不安定になります。
そのため、移植に際しては原則として断乳はした方が良いかと思います。
 
一方、採卵に関しては、薬剤の母乳への移行が問題になり得ますので、極力控えた方が好ましいと思います。
 
いつ断乳するかは育児にとって非常に大切な事でありとても悩ましい事かと思います。
ついつい夜間のみとかというケースもあります。
 
治療再開に関しても、早くしないと産んだ後の年齢の問題もあるため、両者を踏まえ、後は夫婦間でしっかりと話をする事が良いかと思います。
 
宜しければ過去の記事も参考にして下さい。