PCOSの場合排卵障害が主な不妊の原因ですが、体外受精をして凍結胚移植をし生まれてくる子供に対してどのような影響が出るかはまだ詳細なデータはそれほど多くありません。
PCOSの抱える問題は以前も記事にしましたので以下を見てください。
今回PCOSと非PCOSの場合で周産期の予後にどのような差異(体重、週数など)が生じているかを検討していますので以下に紹介します。
PCOSがあるかないかで早産になる確率は以下の様になり有意差が出ました。
PCOS vs. non-PCOS: 10.5% vs. 7.1%
低出生体重児の割合は以下の様になり有意差が出ました。
non-PCOS vs. PCOS, 3.9% vs. 5.1%
この結果から言えることとして
PCOSの場合で凍結胚移植を行った後は早産になる可能性が有意に高くなります。
また低出生体重児となる可能性も高くなります。しかしBMIが正常な場合にはそれらの差は無くなります。いずれにしても更に大規模な検討が必要ですが、これらの知見はPCOSの方にはとても大切なことであり、今後PCOSの患者さんが妊娠した場合にはハイリスク妊娠であることをしっかりと伝え、フォローを綿密にし、早産にならないような体制を作ることが必要といえます。
Fertility and Sterility® Vol. 115, No. 2, February 2021
Neonatal outcomes in women with polycystic ovary syndrome after frozen-thawed embryo transfer