着床前診断は流産を減らし出産率をあげると期待されています。
現在日本でも臨床研究が行われており我々の施設も参加しています。日本においてどの様な結果が出るか多くの医師が待ち望んでいます。近いうちに日本産婦人科学会がデータをまとめて論文にすると思われます。
この論文はアメリカの最新のデータを掲載しており非常に大切な結果と言えます。
8月号のHuman Reproductionからの報告です。
反復流産の方に対してPGT-Aをした場合としない場合では以下の様に出産率は33.6 vs 47.7と差が出ました。
この下のグラフは <35 years, 35–37 years, 38–40 years, 41–42 years, and >42 yearsにおいて出産率、妊娠率、流産率、化学流産率を補正オッズ比で見ています。
PGT-A ありとPGT-Aなしにおいて
出産率は年齢別にみると補正オッズ比は以下の様になりました。
35歳未満 1.31
35から37歳 1.45
38歳から40歳 1.89
41歳から42歳 2.62
42歳以上 3.80
PGT-A ありとPGT-Aなしにおいて
流産率は年齢別にみると補正オッズ比は以下の様になりました。
35歳未満 0.95
35から37歳 0.85
38歳から40歳 0.81
41歳から42歳 0.86
42歳以上 0.58
この結果から言えることとして
PGT-Aは反復流産の場合非常に良い結果を出しています。反復流産を経験しているご夫婦に対して流産を避け出産までの時間短縮のためにPGT-Aを提案することが求められていると思います。
特に高齢の方に対して流産率をかなり減少させる事ができるため有用と思われます。
Human Reproduction, Vol.36, No.8, pp. 2339–2344, 2021
Pregnancy outcomes following in vitro fertilization frozen embryo transfer (IVF-FET) with or without preimplantation genetic testing for aneuploidy (PGT-A) in women with recurrent pregnancy loss (RPL): a SART-CORS study