日本の治療成績は桁違いに悪い | 両角 和人(生殖医療専門医)のブログ

両角 和人(生殖医療専門医)のブログ

生殖医療専門医の立場から不妊治療、体外受精、腹腔鏡手術について説明します。また最新の生殖医療の話題や情報を、文献を元に提供します。銀座のレストランやハワイ情報も書いてます。

 

2018年Fertility and Sterility 11月号に日本は世界一採卵数が多いものの、妊娠率は世界一成績が悪いと伝えられています。2011年のデータです。

採卵数は日本は世界一で173895周期で、2位のアメリカの91793周期の2倍近いです。3位のイタリアは56086周期、4位のロシアも44401周期、5位のスペインは36766周期でいかに日本は多いか分かります。驚きの数です。

 

以下採卵辺りの分娩率です

 

日本 7.9%

イタリア 14.3%

ドイツ 18.5%

スペイン 18.6%

フランス 19.6%

ロシア 21.7%

スウェーデン 23.7%

ブラジル 23.7%

イギリス 26.9%

アメリカ 33.4%

 

以下の図表の通り日本は一番左で、桁違いに低い事が分かります。

以下拡大したものです

 

日本は高齢の方が多い事もあるものの桁違いに成績が低い事が指摘されています。その理由は多岐に渡りますが、単一胚移植やPGT-Aを行っていない事、そして自然周期が多い事が挙げられています。


International Committee for Monitoring Assisted Reproductive Technology: world report on assisted reproductive technology, 2011

https://www.fertstert.org/article/S0015-0282(18)30549-1/pdf

Fertility and Sterility November 2018Volume 110, Issue 6, Pages 1067–1080