人工授精は前日に採取した精子で妊娠率は下がらない | 両角 和人(生殖医療専門医)のブログ

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前日に採取した精子を用いて人工授精をした場合妊娠率はどうなるか、この様な興味深い論文が有りましたので紹介します。

普通は当日に採取した精子を用いて人工授精を行います。これは常識的に考えて当然の事です。
ただ、今回の論文ではあえて一日前に採取した精子を用いた場合に妊娠率は下がるのかどうかを調べています。

当日の採取群、前日の採取群の2群に分けています。1,136周期を調べています。
この表の通り妊娠率は有意差がありませんでした。
前日の採取の場合の妊娠率77/547 (14%)
当日の採取の場合の妊娠率77/589 (13%) 
結論
人工授精の場合、採精は前日でも構わないのかもしれません。
Fertility and Sterility Vol. 108, No. 5, November 
Longer time interval between semen processing and intrauterine insemination does not affect pregnancy outcome