PGT-Aは染色体を調べるために胚盤胞に穴を開けて胎盤になる部分の細胞を5から10程度取り出します。この影響がその後の妊娠にどのような悪い面をもたらすか、現在多数の研究で調べられています。
今回はPGT-Aのためにバイオプシーをすると妊娠判定日のhCGの値が低くなるという内容の論文です。
バイオプシーをした場合移植日から12日目のhCGは703.10 (569.63)に対して、バイオプシーをしないコントロールは 809.20 (582.00)となり有意差が出ています。
この下の表は生まれた子供の周産期のデータですが特に問題はありません。
この結果から言えること
PGT-Aのバイオプシーをすることは妊娠初期のhCGの値を低くすることがわかりますが、それが生まれてくる子供に対して悪いことをするということは言えないとしています。
PGT-Aは侵襲的な方法なので、やはり理想はバイオプシーをせずに診断できればという考えが以前からあり、例えば培養液から胚の異数性を診断するとか、タイムラプスのAIの解析から診断する方法がないか模索されていますが、現時点でバイオプシーにはどうしても劣ります。
今後非侵襲的な診断が待たれるところです。
Fertility and Sterility® Vol. 114, No. 4, October 2020
Trophectoderm biopsy reduces the level of serum b-human chorionic
gonadotropin in early pregnancy